マカオGP観戦記②レースを無料で観戦する方法-チケット売切れに泣いている人必読!
前回の記事では、2019年のマカオGPのフリー走行・予選日の観戦についてリポートした。
上記の記事にあるように、チケットが現地調達できると思い事前予約しなかった筆者は、 決勝日のチケットが手に入らないという緊急事態に遭遇。
それで、スタンドでの観戦を諦め、プランを大幅変更し、結果的に大迫力の場所で観戦出来た決勝日の様子をこの記事に記している。
私と同じようにチケット売切れに泣いて、この記事にたどり着いた方のご参考になれば幸いだ。
なおタイトルは”レースを無料で観戦する方法”となっているが、もちろんこれは日本から旅費無料でマカオGPを見に行ける、という方法ではない。
現地までは自分で行き、チケット代が無料で観れる、というだけである、念のため。
マカオGPの観戦場所は限られる
マカオGPのスタンドは、前の記事で私が金曜フリー走行を観戦したLisboa Bend Stand、土曜の予選を観戦したGrand Stand (A)、そしてReservoir Standの3種類。
それ以外の場所はフェンスに覆われており、ホテルやカジノの上階にでも入らない限り、基本的に観戦出来ない。
決勝日のチケットを買えなかった私が取った行動
日曜決勝のチケットが結局買えなかった私は、レースの事は一旦忘れ、マカオの街を観光がてら歩き回る事にした。
マカオの街はコンパクトで、大部分を歩いて回れる。
また、バスも安価で乗れ、グーグルマップを使えば行き先に応じたバス路線が検索出来るので、タクシーを使わずとも簡単に観光出来るのだ。
そして、山側の方へ散歩に行ってみると…
ガードレールの切れ目から走るマシンの姿が
GTカー決勝レースを戦っているマシンのけたたましいエキゾーストノートが聞こえてきた。
エンジンサウンドに導かれるように歩いて行くと、なんと、ガードレールの隙間から、一瞬だが走り抜けていくGTマシンが見えるではないか!
上記の動画は、下の地図のピンのあたりで撮っている。
コースで一番きついヘアピンコーナーへのアプローチ部分が見えている。
このあたりからマシンが見えるという事は地元の人にもあまり知られていないようで、立って観戦している人はまばらだ。
ここから見るマシンはなかなか迫力があるが、走り抜けるのは一瞬であるし、立ちっぱなしの観戦は長時間はしんどい。
ふと目を上げると、あるビルの屋上から沢山の人がレースを観戦している事に気付く。
決勝前のスーパーカーパレードの車列に遭遇
GTの決勝が終わり、いよいよ残すはメインレースであるF3の決勝だ。
それに先立ち、コースとの出入口が設けられているこの公道に、続々とスーパーカーが終結しだした。
どうやら決勝前のスーパーカーパレードに出場する車たちのようだ。
さらに良い観戦場所を発見!
マカオの人たちのゴージャスさを目の当たりにした後、先ほど見つけた観戦出来そうなビルへと向かう。
先ほどの場所から歩いて5分もかからない、目立つビルなので先ほどの場所へ行けば必ず分かるはずである。
関係者以外が立ち入ると何か言われるのではないかと恐る恐る入ったが、公共の駐車場として利用されている場所のようで、特に何も言われる事なく、コースが見える場所へ到達。
地上階から入った場所はB1階となっているが、このエレベータに乗って駐車場部分の2階~4階へ上がる。
どの階から見るかは好みによるが、私は一番マシンが近く見えて迫力のある2階で観戦する事にした。
※なお、公共の駐車場で出入り自由とは言え、私有地であるため、ここへの入場を推奨しない。
もしここで観戦する場合は駐車場利用者やビルの方に迷惑を決してかけないよう注意すべきである。
また2019年時点では立入れたものの、今後立入り禁止となる可能性もある点、ご了承いただきたい。
決勝前スーパーカーパレード
さて先ほど行動に集結していた何十台ものスーパーカー達による、決勝前スーパーカーパレードが始まった。
オーナーカー達はかなりの爆音を響かせて、ゆっくりと走っていく。
これだけの数のスーパーカーの走行を見られるのはなかなか壮観だ!
参加車はコースをゆっくりと数周した後、先ほどコースインした場所から再び行動へと出て行った。
ホームストレート上では決勝前のセレモニーが行われているはずだ。
そしてここは地元の人には割と有名な観戦ポイントのようで、決勝が近付くにつれ、多くの家族連れがマイカーで立体駐車場へ入場し、コースが見える場所へ続々と集まってくる。
マカオGP決勝スタート
さてこの立体駐車場から見えるヘアピンはコース幅が極小のため、常時黄旗が振られ、追い越し禁止である。
よってレース中のオーバーテイクが見られないのは残念であるが、マシンの速度がコース上で最も落ちるため、写真撮影には絶好のポイント。
実際、TV中継用のカメラも設置されている。
Youtubeでは生中継も行われていたので、スマホの画面を見ながら観戦出来た。
そうこうしているうちにフォーメーションラップ、
そして決勝がスタート!
レース展開は専門サイトをご覧いただくとして、写真ギャラリーをここに記載させていただく。
↑唯一参戦の日本人、角田裕毅選手(#8)
↑優勝したリチャード・ヴェルシフォー選手
↑中断でバトルを繰り広げる角田選手(#8)
↑予選PP,決勝2位のユーリ・ビップス選手
↑角田選手の後ろ姿
↑去年の大クラッシュから見事カムバックの紅一点、ソフィア・フロージュ選手
↑トップ争い、ヴェルシュドール選手(#21)に激しく追い迫るヴィップス選手(#6)
↑写真右手#26は元F1ラルフ・シューマッハのご子息、デヴィッド・シューマッハ選手
さぁそんなこんなでF3決勝はダークホースのリチャード・ヴェルシフォー選手の初優勝で幕を閉じ、2019年マカオGPの全てのレースイベントが終了した。
一時はチケットが無く、どうなるかと思ったが、このような絶好のポイントでしかも無料で観戦する事が出来、結果的に大満足であった。
公共の駐車場へ勝手に立入っての観戦は、推奨出来るものではないが、私のようにせっかく現地まで行ってチケット入手出来ず途方に暮れておられる方の目に、この記事が留まればと願っている。
ただしこの方法で観戦される方は、くれぐれも周囲に迷惑を掛けないよう、よく気を付けていただき、自己責任でお願いいたします。
レースの帰りにコースに入れる
レースが終わった後、ここから山を登ってすぐ(と言っても急な坂を20分くらい歩く)の、有名なギア灯台へ行ってみた。
ここからは夕陽に輝くマカオの街を一望出来る、また先ほどまでレースが行われていたコースを見下ろすと、撤去作業が行われていた。
マカオGPは公道レース、走行が終了するとすぐに、規制が解かれ、元通りの公道となる。
丘を降りて来たところで、先ほどまでレースが行われていた道路を少し歩いて、余韻に浸る事が出来た。
マカオ下町のローカルグルメ
さて宿を取っている下町へと戻ってきた。
マカオ滞在最後の夜は、チープにローカルグルメを味わう事に。
一件目は、泊った宿の人に教えてもらった、中国のもつ鍋屋さん。
人気店らしく、かなりのお客さんで賑わっている。
ハサミで何やら忙しそうにホルモンを切って鍋にぶっこんでいるオジサンには、中国語しか通じず、どう注文して良いのか分からない。
戸惑っていると、並んでいた女の子がカタコトの日本語で助けてくれた。
中華圏はチャキチャキし過ぎていて馴染めなかったが、中にはこうして助けてくれる人も居て、少しホッとした瞬間。
カップ1杯満タンに入れられた白菜ともつ煮、そしてキノコをリクエストするとそれもたっぷり入った。
確か日本円にして300~400円位だったと思う。
この熱々のもつ鍋を嫁とフーフー言いながらシェア。
そしてもう一件、
近くにある、関東煮手造坊という意味が分かり易い表記のおでん屋さんである。
ここは日本人経営との事だが、店主はおられず、私が住んでいる国、フィリピン人の従業員さんが2人で切り盛りされていた。
日本から旅行に行ってわざわざおでんを食べたいと思わないかも知れないが、海外生活者の私にとってとても懐かしい気持ちにさせられた。
おでんも、そしてカレーもとてもうまかったのだ!
マカオGPがオススメな人
そんなこんなで、私の初めての海外レース観戦、マカオGPの4日間は幕を閉じた。
滞在中、現地の嫌な面ばかりに目が行ってしまい、多分マカオ、いや中華圏には二度と旅行に行きたくない、という気持ちにさせられてしまった。
とはいえ、コスパの高い、充実した観戦旅行だったのは間違いない。
中国語がカタコトでも出来る人、安く海外レース観戦してみたい人、モタスポ民度の低さを面白半分で体験してみたい人にはオススメのグランプリである。