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2018年レースふり返り スーパーフォーミュラ第6戦岡山国際 観戦記

随分と月日が経ってしまったが、今さらながら2018年9月9日に岡山国際サーキットで開催された、スーパーフォーミュラ第6戦の観戦記をUPする。

スーパーフォーミュラとは?

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS (2014年のレース風景)

タイヤがむき出しのフォーミュラーカーで競われるレースの、国内最高峰シリーズ、それがスーパーフォーミュラ(SF)。

国内フォーミュラは入門カテゴリから順に、S-FJ、F4、F3、そしてこのSFというカテゴリ分けになっている。

国際フォーミュラレースではF1が頂点で、その下にF2(旧GP2)が位置するが、そのF2に次ぐ位置づけがSFと言えるだろう。

2018年のSFのマシンは、イタリアの名門コンストラクター、ダラーラのワンメイクシャシーに、ホンダとトヨタが開発する、2,000cc直4ターボエンジンを搭載。

スーパーGTと共用のこのエンジンは、なんと550馬力以上を発生し、ひと昔前のF1に迫る速さを見せる!

前身の全日本F3000選手権・フォーミュラニッポン時代には、F1への登竜門で、鈴木亜久里・片山右京・高木虎之介といった選手が、全日本F3000のチャンピオンを獲得してF1へ昇格していった。

全日本F3000は1996年にはフォーミュラニッポン、そして2013年に現在のスーパーフォーミュラという呼称となる。

その間に時代が変わり、国内でタイトルを獲ってF1へ行くより、ヨーロッパで戦績を挙げてF1デビュー、という流れが主流になった。

最近はF1からのUターン組や、欧米のレースシートの獲得が難しい選手がSFに活路を見出している。

とはいえ、これは結果的にSFのレベルの底上げにつながっていて、国内最高峰にふさわしいハイレベルな戦いが見られるのだ。

今回私が観戦した第6戦岡山ラウンドも、F1に劣らない激しいトップ争いが見られた。

9月9日早朝、岡山国際サーキットへと向かう

スーパーフォーミュラ第6戦が開催される岡山国際サーキットは、岡山県美作市滝宮1210という、人里離れた山奥にある。

実は私DAIは、今回初めてこのサーキットへ行った。

朝5時過ぎに大阪を出発。

近畿自動車道~中国道へ入り、作東ICで下りる。
そこからカーナビを頼りに走ったのだが、かなり曲がりくねった山道へ入り込んでしまった。

あまりに道が細かったため一度引き返したりしながら、45分ほど走っただろうか?
サーキットの仮設駐車場(無料)へ到着。

渋滞は全く無かったのに、大阪を出てから2時間半ほど掛かってしまった、迷わなければもっと早く到着できるだろう。

仮設駐車場というが、舗装されていないただの空き地で、雨が降ったためぬかるんで大変だ、靴がドロドロになってしまった。

そこから無料のシャトルバスに10分ほど揺られサーキットへ到着。
サーキット内の駐車場へ直接入れるのは、前売り駐車券(1650円)を購入した人たちだけだ。

SF第6戦岡山のチケット

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今回私は、同日開催のEnjoy Honda招待券をヤフーオークションで入手し、来場した。

招待券の場合は、イベントが荒天等でキャンセルになっても、払い戻しはない事に注意だ。

正規でチケット購入した場合、前売り2日通し券で5,400円、当日券は7,600円とそこそこ高額だ。

中学生以下の子供は入場無料となっている。

雨天観戦に便利なメインスタンド

じつは1週間ほど前から、この週末は雨予報が出ており、その日が近づいてもずっと変わらなかった。

バスを降りて、坂道を登り、私にとってはじめての、岡山国際サーキットの入場ゲートに到着。

それまで鈴鹿ばかり通っていた私は、ゲートを入ってすぐにメインスタンドへ到達出来る事に驚いた、これは便利だ。

降り続く雨のため、到着してすぐ、屋根のあるメインスタンドの1コーナーよりに陣取る。

今日は雨をしのげるここで一日腰を据えて観戦することに決めた。

スーパーフォーミュラ第6戦のエントラント

無料配られているチラシに、参加全チーム・ドライバーの紹介が載っていた。

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チラシに載っている全エントラント

この中から私が今回応援しているのは、やはりF1時代から応援していた#18 KCMGの小林可夢偉選手。

2週間前に見に行った鈴鹿10時間耐久でも、可夢偉選手は初音ミクカラーのメルセデスを駆って、大躍進したばかり。 

SF参戦4年目にして未だに優勝のない可夢偉選手に是非、初優勝を遂げて欲しいと思い、かなり肩入れして応援する事にした。

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生憎の雨の中のウォームアップラン

駐車場に到着したのは8時前だったが、バスの待ち時間や、降りてからスタンドまで歩いたりしていると、あっという間に時間が経ち、スタンドに陣取るとすぐにSFのウォームアップが始まった。

ちょうどピット出口が目の前で、どの車もリヤホイールを派手に空転させてコースへと出て行く。

実は私、スーパーフォーミュラの本気走行を見るのは約10年ぶり、その進歩に驚いた。

昔のフォーミュラニッポンの排気音はこもっており、マシンのスタイルもF1と比べたら見劣りするもので、F1とは明らかな差があった。

ところが今のSFは、よく響く排気音、クイックな挙動、カラフルなカラーリングなどから、これがF1だと言われたら信じてしまいそうな迫力だ。

いや、モータースポーツをよく知らない人は、これをF1だと思うだろう。

それにしてもかなりの雨量のなか行われたウォームアップラン、たまらず#13.REAL RACINGの塚越広大選手がスピン、タイヤバリアにクラッシュ。

午後に迫る決勝を前に、マシンにかなりのダメージを受けてしまう。

予選順位

塚越選手のクラッシュ以外にもコースアウトする車が何台か見受けられ、最悪な路面コンディションの中、ウォームアップランが終了。

トップタイム1’30.141をマークしたのは#19,インパルの関口雄飛だった。

ここで、前日の土曜日にやはり雨の中行われた予選順位も紹介する。

  1. #19 関口雄飛 (インパル)
  2. #18 小林可夢偉 (KCMG)
  3. #20 平川亮 (インパル)
  4. #5 野尻智紀 (ダンデライオン)
  5. #3 N.キャシディ (近藤レーシング)
  6. #4 山下健太 (近藤レーシング)
  7. #17 塚越広大 (リアルレーシング)
  8. #2 国本 雄資 (セルモ)

(以上、Q3進出者までのみを記載)

それ以下10台の参加者含む、計19台にて決勝が争われる。

トップの関口選手と可夢偉選手の差はわずか100分の2秒。

マシンの差が縮まるレインコンディションでの決勝は、激戦が予想された。

サポートレースのF3とN-ONE OWNER’S CUP

さて、SFの決勝の前にサポートレースが二つ挟まれる。

その一つはF3、SFのひとつ下のクラスのフォーミュラレースだ。

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サポートレースF3の決勝風景

かなりの雨が降っていたのだが、セーフティーカースタートで実際にレースが行われた。

実質13周のレースを制したのは、トムスの坪井 翔選手。
2番手にはF1を目指す若手の笹原 右京選手、3番手には坪井選手のチームメイト宮田 莉朋選手が入った。

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サポートレース N-ONE OWNER’S CUPの決勝風景

続いて軽自動車のアマチュアレース、N-ONE OWNER’S CUPが行われた。

しかし土砂降りの雨の中、アマチュアレーサーにバトルさせるのはあまりに危険という判断か、8周の規定周回中ずっとSC先導によるパレード走行でチェッカーとなった。

バトルが見られなかったのは残念であるが、41台ものカラフルなN-ONEを見られたのは楽しかった。

1~2コーナースタンド

走行のない昼の時間帯、雨も少し小ぶりになってきたため、1~2コーナーへ足を運んでみた。

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1コーナーの方へ歩いて行くと、ホームストレートエンドに金網の切れた撮影スポットがある。
この部分はスタンドはないのだが、写真を撮る事が出来る。
ただし、出来るだけ立ち止まらないで観戦して下さい、との注意書きがある。

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そして、さらに歩くと2コーナースタンドがある。
ここは小高い丘になっていて、コースの東半分を見渡せる絶好の観戦ポイントだ。
ただし今日は雨のため、屋根がないここでの観戦は控える事にした。

待てど暮らせど始まらないSF決勝

さて、昼休みの間も雨は止まず、むしろ決勝の時間が近づくにつれて強まってくる。
それでまず決勝開始が1時間遅れる事が発表された。

午後2時55分、セーフティーカー(SC)先導で最大競技時間70分として周回がスタート。

メインストレートのダミーグリッドから、各車ものすごい水しぶきをあげて一斉に走り出した。

ところが、一向にSCが外れない。

そもそもレース時間が70分に減らされてしまっているうえに、SC先導走行で周回数を消費すれば、レースがわずかになってしまう。

早くSCが外れて欲しいと思いながら見ていたのだが、なんと、7周の段階で赤旗が出てしまった。

その後もしばらくレース再開のアナウンスが無かったため、イベント会場へ行ってみた。

まず目に留まったのは、トロロッソホンダのF1マシンの展示。

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迫力のモトクロスバイクのデモ

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イベント会場で行われていた大迫力のモトクロスデモ走行

そしてイベント会場では、プロのトライアル競技ライダーによる、モトクロスのデモ競技も行われていた。

これが、台の上で後輪のみや前輪のみで止まったり、急な坂の途中でバイクをピョコピョコ跳ねさせて180度方向転換したり、と、超人業!

一緒に見ていた嫁も大興奮!

モトクロスのデモ走行を最後まで見ていたかったのだが、レーシングコースから爆音が響いたため、後ろ髪を引かれる思いでスタンドへ戻る。

やっとはじまったSF決勝

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スタンドへ戻るとSFマシン達はSCに先導され2周目の周回に入っていた。

SC先導走行がさらに2周続き、時刻は既に16時半になろうとしていたころ、ようやく、SCが隊列の先頭から外れる。

待ちに待ったSF決勝のスタートだ。

1コーナーこそ先頭の関口が抑えるものの、後ろから可夢偉が猛追、コースのあちこちでノーズを突き刺しにかかっている。

ここ、岡山国際サーキットは、鈴鹿と比べコースまでの距離が近く、バトルを間近に見られ、とても迫力がある。

可夢偉のアグレッシブ過ぎるアタックは、本当にそのフロントノーズを関口選手に突き刺してしまい、ノーズがめくれあがってしまった。

ところが、その状態でも可夢偉はスローダウンせず、むしろペースアップして関口をオーバーテイク!

ホームストレートへと帰って来た可夢偉のマシンは、フロントノーズが風でペラペラと動いているのがスタンドから見えた。

再びSC介入~手に汗握るバトル

関口を抜き去った可夢偉は、そのまま独走態勢に入り、7秒のリードを築いた。

このまま可夢偉の初優勝かと思えたそんな時、後方で接触が発生、コースの真ん中にマシンが立往生してしまう。

これでまたSCが入り、レース時間は短くなったが、マージンがなくなって面白くなった。

再スタートでは可夢偉がペナルティギリギリかと思える意図的なスロー走行をして後車との差を詰め、最終コーナー手前で一気に加速し、抜群のスタート!

しかし! なんと雨に足をすくわれてコースオフ。

その一瞬のスキを突いて関口が再びトップに返り咲いた。

コースに復帰した可夢偉は、またまた関口を上回るペースで猛追。

このままいけばまた可夢偉のオーバーテイクが見られる!とそう確信し、グランドスタンドをトップの2台が駆け抜ける度に、嫁と一緒に手を振って応援する。

この熱いバトルには嫁も大興奮であった!

ところが…

あっけない幕切れ

31周目を終えて関口と可夢偉の差はわずか0.5秒。

テール・トゥ・ノーズ状態のバトルが続き、このレースのハイライトを迎えようというタイミングで、なんと最終コーナーで#15の福住 仁嶺が単独スピン!

エンジンが止まってしまい、この車を排除するためにまたSCが入った。

残り5分を切ったこのタイミングでのSCは決定的で、これをもって順位確定となったのだ。

最後までこのバトルが見たかったギャラリーの立場としては、不完全燃焼であるが、これがレース。

応援していた可夢偉選手のSF初優勝は、残念ながらお預けとなった。

SF第6戦決勝結果

  1. #19 関口雄飛 (インパル)
  2. #18 小林可夢偉 (KCMG)
  3. #20 平川亮 (インパル)
  4. #5 野尻智紀 (ダンデライオン)
  5. #3 N.キャシディ (近藤レーシング)
  6. #4 山下健太 (近藤レーシング)

(以下省略)

と、終わってみれば結局1位~6位まで予選結果そのままの順位に。

トップ争いは素晴らしいかったが、雨天でレース距離が短すぎた。

ただし周回数が少なかったため、規定によりドライバーが獲得する選手権ポイントは半分となった。

2018年スーパーフォーミュラ年間成績

しかし、このレースの終了時点でランキングトップであったN.キャシディ選手を、このレース無得点に終わった山本 尚貴選手が、なんと最終戦鈴鹿で逆転。

わずか1ポイント差でシリーズチャンピオンに輝いたのは山本選手だった。

岡山勝者の関口選手はハーフポイントしか獲得出来ず、最終戦では下位に沈み、総合4番手。

私の応援した小林可夢偉選手は、最終戦ノーポイントに終わり、総合11番手と、今年も振るわなかった。

スーパーフォーミュラを実際に観戦してみて

雨に見舞われてしまったのは残念であるが、レースが中止されず少ない周回数でも素晴らしいバトルが繰り広げれた事、中でも応援していた可夢偉選手の奮闘を目の前に見られたので、満足いくレースだった。

同日開催のEnjoy Hondaも、様々なイベントがあり、興味深い。
ただこれに関しては雨で台無しになってしまって本当に残念。

また将来、晴天に恵まれたEnjoy Hondaに参加してみたいと思う。

550馬力を発生するマシンを、元F1ドライバーが操り、ひと昔前のF1に近いラップタイムを刻む、スーパーフォーミュラ。

年に一度しかないF1を見に行くチャンスは、なかなかないかも知れないが、スーパーフォーミュラのレースは、F1に迫る迫力が味わえる。

それでも、サーキットはF1のように混雑しておらず、チケットもF1より安価で手軽に観戦出来る。

私のように、昔の全日本F3000やフォーミュラニッポンのイメージしかないレースファンは、是非見に行って、その迫力に驚いて欲しい。

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