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新生鈴鹿10時間耐久レース!観戦レポート③決勝スタート~感動のゴール

2018年8月24~26日にかけて行われた、記念すべき”新生”鈴鹿10時間耐久レースについてのレポートの最終回。

これまで2回の記事を未読の方は、まずはそちらからどうぞ。 

www.lovemotorsports.info 

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PPスタートのフェラーリがなんと! 

さてスタートしてしばらくは耐久レースとは思えない程、各所で順位争いがみられたのだが、トップの3台に関してはオーダー変わらず走行が続いていた。

#28黄色のフェラーリ、#888メルセデス、#27赤いフェラーリの順だ。

ところが、レース開始後1時間が経過した頃、トップを快走する#28黄色のフェラーリになんと、痛恨のドライブスルーペナルティ。

黄色のフェラーリは、フォーメーションラップをスタートする時にエンジンが掛からず、出遅れてしまう。
その際、メカニックがグリーンフラッグが振られる15秒前の退出期限を過ぎてもグリッド上でマシンの対応をしていた。

フォーメーションラップ中に前車を追い越してPPの位置にからスタート出来たのだが、結局メカニックの件がレギュレーション違反となり、ピットレーンを1回余分に通過しなければならないペナルティを食らってしまったのだ。

これで#28はトップ争いから脱落。

代わって2位につけた同チームの#27赤いフェラーリも、上位をキープしていたが、終盤にベントレーに激突され、下位に沈んでしまう。

真っ赤に燃えるメルセデスが見せ場を作る

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS (※10耐出場時の写真ではない)

序盤に見せ場を作ったのは、4番手スタートの#75 SunEnergy1 Racingのメルセデス。

ブルーのマシンのフロントとリアに燃え盛る炎が描かれたこのマシンは、バックストレッチで何度もサイドバイサイドのバトルを演じ、スクリーンに大きく映し出される。

アグレッシブな走りのおかげで、スタートから1時間、前車がピットインしたところでトップに浮上、毎時間ごとのトップ賞として賞金10万円を獲得した。

その直後にピットインを迎えるが、ピットアウト後も前を走るフェラーリを、ヘアピン~スプーンまでサイドバイサイドのバトルを繰り広げた末かわすなど、観衆を魅せる積極的な走りを続けてくれた。

ガレージから出られないロータス...

今回私が応援していた#2 CarsTokaiDream28のロータスエボラも、スタート前からずっとピットにこもったままだった。
朝のウォームアップ走行でコースアウトしてダメージを負ってしまい、その修復作業が続いていたのだ。

修理はフォーメーションラップにも間に合わず、ピットスタートも出来ず。
せっかくグランドスタンドでロータスのピット前に陣取ったのだが、スタートから1時間を過ぎてもグリーンのエボラはまだガレージの中。

なんとか少しでも走っている姿を見られるだろうか?

他に、応援していた2台のエヴァンゲリオンカラーのランボルギーニも、ペースが上がらず、他の車にかわされていく場面ばかりがスクリーンに映し出される。
なんとも残念である...

灼熱の天気に耐えかねて移動

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画像情報:Pixabay

さて今回、レース観戦は初めて、の嫁を連れて来たのだが、グランドスタンドはレースがスタートする頃から、影が自分達のシートより後ろへ後退していってしまい、真夏の太陽に照らされての観戦を強いられた。

今年、2018年の日本は記録的な暑さ、全国各地で連日40℃越えを記録している。
過去に何度か鈴鹿1,000kmを見に行った時は、夏の終わりのこのレース、暑さの盛りを過ぎていたのだが、今年は違う。

体感的に40℃の気温で、嫁と二人、ずっと無理をするわけにはいかない。

まず影が無くなったグランドスタンドをあとにして、最終コーナー・シケイン方面へ移動してみた。

シケインは昔、F1の時だけ仮設の高いスタンドが出来ていたのだが、今は常設で立派な2階建てスタンドがある。
以前ここはフェンスのすぐ前まで行くことが出来、マシンを目の前で見られてとても迫力があったのだが、常設スタンドからだとやや距離を感じてしまう。

しかし、高さがあるスタンドの2階席からだと、最終コーナーからホームストレートを立ち上がっていくマシン、逆バンクからデグナーへ飛び込んでいく部分も見られるため、レース展開が分かって面白い観戦席だ。

そしてもちろん、目の前のシケインへ飛び込んでいくマシンのハードブレーキングは迫力がある。
時にインに飛び込むマシンのサイドバイサイドのバトルも見られる、とても良い席なのだが、いかんせん屋根がなく、焼けつく暑さは変わらず、長くは滞在出来なかった。

リタイア第一号

シケインのスタンドから反対側の道路に目をやると、なんと、リタイアしたマシンが運ばれてくるところであった。

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このレースのリタイア第一号となったのは、ゼッケン42番 Strakka Racingのメルセデス。
優勝候補の1角であったが、マシントラブルでコース上で止まってしまった模様。

この車を含め、このレースでは参加35台中6台がリタイアとなった。
しかし10時間という長丁場で、リタイア6台のみというのは大変高い完走率である。

GT3という、マシンを購入して参戦出来るシリーズゆえの、信頼性の高さだろう。 

再びグランドスタンドの裏へ戻り、日陰で少し休むことにした。
現代の鈴鹿サーキットには、暑さをしのぐための様々な工夫があった。
通路にはミストが噴射され、大きな扇風機もあちこちに設置されている。

再スタート

しばらくグランドスタンド裏で休憩していると、突然、スタンドからマシンの爆音が聞こえて来た。

どうやらレースが再スタートし、全車一斉に加速したようだ。

2時間50分を迎えたところで、 #7ベントレーと、#58マクラーレンがクラッシュ!
マクラーレンがグラベルにはじき出され、処理のために全コースイエロー、すなわち追い越し禁止のスロー走行の指示が出された。

この間に多くのマシンがピットインを済ませる。

この時点でオーダーは
トップ#888メルセデス、
2番手#27赤いフェラーリ、
3番手#43メルセデス、の順。

21番手スタートのグッドスマイルは12位まで順位を上げていた。

事故車の処理が終わり、各マシンの間隔が詰まったところで、再びレーススタート!

耐久レースはスタートから時間が経つと、各マシンの間隔が空いてしまい、バトルが少なくなってしまうのだが、今回の鈴鹿10耐は、スタートが2度見れるというお得な展開であった。

しかし残念なことに、グランドスタンド裏で嫁と休憩していた私は、再スタートを見逃してしまったのだ。

爆音を聞いてすぐにグランドスタンドへ戻り、なんとかマシンが1周して戻ってくるところを見る事が出来た。
ホームストレートではまた、テールトゥノーズの激しいバトルが展開されていた。

応援していた88番のランボルギーニは、ここで追突され、またしてもピットインを余儀なくされてしまう。
なんとも不運なレース運びだ。

プールでリフレッシュ

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画像情報:Pixabay

相変わらず35℃の暑さにすっかり参ってしまったので、嫁と一緒に、鈴鹿サーキットのプール、”アクア・アドベンチャー”に行ってみる事にした。

プールの入園料は観戦券に含まれていないが、観戦券があれば割引料金(通常1,900円→1,300円)になる。

14時過ぎにプールへ入園。

夏休み最後の日曜日を迎えたこの日のアクア・アドベンチャーは親子連れで大混雑!
芋の子を洗うような光景、とはまさにこの事だろう。

プール内には2種類のスライダーがあり、かなり並んでいる。
2人同時に滑り、タイムを競うような仕組みになっていて、レース好きな子供達にはウケるに違いない。

またプール自体は流水式で、混んではいるが、自然に流れていくので、身動きが取れない、という事はない。
流れに身を任せて、リラックス…とまではいかないが、なかなか気持ち良い。

1時間ごとに、点検のために10分の休憩があり、全員上がらなければいけない。
17時でプール終了なのだが、その前の最後の1時間はかなり人数が減り、泳ぎやすくなった。

人で一杯ではあったが、一番暑い時期に冷たい水につかり、クールダウン完了。
参加者だけでなく、観客にとっても「耐久」レースな10耐を、最後まで観戦するための、価値あるリフレッシュになった。

点滴ジュース

プールから戻ってくる時、売店で、けったいなものを見つけた。

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点滴ジュース、なるものだ。
チューブを身体に付けて写真を撮ってみても良いか、聞いてみたが、
「買っていただけたら良いですよ」
と言われてしまった。

600円もするので、ケチな私は買わなかったが。
熱中症で倒れる人続出の今年の猛暑にあやかった、インスタ映えするドリンク、なのだろうか。

後半戦は2コーナーで観戦

さて、 

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の記事でも書いたが、レースというのはずっと同じ場所で見ていても飽きてしまう。

プールから戻ったのは17時頃、既に鈴鹿サーキットの陽は傾きかけていた。
それで屋根はないが、まずはS字スタンドへ行ってみる。
ここなら傾斜が付いており、西からの陽は陰になって観戦しやすい。

後半戦を迎えたレースは、あまりバトルはないが、1台1台の挙動をS字でじっくり観察出来た。

さらに陽が傾いた17時頃、今度は2コーナースタンドの上段へ上る。
ここからだと、ホームストレート~1・2コーナー~S字~逆バンク~ダンロップまで、ほぼ東コース全部を見渡せる。
私としてはここからの眺めが鈴鹿では最高だと思う。

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

インターネット中継(Gyao)

今回のレースは、動画配信サービスのギャオ(Gyao)が、レースをインターネット中継していた。

S字や2コーナースタンドは、モニターが一つだけはあるが見づらいため、手持ちのスマホでギャオの動画を視聴。

30秒程度の遅れはあるが、リアルタイムに近い内容で中継してくれている。

昔はレースの順位はグランドスタンドにある電光掲示板や、ピットFMで知るしかなく、なかなかレースの流れを掴みにくかった。

サーキットに足を運ぶ醍醐味は、目の前を走り抜けるマシンの生の迫力なんだ、ということで、順位はイマイチ分からなくても満足していた。
家に帰ってから録画していたTV中継を見て、ああ、こういうレースだったのか。とはじめて分かる事もあった。

今はサーキットに居ながらにして動画が解説付きで見られ、レース全体の流れを把握できる。
便利な時代になったものだ。

ロータスの雄姿

 そしてS字でレースを眺めていると、なんと、ずっとガレージにこもっていた#2 CarsTokaiDream28のロータスが、目の前を走ってくるではないか!

修理に長い時間を費やしたようだが、何とかレースに参加出来たようだ。

もちろん順位は最下位だが、エボラが走っている姿を見れたのはうれしい。

結局ロータスはまたデグナーでコースアウトしてしまい、完走は出来なかったのだが、鈴鹿10耐で98周の走行を記録した。

再びグランドスタンドへ

レースの最初と最後はやはりグランドスタンドで見るのが一番。

夕闇に包まれ、2コーナースタンドからマシンの視認が難しくなってきた18時半ごろ、グランドスタンドへ移動する事にした。

チェッカーまで残り1時間となった、19時のスタートライン通過記録は、

1位 #66 ワークスのアウディ
2位 #888 GruppeM Racingのメルセデス
3位 #43 Strakka Racingのメルセデス

となっていたが、ピットストップの関係で実質のトップは#888のメルセデスである。

グッドスマイルは通過順8位、実質の5位まで順位を上げてきていた。

最後の見どころ、グッドスマイルVSベントレー

さて残り1時間を切った10耐、大体オーダー確定していたのだが、最後の関心事は日本勢最上位に付けている、グッドスマイルがどこまで順位を上げるかだった。

ところが背後から、#8のベントレーワークスが猛追してくる。

このベントレー、今回のレースでワイルド過ぎる走りを披露し、何台ものマシンがぶつけられ、ピットインやリタイアに追い込まれた。
ここまで散々見せられたひどい走りは、ベントレーを観衆の目に悪役として映すに十分だったのである。

グランドスタンドを通過する度、ベントレーとグッドスマイルの差は詰まり、残り30分でベントレーは片岡龍也のドライブする初音ミクカラーのベンツのすぐ背後にまで迫ってきた。

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↑メインストレートでグッドスマイルのすぐ背後に迫るベントレー(YouTubeより)

 2台の差はとうとう、わずか0.346!
もはやこれまでか?
ベントレーの餌食になってきた数々のマシンのように、グッドスマイルのメルセデスも撃墜されてしまうのか、そう思えたのだが。

ここで、場内アナウンサーのピエール北川さんにあおられたグランドスタンドの観衆は、配られた蛍光サイリウム*1を振ってグッドスマイルを応援。
テール・トゥ・ノーズの2台が通る度に、グランドスタンドの光の波が揺れ動く。

この応援に応えた片岡選手は再びベントレーを引き離しにかかり、2台の差は再び開いていった。

鈴鹿10耐フィニッシュ!

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最終順位を知らせる電光掲示板

2018年8月26日午後8時、

朝10時からスタートしたレース時計が10時間を回ったあと、最初にチェッカーを受けたのは、#888 GruppeM Racing、T.Vautier M.Engel R.Marciello組のメルセデス。
2位に#43 Strakka Racing、L.Williamson M.Goetz A.Parente組のメルセデス、
3位に#6 Absolute Racing、C.Haase M.Winkelhock K.van der Linde組のアウディ。

私が応援した#00 グッドスマイル、小林可夢偉・片岡龍也・谷口信輝組のメルセデスは終盤ベントレーの追撃をかわし、日本チーム最上位となる、5位を死守。

JLOCランボルギーニの2台は、15位と17位であった。

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10時間に及ぶレースを闘ったマシン達がメインストレートに並ぶ

1周のウイニングラップをゆっくりと回った後、ホームストレート上に完走したマシンが順に並べられる。

そして何と、デコトラがホームストレートに来て、電飾を点灯。
祝福の花火が打ちあがり、にぎやかなチェッカーだ。

優勝した#888の3人の選手が、ホームストレート上でインタビューを受ける。

その後、グランドスタンドからホームストレートへの入り口が解放され、ファンがホームストレート上に降りて表彰式を見られるようになる。

そして歓喜の表彰式!

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ホームストレートのモニターに映し出された表彰式

表彰式の後、もう一度、先ほどよりたくさんの花火が上がった。

この花火を見ると、鈴鹿1000kmから続く、夏の耐久レースを見に来たんだな、という気持ちにさせられる。

”新生”鈴鹿10耐総括

久しぶりの夏の鈴鹿耐久レース観戦、いや初の”新生”鈴鹿10耐観戦は、暑さとの闘いであったが、全体として、満足のいく、素晴らしいものであった。

昔の1,000kmと、今回の10耐を比べると、やはりGT3規定になったという違いが大きい。

このGT3という規定、レースを面白くするためによく考えられているなぁ、と感じた。
ベースマシンは購入出来るため、信頼性が高く、レースの最後まで大多数の車が走っているのを見られる。

また今回の順位を見ても、独走態勢だった1位の#888は別として、2位~4位までがわずか2秒以内の差でゴールしている。
10時間を走ってきてこれだけの僅差というのは驚異的だ!

そしてオーガナイザーである鈴鹿サーキットの努力も素晴らしいと思う。
暑さをしのぐ数々の工夫、1年以上前もってのプロモーション、デコトラや泡イベント、キャンペーンステージなど、大会を盛り上げるための数々の取組みが観察出来た。

やはり40回以上もこのレースを開催してきている鈴鹿サーキット、ノウハウの蓄積と活用がよく出来ている。

猛暑の今年の観戦はかなりキツかったが、それでもまた来たい!と思わせる内容であった。

おまけ

花火が終わったのが20時半、遊園地は21時まで営業していたため、チケットに付いているパスポートで、最新アトラクション DUEL GPに乗ってみる。

2台で同時にスタートするコースタータイプの乗り物で、ドリフトを決めながら競走するというこのアトラクション、嫁にたいそう好評だった。

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*1:使用後要返却

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