2018F1総括&シーズンオフをどう楽しむ? お勧めのF1ビデオやゲームも
2018年全21戦を終了したF1はシーズンオフに入り、シーズンの振り返りや、ニューマシンについての憶測などの情報が流れている。
この記事では2018シーズンを軽く振り返り、来期開幕までのシーズンオフの楽しみ方についてまとめてみた。
2018年F1総括
画像情報:WIKIMEDIA COMMONS
2018年のF1は3月25日のオーストラリアGPで幕を開けた。
まずは2017シーズンからの変更点を幾つか挙げる。
2017年からの変更点
HALOの装備
画像情報:WIKIMEDIA COMMONS
長年見慣れたF1マシンの外観を大きく変えてまで安全を優先したこの装備。
ベルギーGPのルクレールのように、HALOのおかげでドライバーが事なきを得た事例もあり、一定の評価を得た。
しかし、アブダビGPでのヒュルケンベルグのクラッシュなど、HALOがドライバーの迅速な脱出を妨げたのではないかと思える事例もあり、まだ改善の余地があるだろう。
年間21戦
画像情報:WIKIMEDIA COMMONS
2016年と並んで最多タイの、21戦が組まれた過密スケジュール。
7月には何と4回ものF1が開催され、4月・9月・10月には3回のスケジュールが組まれた。
ちなみにハースF1チームの代表は年間23戦まで開催可能だと言い、F1のオーナー企業であるリバティ・メディアはなんと25戦! 程度まで増やしたいと公言しているそうだ。
私がF1を見始めた’90年代は長らく年間16戦で固定されていた。
沢山レースが見られるのはファンの立場からは歓迎だが、レース数が際限なく増えれば、小規模チームは資金面で苦しくなるに違いない。
それと我々日本のF1ファンにとっては、あまりレース数が増えると秋の日本GPでのチャンピオン決定が見られなくなる*1。
レース数が増えるのも一長一短である。
マクラーレンとトロロッソのPUトレード
画像情報:スクーデリア・トロ・ロッソ - Wikipedia マクラーレン - Wikipedia
2015年以来の3シーズンの不振から、マクラーレンがPU*2をホンダからルノーへスイッチ。
これに伴い、ホンダはレッドブルのジュニアチーム、トロロッソへPU供給する事になった。
果たして、このPU交換の結果はどう出たか?
マクラーレンが62ポイント獲得でコンストラクターズ6位、対するトロロッソは33ポイント獲得で9位と、マクラーレンに軍配が上がった。
メディアの批評では、同じルノーエンジン搭載のルノーワークスやレッドブルと比較して離された、だからこのPUスイッチは失敗であった、と言われている。
だが客観的に見ると、2017シーズンの9位から3ランクアップ出来たのだから、このPUスイッチはとりあえず成功だったのではないか? と私は思う。
確かにチャンピオン経験者のアロンソが一度も表彰台に登れず引退するのは、残念であったが。
関連記事:
一方、唯一のジャパンパワーという事で日本のファンから期待されたトロロッソ・ホンダは、 第二戦での4位入賞や、地元鈴鹿の予選での6・7番グリッドの確保といった見せ場を作ったものの、マクラーレンと比べシーズンを通じて安定感を欠いた。
来季2019シーズンは親チームのレッドブルもホンダを積む。
2チームへPU供給しながらも、信頼性向上とパワー追及を両立させられるだろうか?
2018年F1のチャンピオン争い
ビギナーの方のために少し説明すると、F1は年間21戦で争われ、各グランプリの成績に応じてポイントが与えられる。
その合計ポイントを集計し、シリーズのチャンピオンを決めるシステムとなっている。
年間タイトルには、ドライバー個人の成績で争うドライバーズタイトルと、各チーム2人のドライバーの成績を合わせたチームの順位を競うコンストラクターズタイトルの2つがある。
さて、過去最多タイの21戦で争われた2018シーズンのタイトル争い。
序盤は、開幕2連勝を遂げたフェラーリのセバスチャン・ベッテルをメルセデスのルイス・ハミルトンが追い、そこにレッドブルのダニエル・リカルドが食らいつく展開。
ところが第7戦カナダ以降、リカルドが失速しチャンピオン争いから脱落、また安定感を欠くフェラーリ・ベッテルをメルセデス・ハミルトンが逆転する。
チャンピオン獲得回数4回で並ぶこの二人のどちらが、歴代2位タイ*3となる5回目の王座を獲得するかに注目が集まった。
シーズン後半、第14戦イタリアGPから17戦日本GPまでハミルトンが4連勝を挙げ、第13戦ベルギーGPを最後に勝てなくなったベッテルを、一気に突き放す。
そして、シーズン終了まで2戦を残したメキシコGPで、ハミルトンが2年連続5回目のドライバーズチャンピオンを決めた。
終わってみれば2位のベッテルより6回も多い優勝、88ポイントもの大差を付けてぶっちぎりでのタイトル獲得となった。
コンストラクターズもメルセデスが獲得。
これでメルセデスは2014年以来5連覇となり、フェラーリの持つ最多連覇記録まであと1回に迫ったのだ。
ベテラン勢の奮闘
画像情報:WIKIMEDIA COMMONS
2018シーズンに参戦したドライバーのうち、優勝したのは以下の5人。
- ルイス・ハミルトン(11勝)
- セバスチャン・ベッテル(5勝)
- マックス・フェルスタッペン(2勝)
- ダニエル・リカルド(2勝)
- キミ・ライコネン(1勝)
このうちハミルトン、ベッテル、ライコネンの3人が、’00年代のデビュー、30代だ。
フェルスタッペンとリカルドは’10年代のデビュー、20代。
ドライバー全体で見ると世代交代が進んでいるのだが、優勝やチャンピオン争いとなると、F1界に10年以上生き残っている3人のベテランの奮闘が光っている。
関連記事:
アロンソ引退
前述のように、17シーズンの長きに渡ってF1に参戦し続け、2度のチャンピオン獲得を誇る、マクラーレンのフェルナンド・アロンソが、2018年限りでそのF1キャリアに終止符を打った。
ライコネンに次ぐ現役2番目の年長者で、伝説のミハエル・シューマッハの全盛期にライバルとして闘ったドライバーの最後の1人であった。
F1解説で片山右京氏が何度もそう言っていたように、まだまだ活躍出来るレジェンドがF1を去るのは寂しい限り。
特に私のように、’90年代からF1を見ていたがここ数年ブランクがあって、今年からF1観戦を再開した者にとっては、なじみの顔ぶれが数えるほどしかいなくなってしまい、とても残念だ。
しかし世代交代は世の常、F1の常。
F1引退後は他のカテゴリーへの挑戦を決めているアロンソの、次なるステージでの活躍に期待したい。
関連記事:
注目の若手
画像情報:WIKIMEDIA COMMONS
そんな中、ライコネンとわずか2ポイント差のランキング4位を獲得したフェルスタッペンは、なんとまだ21歳!
今年はベッテルやハミルトンの若い頃を彷彿とさせる、大胆な走りで先輩ドライバー達を何度も抜き去り、優勝2回を含め、9度の表彰台(3位以内)をもぎ取った。
その恐いものなしの攻撃的な走りは時に接触を招き、順位を落とす事も多く、危険なドライバーとも言われている。
だが、昔のシューマッハやセナなど、若くしてチャンピオンを獲得したドライバーは皆、そう言われた時期があった。
同じくレッドブルに乗って今季2度の勝利を挙げたチームメイト・リカルドが来季移籍するルノーは、今季優勝がなく、今までのような活躍が出来るかは未知数。
となるとフェルスタッペンは、現在F1の抑制力となっているハミルトンとベッテルが引退する、近い将来のチャンピオン候補の筆頭だ。
いや、フェルスタッペンの年齢を考えると、ハミルトンやベッテル、ひいてはシューマッハを上回るドライバーに成長する可能性もあるだろう。
F1シーズンオフの楽しみ方
画像情報:Pixabay
さて来季の開幕戦である2019年3月17日まで、F1だけでなくレース業界は長いオフシーズンに入る。
昔のようにオフシーズンに頻繁にテストがあるわけではなく、暫定ではあるが全チームの来季シートは決まっている為、ストーブリーグ*4の話題もない。
TV放送もサーキット通いもしない冬の間の、レースファンの楽しみについて考えてみた。
F1総集編
昔は毎年年末に、フジテレビの地上波でF1の総集編を放映しており、これを見るのが楽しみだったが、放映されなくなって久しい。
フジテレビNEXTに加入している人は、以下のスケジュールで放映が予定されている。
2018年12月23日(日) 19:00~22:00 / 31日(日) 10:10~13:10 (再放送)
しかし私のように、有料のCS放送であるフジテレビNEXTに加入していないF1ファンも大勢いる。
そんな我々にオススメなのが、FIA公認の総集編のブルーレイ/DVD版だ。
2019年1月21日に発売予定の”2018 FIA F1 世界選手権総集編”は、FIA公認版ならではの、TV中継では観られない独自映像が満載。
以下、Amazonの商品紹介文より引用:
王座奪還に燃えるフェラーリ、ヴェッテルが先制をしかける レッドブルもタクティクスを駆使し、表彰台の頂点をつかみ取る。 しかし、チャンピオンに死角はなかった。ライバル達の必死の 反抗を抜群のレスポンスで跳ね返してみせた メルセデス、最強のチーム。ハミルトン、最強王者の道を行く トロロッソと組んだホンダ。若きガスリーが躍動、苦難の道程も確かな前進をみせた。 輝く才能フェルスタッペンは再び、躍動。 アイスマン、ライコネンは5年ぶりの勝利を手にした。 そして栄光と苦闘の18年、2度の王者、32勝、今なお最強の F1ドライバーと言われるアロンソがそのキャリアに終止符を打った。 マン&マシンの進化は止まらない。偉大なレースは史上最高の興奮を生む。フォーミュラワンは新たなステージへ歩んでいく
2018 FIA F1 世界選手権総集編は現在、アマゾン・楽天サイトで、予約注文受付中だ。
ゲーム
画像情報:Pixabay
寒い冬の間は、 暖かい家でコタツに入ってゲームはどうだろうか?
今のゲームは大変リアルになっていて、YouTubeにあげられているゲーム動画は実際のレース画面と見間違うほど。
シーズン中に目にしたレースに、オフシーズンには参加してみるのはどうだろう。
プレステ4用のオススメゲームを二つご紹介する。
グランツーリスモスポーツ
ハコ車レースゲームの名作、グランツーリスモシリーズの最新作。
世界でもっとも高品質、高精度なモデリングで製作されたマシンのグラフィックは実車そのものと言っても過言ではないクオリティ。
しかもこのグランツーリスモスポーツの制作には元F1レーサーの小林可夢偉選手が関わっており、マシンバランス、アクセルオンの際のマシン挙動、コックピットからのステアリングの見え方等大変リアルに仕上がっている。
また、何とF1王者ルイス・ハミルトンもドライビング・メンターとして、このゲームのテクニックを伝授。
コースはF1で使用されている鈴鹿やモンツァなど、12の実際のサーキットを収録しており、さらにオンラインで世界中のプレイヤーと通信対戦が出来る。
アマゾン グランツーリスモSPORT リミテッドエディション 【早期購入特典】ボーナスカーパック (3台) DLCコード封入 - PS4
楽天市場での購入はこちら↓
ソニー・インタラクティブエンタテインメントGRAN TURISMO SPORT (グランツーリスモ スポーツ) 通常版 【PS4ゲームソフト】 ※オンライン専用 価格:6,696円 |
F1 2018
ユービーアイソフトから毎年リリースされるFIA公式のビデオゲームの最新版。
2018年シーズンのすべての公式チーム,ドライバー,サーキットが登場。
このゲームの面白いところは、単にサーキットを走行するだけでなく、レーシングドライバーとしてF1を戦っていく”キャリアモード”。
これは例えばゲーム中にメディア対応といった場面が登場、慎重派としてコメントするか、攻めたコメントをするか、そういった部分でキャリアが左右されるという、大変興味深いもの。
また、燃料やブレーキバランス、デフのバランス、ERS(ハイブリッドパワー)のモード変更など、多岐に渡るセッティングが可能。
プロのレーサーの中には、なんとこのゲームのセッティングを実戦のマシンセッティングの参考にしている選手もいるそうだ。
ゲーム画面がいかにリアルか、ザウバーF1のシャルル・ルクレール選手がプレイする動画を見て確かめてみよう。
楽天市場での購入はこちら↓
価格:7,239円 |
プラモデル制作
私も子供の頃、タミヤのF1プラモを何台か購入し制作を楽しんだ。
しかし、仕事を持つ大人がF1シーズン中に、21戦の過密なTV観戦に追われながらプラモデルを組み立てるのは、なかなか難しいかも知れない。
そこで、TV放映の終わったオフシーズンにF1プラモを購入し、シーズン開幕を待ちながら、じっくり制作してみるのはどうだろう?
タミヤからは2018モデルの発売はまだなく、ここに紹介するフェラーリSF70Hが、タミヤの1/20F1シリーズの最新モデル。
2018年のフェラーリと同じベッテル・ライコネンのコンビで2017シーズンに活躍したマシンだ。
アマゾン タミヤ 1/20 グランプリシリーズ フェラーリ SF70H
楽天市場はこちら↓
タミヤ 20068 1/20 GPコレクション No.68 フェラーリ SF70H プラモデル(ZS45362) 価格:3,750円 |
自分で組み立てるのが面倒で、完成品が欲しいという場合、タミヤではないが、他社でこんなモデルも。
今季チャンピオンのルイス・ハミルトンが2016年に乗っていたメルセデス、上記タミヤより一回り小ぶりな1/43モデル。
イベント
画像情報:フォト蔵
家でゲームやビデオ鑑賞、プラモデル組み立てなどをしていると、そのうちサーキットへ行きたくてウズウズして来るかも知れない。
じつはレースのないオフシーズンにも、国内各所のサーキットで多数のイベントが開かれる。
そのうちの一つが、スズカサーキットファン感謝デー。
2019年シーズン開幕直前の、3月2日(土)3日(日)に予定されているこのイベントには、2017年のインディ500で佐藤琢磨選手が日本人初優勝を遂げたマシンがやってくるそうだ。
毎年このイベントには、ヒストリックF1マシンやグループCカーのデモ走行、GTカーやスーパーフォーミュラのデモレースなど盛りだくさんのイベントが開かれる。
そして入場は何と無料*5!
F1・モータースポーツをまだ知らない家族・恋人・友人をはじめて誘うにもうってつけのイベントだ。
今からスズカサーキットファン感謝デー参加の計画を立ててみるのも、楽しみになるだろう。
関連記事: