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マカオGP観戦記②レースを無料で観戦する方法-チケット売切れに泣いている人必読!

前回の記事では、2019年のマカオGPのフリー走行・予選日の観戦についてリポートした。 

www.lovemotorsports.info

 上記の記事にあるように、チケットが現地調達できると思い事前予約しなかった筆者は、 決勝日のチケットが手に入らないという緊急事態に遭遇。

それで、スタンドでの観戦を諦め、プランを大幅変更し、結果的に大迫力の場所で観戦出来た決勝日の様子をこの記事に記している。

私と同じようにチケット売切れに泣いて、この記事にたどり着いた方のご参考になれば幸いだ。

なおタイトルは”レースを無料で観戦する方法”となっているが、もちろんこれは日本から旅費無料でマカオGPを見に行ける、という方法ではない。

現地までは自分で行き、チケット代が無料で観れる、というだけである、念のため。

マカオGPの観戦場所は限られる

マカオGPのスタンドは、前の記事で私が金曜フリー走行を観戦したLisboa Bend Stand、土曜の予選を観戦したGrand Stand (A)、そしてReservoir Standの3種類。

それ以外の場所はフェンスに覆われており、ホテルやカジノの上階にでも入らない限り、基本的に観戦出来ない。

決勝日のチケットを買えなかった私が取った行動

日曜決勝のチケットが結局買えなかった私は、レースの事は一旦忘れ、マカオの街を観光がてら歩き回る事にした。

マカオの街はコンパクトで、大部分を歩いて回れる。

また、バスも安価で乗れ、グーグルマップを使えば行き先に応じたバス路線が検索出来るので、タクシーを使わずとも簡単に観光出来るのだ。

 そして、山側の方へ散歩に行ってみると…

 ガードレールの切れ目から走るマシンの姿が

GTカー決勝レースを戦っているマシンのけたたましいエキゾーストノートが聞こえてきた。

エンジンサウンドに導かれるように歩いて行くと、なんと、ガードレールの隙間から、一瞬だが走り抜けていくGTマシンが見えるではないか!

上記の動画は、下の地図のピンのあたりで撮っている。

コースで一番きついヘアピンコーナーへのアプローチ部分が見えている。

このあたりからマシンが見えるという事は地元の人にもあまり知られていないようで、立って観戦している人はまばらだ。

ここから見るマシンはなかなか迫力があるが、走り抜けるのは一瞬であるし、立ちっぱなしの観戦は長時間はしんどい。

ふと目を上げると、あるビルの屋上から沢山の人がレースを観戦している事に気付く。

決勝前のスーパーカーパレードの車列に遭遇

GTの決勝が終わり、いよいよ残すはメインレースであるF3の決勝だ。

それに先立ち、コースとの出入口が設けられているこの公道に、続々とスーパーカーが終結しだした。

どうやら決勝前のスーパーカーパレードに出場する車たちのようだ。

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さらに良い観戦場所を発見!

マカオの人たちのゴージャスさを目の当たりにした後、先ほど見つけた観戦出来そうなビルへと向かう。

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このビルの立体駐車場から無料で観戦できる

先ほどの場所から歩いて5分もかからない、目立つビルなので先ほどの場所へ行けば必ず分かるはずである。

関係者以外が立ち入ると何か言われるのではないかと恐る恐る入ったが、公共の駐車場として利用されている場所のようで、特に何も言われる事なく、コースが見える場所へ到達。
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地上階から入った場所はB1階となっているが、このエレベータに乗って駐車場部分の2階~4階へ上がる。

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左から2階、3階、4階それぞれの階からの眺め

どの階から見るかは好みによるが、私は一番マシンが近く見えて迫力のある2階で観戦する事にした。
 ※なお、公共の駐車場で出入り自由とは言え、私有地であるため、ここへの入場を推奨しない。
もしここで観戦する場合は駐車場利用者やビルの方に迷惑を決してかけないよう注意すべきである。
また2019年時点では立入れたものの、今後立入り禁止となる可能性もある点、ご了承いただきたい。

決勝前スーパーカーパレード

さて先ほど行動に集結していた何十台ものスーパーカー達による、決勝前スーパーカーパレードが始まった。

オーナーカー達はかなりの爆音を響かせて、ゆっくりと走っていく。
これだけの数のスーパーカーの走行を見られるのはなかなか壮観だ!

参加車はコースをゆっくりと数周した後、先ほどコースインした場所から再び行動へと出て行った。

ホームストレート上では決勝前のセレモニーが行われているはずだ。

そしてここは地元の人には割と有名な観戦ポイントのようで、決勝が近付くにつれ、多くの家族連れがマイカーで立体駐車場へ入場し、コースが見える場所へ続々と集まってくる。

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駐車場内で決勝を今か今かと待ちわびる人々

マカオGP決勝スタート

さてこの立体駐車場から見えるヘアピンはコース幅が極小のため、常時黄旗が振られ、追い越し禁止である。

よってレース中のオーバーテイクが見られないのは残念であるが、マシンの速度がコース上で最も落ちるため、写真撮影には絶好のポイント。

実際、TV中継用のカメラも設置されている。


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Youtubeでは生中継も行われていたので、スマホの画面を見ながら観戦出来た。

そうこうしているうちにフォーメーションラップ、

そして決勝がスタート!

レース展開は専門サイトをご覧いただくとして、写真ギャラリーをここに記載させていただく。

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前年の覇者、ロバート・シュワルツマン(決勝リタイア)

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優勝候補だったマーカス・アームストロング(決勝8位)

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↑唯一参戦の日本人、角田裕毅選手(#8)

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↑優勝したリチャード・ヴェルシフォー選手

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↑中断でバトルを繰り広げる角田選手(#8)

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↑予選PP,決勝2位のユーリ・ビップス選手

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↑角田選手の後ろ姿

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↑去年の大クラッシュから見事カムバックの紅一点、ソフィア・フロージュ選手

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↑トップ争い、ヴェルシュドール選手(#21)に激しく追い迫るヴィップス選手(#6)

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f:id:dinoue10987654321:20200511173123j:plain↑写真右手#26は元F1ラルフ・シューマッハのご子息、デヴィッド・シューマッハ選手

さぁそんなこんなでF3決勝はダークホースのリチャード・ヴェルシフォー選手の初優勝で幕を閉じ、2019年マカオGPの全てのレースイベントが終了した。

一時はチケットが無く、どうなるかと思ったが、このような絶好のポイントでしかも無料で観戦する事が出来、結果的に大満足であった。

公共の駐車場へ勝手に立入っての観戦は、推奨出来るものではないが、私のようにせっかく現地まで行ってチケット入手出来ず途方に暮れておられる方の目に、この記事が留まればと願っている。

ただしこの方法で観戦される方は、くれぐれも周囲に迷惑を掛けないよう、よく気を付けていただき、自己責任でお願いいたします。

レースの帰りにコースに入れる

レースが終わった後、ここから山を登ってすぐ(と言っても急な坂を20分くらい歩く)の、有名なギア灯台へ行ってみた。

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マカオの観光名所のギア灯台

ここからは夕陽に輝くマカオの街を一望出来る、また先ほどまでレースが行われていたコースを見下ろすと、撤去作業が行われていた。

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ギア灯台からマカオの街を一望

マカオGPは公道レース、走行が終了するとすぐに、規制が解かれ、元通りの公道となる。

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レース終了後にはコースに入れる

丘を降りて来たところで、先ほどまでレースが行われていた道路を少し歩いて、余韻に浸る事が出来た。

マカオ下町のローカルグルメ

さて宿を取っている下町へと戻ってきた。

マカオ滞在最後の夜は、チープにローカルグルメを味わう事に。

一件目は、泊った宿の人に教えてもらった、中国のもつ鍋屋さん。

人気店らしく、かなりのお客さんで賑わっている。

ハサミで何やら忙しそうにホルモンを切って鍋にぶっこんでいるオジサンには、中国語しか通じず、どう注文して良いのか分からない。

戸惑っていると、並んでいた女の子がカタコトの日本語で助けてくれた。

中華圏はチャキチャキし過ぎていて馴染めなかったが、中にはこうして助けてくれる人も居て、少しホッとした瞬間。

カップ1杯満タンに入れられた白菜ともつ煮、そしてキノコをリクエストするとそれもたっぷり入った。

確か日本円にして300~400円位だったと思う。

この熱々のもつ鍋を嫁とフーフー言いながらシェア。

そしてもう一件、

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日本人経営のおでん屋さん

 近くにある、関東煮手造坊という意味が分かり易い表記のおでん屋さんである。

ここは日本人経営との事だが、店主はおられず、私が住んでいる国、フィリピン人の従業員さんが2人で切り盛りされていた。

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日本から旅行に行ってわざわざおでんを食べたいと思わないかも知れないが、海外生活者の私にとってとても懐かしい気持ちにさせられた。

おでんも、そしてカレーもとてもうまかったのだ!

マカオGPがオススメな人

そんなこんなで、私の初めての海外レース観戦、マカオGPの4日間は幕を閉じた。

滞在中、現地の嫌な面ばかりに目が行ってしまい、多分マカオ、いや中華圏には二度と旅行に行きたくない、という気持ちにさせられてしまった。

とはいえ、コスパの高い、充実した観戦旅行だったのは間違いない。

中国語がカタコトでも出来る人、安く海外レース観戦してみたい人、モタスポ民度の低さを面白半分で体験してみたい人にはオススメのグランプリである。

マカオGP観戦記①初の海外レース観戦を通じて感じた日中文化の違い

2020年になりもうすぐシーズンオフも明けようとしているが、2019年11月14~17日にかけて開催された第66回マカオGPの現地観戦記をようやく書き上げる事が出来た。

マカオGPのプレビューについては前回の記事

www.lovemotorsports.info

をご覧いただきたい。

レースから随分月日が経った今になって、順位や詳細なリポートをしても意味がない。

リザルトを知りたい方は専門誌のサイトをご参照いただきたい。

それでこの記事では、毎年のマカオGP現地観戦に行かれる方のために、役立つ情報をまとめてみた。

また私は海外でのレース観戦は初めてだったのだが、現地観戦を通じて大きく感じた日中文化の違いについても感想を記載した。

今後私のようにマカオGPを初めて現地観戦される方の参考になれば幸いである。

今回のマカオ旅行の旅程

私はフィリピン・セブ在住なのだが、セブからLCCエアアジアのマカオ空港直行便を往復利用した。
グランプリウィークの14日木曜午後に現地入り、翌週18日昼の便でセブへと戻る旅程である。

マカオGP観戦される方は香港を経由する事が多いと思うが、今回香港では連日報道されている激しい抗議デモの真っ最中。

このような時は香港を避ける事が出来て幸いだった。

デモは別として、レース観戦だけが目的であればマカオ直行便を選べば良い。
香港―マカオ間のフェリー移動の運賃・時間を節約出来る。

しかし、マカオは1、2日あれば回れてしまう小さな都市なので、観光もたっぷり楽しみたい場合は平和な時期であれば香港観光とセットで楽しむのが良いだろう。

ちなみに私はギャンブルはしないので、カジノ関係の情報は一切書かないがご了承いただきたい。

マカオの物価は高い?

皆さんご存知のように、マカオ自体、比較的富裕層が行く場所である。

私はその事を良く知らずにマカオ行きを決めてしまい、実際に行ってみて気付いたのだが(笑)。

ただ私のようなバックパッカーでも、マカオ旅行を楽しめないわけではない。

物価が高いと言っても、カジノが立ち並ぶ繁華街は別として、マカオの下町は日本と同じか、少し安いかもしれない。

この観戦記は、日本の半分の予算で暮らせる東南アジアの地方都市に住む著者の目線で書かれている事もご了承いただきたい。

マカオ旅行初日

14日木曜の午後にマカオ空港到着。
入国審査を済ませ到着ロビーへ出て右の方へ行くと、両替所がある。

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マカオ空港の両替所

マカオで使われる通貨はパタカ(MOP)、今回のレートは1パタカ13円程度であった。
ATMからキャッシングを利用する場合も、付近にあるATMを利用できる。

続いてロビーの真ん中付近に戻ると、SIMカードを販売しているカウンターがある。

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SIM販売カウンター

今やSIMカードは海外旅行の必需品。
現地で購入するのが面倒だという人は、事前にアマゾン等で購入していく手もある。

香港 マカオ 8日間 SIM

しかし私はJetfonというものを利用した。

これがあれば現地SIMを買ったり、レンタルWi-Fiを利用せずとも、世界中でインターネットを使用出来るという優れものである。

詳しくは私の姉妹ブログのこの記事で紹介しているので、興味がある人はご一読いただきたい。

www.cebutabi.net

さてこの日はフリー走行の初日が行われるのだが、私はレース観戦はせず、マカオ空港がある南側の島で過ごした。

マカオパンダ動物園

まず到着後に向かったのがこのパンダ動物園。
空港からタクシー運賃80MOP(約1,080円)、10分程で到着出来る。

ここは入園無料、パンダを見るところだけ10MOP(約130円)が必要。
日本の動物園と比べると規模はとても小さいが、少し立ち寄るには良いところだ。

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このパンダの建物だけ10MOPの入園料が必要

13時位過ぎに空港到着し、このあと見に行くショーが17時からだったので、ちょうどよい時間調整になった。

さてパンダ動物園から次の目的地であるタイパ地区へは、50番のバスで移動できる。

バスに乗る際、小銭が必要でお釣りが出ないため、動物園で入園料を払う時に大きめのお金を使って崩しておくと良い。

バス乗り場付近に大衆向きのレストランがある。

タイパ地区へ行ってしまうと、高級レストランばかりなので、庶民派は食事もここで済ませておくのが良いかもしれない。

大迫力のダンシングインザウォーター

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ダンシングインザウォーターの1シーン

もちろんレース観戦が最大の関心事であるが、マカオに来たらもう一つ、見逃せないのがこのショーである。

あのシルクドソレイユと同じ監督が企画・演出しているショーだ。
これだけのためにマカオに来る価値もあると言われている。

このショーは南島タイパ地区にある高級ホテルリゾート、デイドリームの中の、巨大なプールと大掛かりな演出装置を常設した会場で行われている。

ショーの料金は席種によって異なるが、私は運よく公式HPから期間限定のプロモでチケットを入手でき、嫁と二人で1111MOP(約15,000円)で観覧出来た。

これが見応え抜群!

見事に鍛え上げられた何十人ものエンターテイナーが織りなすアクロバティックなショーは、圧巻。

とんでもない高さからの飛び込みや、途中モトクロスバイクのショーもあったり、ミュージカル調の1時間半のショーはあっという間に過ぎてしまった。

レース会場のあるマカオ北部へ移動

ショーの後、予算があればデイドリーム内で贅沢に食事をするのも良し。

私のようなバックパッカー的な旅行者の入る店はなかったため、先ほどの場所で食べなかった事が悔やまれた(笑)。

それでショーのあとはすぐ、今回AirBnBで予約していた、サーキット周辺の宿へ向かい、その付近で食事をすることに。

デイドリームから北のマカオ半島への移動も、バスならわずか6MOP(約80円)と安い。

ただしバスは通勤客で満員、1時間弱乗る必要があるため、予算があるならタクシー利用が楽。
タクシーでも多分200~300MOP(約2600~4000円)程度で行けるだろう。

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下町のローカル食堂。数百円で食事が出来る。

マカオGPの宿

前述のようにマカオの物価は日本とあまり変わらない。
予算のある人はリスボアなどのサーキットそばの高級ホテルに泊まれば、降りたらすぐにスタンド、部屋によっては窓から観戦出来る。

予算があっても、レース開催中はかなり早めに予約しないと高級ホテルの部屋は取れないかも知れない。

私のようなバックパッカーは、Airbnb利用が便利。
ダウンタウンにある古いアパートの一室であったが、1泊3,000円台で嫁と二人泊まる事が出来た。

マカオGP2日目

さていよいよ金曜日はレース観戦だ。
この日も前日に引き続き各クラスのフリー走行が行われる。

木・金曜はどの席種も50MOP(約650円)で観られるため、土日に一番チケットが高くなるリスボアスタンドで観る事にした。 

リスボアスタンドへ向かう道中、観光地で有名なセナドスクエアやセントポール大聖堂跡を通って到着。


↑セナドスクエア

↑セイントポール大聖堂跡(世界遺産)

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リスボアスタンドの入口

マカオGPのプログラムを購入

スタンドの入口、上の写真の右下のテントで、プログラムが販売されていた。

まだ金曜日だからか、ご覧の通り閑散としており、私以外にプログラムを買い求める人の姿はない。

スマホで何でも見れるご時世だが、せっかく来たレースを目いっぱい楽しみたいし、記念にもなるのでと購入。

ただし、日本語はないので注意。
同じ本に、英語・中国語・ポルトガル語で表記されている。

なつかしい面々が

プログラムを開いてみると、1990~2000年代にF1にハマっていた筆者には懐かしい面々がエントリーしているではないか。

タルキーニはなんと57歳であるが、ヒュンダイワークスのエース、昨年のWTCCのチャンピオンである。

そういえばリカルド・パトレーゼもスパ24時間に出場したり、ハッキネンも10耐で久々にレースに出たりと、年季の入ったレーサーの走りをまだ見られるのは本当に嬉しい。

でもタルキーニは別格だ、なんせその年で若手とチャンピオン争いをするのだから。
50代でGTでトップ争いをしていた国さんを彷彿とさせる人ではないか。

奇跡のカムバックを遂げた女性ドライバー

ここは2キロにわたるホームストレートの終点で、コースアウトやクラッシュが多発する場所。

去年はここで女性ドライバーのソフィアフロージュが空中を舞う大クラッシュを演じ、瀕死の重傷を負った。

その時に彼女がぶつかった建物は今年は撤去されている。

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2018年にソフィアフロージュが大クラッシュを演じた場所

そのソフィアフロージュが奇跡のカムバックを遂げ、今年もエントリーしているのには驚いた!

彼女は今年のF3唯一の女性エントラント、是非是非健闘して欲しい!

F3排気音の大きさに驚いた!

そんなソフィアフロージュも出場するF3であるが、私は海外でFIAF3規格のマシンの走りを目の当たりにするのは初めて。

F3といえば国内のレースでよくビッグレースのサポートレースとして行われているが、マカオGPはF3がメインのイベントである。

国内のF3マシンはサイレンサーが装着され、ボボボーっとこもった音で走って行くので、あまり迫力を感じなかった。

ところが、FIAF3規格のマシンが目の前を走り抜けた瞬間、はっきり言って仰天した!

耳をつんざく甲高いサウンドと、ガスとオイルの焼ける匂いにしびれた。

音の大きさにも震えたが、走りもとんでもない。

ヨーロッパを中心に戦う、F1を現実的に見据えている若手レーサー達の攻め方はとても激しく、国内F3の比ではなかった。

スタンドの様子

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リスボアスタンドの様子

さて、リスボアスタンドは繁華街のど真ん中にある。

そのためか、バリバリのレースファンと見受ける人の姿は少なく、その辺の街中に居る兄ちゃん姉ちゃん、おっちゃんおばちゃんが観客の大半を占める。

失礼な言い方だが、はっきり言って客層が悪い

セッションが始まり、マシンが爆音を響かせて走り出すと、皆立ち上がってスマホで写真を撮る。

マシンの写真を撮るだけでなく、マシンとセルフィーを撮る、通路に出て子供や友達の写真を撮る、など、周囲はまるでお構いなしだ。

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子供のように立ち上がってスマホで撮影する客

そしてマシンがコースアウトやクラッシュするたびに「おお~!」とどよめきが上がる。

まるでアクシデントだけを期待しているかのよう。


↑マシンがオーバーランした直後の観客のリアクション

日本以上にレース文化が根付いていないようだ。

しかし伝統のマカオGPは今年で66回目、マカオが中国に返還されてからでも20回を数える。

レース文化が根付いていないというより、これが中国のレース文化なのかも知れない。

元々自動車レースというのはヨーロッパ発祥のもので、ヨーロッパのレース文化と比べて成熟度を測ってしまうが、国が違えばマナーも違って当たり前。

これはこの人たち流の自由なレースの楽しみ方なのだ。

そしてマカオでは、4輪よりも2輪の方が人気がある。
スタンドでレース観戦している大衆の日常の足だから。

新聞の1面も、F3のレースではなく、バイクのレースの写真がでかでかと出ている。

この日は一日、リスボアスタンドに陣取り、おおはしゃぎする中国人の皆様とともに、1コーナーへ飛込むマシンの挙動を堪能した。

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画像はクリックで拡大可

マカオGP3日目

3日目の土曜日は各クラス予選を中心に走行が行われる。

土曜と日曜はスタンドの観戦券の値段が一気に跳ね上がる。

それでこの日はリザーバースタンドで観戦し、決勝日はグランドスタンドで観戦するつもりでいた。

ところが、朝リザーバースタンドのチケットボックスに行ってみると…

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売切れ続出の決勝日のチケット

なんと、リザーバースタンドは売切れ、さらに日曜のチケットは全席売切れとなっている…

チケットボックスのお姉ちゃんに英語で聞いてみたが、中国語なまりの英語で返事をされよく聞き取れず、何回も聞いたら怒り気味に"Tommorow, No MORE!"と言われてしまった。

仕方なくこの日は唯一残っていたグランドスタンドAというチケット(600パタカ、約8,000円)を買って入場。

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グランドスタンド・リザーバースタンドの案内図(クリックで拡大可)

この席であるが、ピットとスタートフィニッシュライン、表彰台は良く見える。
ホームストレートの緩い左カーブの飛込も少し見える。

しかし抜きどころではなく、バトルはほとんど見られないし、ドライビングテクニックも堪能できない。

まぁどこのサーキットでもホームストレートの真ん中の席はこうなのだが。

グランドスタンドの様子

グランドスタンドは昨日のリスボアスタンドとやや雰囲気が異なる。

リスボアではグッズはほとんど売っていなかったが、グランドスタンドの入口にはモデルカーやウェアなどの販売所があり、レースに来た!という熱気を感じた。


↑モデルカー購入者対象のサイン会がある模様


↑グッズに群がる大勢の地元の人、ここにいる人たちは「熱心な」ファンに違いない

客層は昨日のリスボアスタンドと比べると、レースファンと見受けられる人の姿もちらほらみられる。

欧米人の姿も圧倒的に多く、日本人も見かけた。
土曜日だからというのもあるだろう。

とはいえ、やはり観客の大半は地元の中国人。

この日私が陣取った場所のガードマンは怠慢で、皆が立ち上がってもあまり注意しない。


↑通路に立ち止まって見ている観客に何も注意しない怠慢ガードマン

仕方がないので、皆が立ち上がる場面では私も立ち上がって観戦した。

TVモニターに映るマシンがスライドしながら態勢を立て直したり、バトルが捉えられると、「オーッ!オーッ!」とどよめきと歓声があがる。

TVで見る南米のレースの観客の雰囲気と似ているが、マカオGPの観客は特定のドライバーやチームを応援するのではなく、レースを見物に来ている人たちが、目の前で起きていることにどよめいている感じだ。

特にこの日のトリを飾る、二輪の決勝レースは、地元の人達が一番楽しみにしているもので、大いに盛り上がった!


↑二輪レース決勝スタート

結局この二輪決勝は、多重クラッシュによる赤旗終了となるのだが、翌日の新聞の一面記事はそのクラッシュの写真がでかでかと掲載されていたのだ。

マナーは悪いが、地元の人たちのこの熱気に包まれて観戦するのは、なかなか興味深く、日本では味わえない新鮮さがあった。

ちなみに決勝の行方を左右するこの日のF3予選レースの結果はこのようになった。

 

優勝候補のティクタムやアームストロングが下位に沈む大波乱の予選レース。

日本人唯一の参戦、勝田は16番手、応援しているソフィアフロージュも21番手と下位に沈んだが、明日の決勝で粘り強く走って何とかひとつでも上を目指して欲しいものだ。

日中レース文化比較まとめ

ということで、最後にレース観戦を通じて感じた日中文化の違いを今一度まとめると…

よくF1ドライバーが、「日本のファンはとても熱心だ」とコメントしている。

昔はそれを聞いて、欧米のファンの方が熱狂的に盛り上がっているのに、どういう意味なのだろう?と思ったのだが、今回その意味が何となく分かった。

日本のレースファン

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SF,岡山国際サーキットにて

日本では田舎町にあるサーキットまでわざわざ出向いてレースを観に来るのは、確かにそれだけ好きな人だけである。

ひいきのチームやドライバーがあり、そのグッズを身につけ、メカに詳しく、普段からCATVやインターネットで情報を集め、カーナンバーで今どのドライバーが通り過ぎたのかが瞬時に分かる、そういう人達が集まってくるのがレースだ。

レース中はマシンの動きを食い入るように見つめ、ピットウォークや様々なイベントに参加し、サインを求めてドライバーに群がる。

日本のレースファンは欧米のファンのように大騒ぎはしないが、確かに「とても熱心」なのだ。

中国の観客

対して中国*1の観客はというと…

マカオGPという年に一度のお祭りを、見物に来ている普通の人たちで、恐らくドライバーの名前もチームの名前もほとんど知らず、誰が勝っても関係ない。

目の前を大迫力のマシンが通り過ぎるのを、「すごい!すごい!」と言って大はしゃぎし、マシンとセルフィ―を撮りまくる、子供のような人達が大半である。

よって、熱気だけはすごい!
でも、レースの内容に対して熱心かというと…「?」である。

とはいえそんな彼らを見ると、自分がまだ学生だったころ、初めて生でレースを観に行っておおはしゃぎした、あの頃の気持ちを思い出すのだ。

マカオGPは独特

マカオGPはレースファンだけのものではない。

マカオというとても小さな地域の、街のど真ん中で、普段自分たちが通っている公道をかなりの範囲封鎖して開催するお祭りなのだから。

同じ公道でもモナコやシンガポールのようなセレブやVIPだけが観に来るレースとも違う。

マカオにはダウンタウンもあり、また中国の周辺都市からも一般庶民がやってくる。

日本や欧米のモータースポーツ文化と比べるのがそもそもナンセンスなのだと気付いた。

彼らには彼ら独特の楽しみ方があるのだ。

結局チケットが買えなかった最終日…

さて2日間スタンドでレース観戦を楽しんだのだが、肝心の決勝が行われる最終日のチケットが手に入らなかった。

リスボアスタンド以外は当日でも手に入ると書かれていたネット上の情報をうのみにしたのが仇となった…

マカオGPを観戦される方は、公式サイトに紹介されている方法で、事前にチケットを予約して来られる事を強くお勧めする。

土曜日の走行終了後、スマホに「明日のチケット買います」と英語と日本語で表示し、会場の出口で出て来る人に「チケット!チケット」と呼び掛けてみた。

が、私と同じようにチケットを買いたいという人はいたものの、チケットが余っている人には出会えなかった。

ダフ屋も全くいない。

今までいろいろなコンサートやスポーツ観戦に行って、この出入口作戦でチケットを入手できなかった事はなかったのだが…

それで最終日は、スタンド観戦はあきらめ、マカオ市内を散策しながら無料で観られるスポットがないか、探す事にした。

そして見事、そのような場所を見つけたのである。
詳細は次回の記事にて。 

www.lovemotorsports.info

*1:マカオは現在中国の一部

2019マカオGP観戦情報まとめ

さて、随分と更新をサボっていたこのブログ。

今年のマカオGPを現地観戦する事となり、情報整理を兼ねて、記事にまとめようと思い立った。

調べてみるとマカオ関連の情報は旅行記などで結構出て来るが、F1やSF・GTなどのメジャーレースと比べ、充実しているとは言えない。

そこでこのまとめ記事や、また現地から執筆予定のリポート記事が、私のように今年観戦する方のみならず、将来のいつか観戦される方のご参考になれば幸いだ。

マカオGPとは

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/2008_Macau_F3_GP.JPG?uselang=ja
画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

今年で66回を迎える、伝統のマカオGP。

マカオグランプリ(Grande Prémio de Macau、澳門格蘭披治大賽車、Macau Grand Prix)は、1954年よりマカオの中心地の公道を使用して開催されている世界的に有名な市街地レースで、毎年11月中旬に開催される。

マカオがポルトガルの海外領土であった1954年に、地元に住むポルトガル人やイギリス人、華僑のモータースポーツ愛好家の手によって始められた。

-Wikipediaより

当初は草レースであったが、現在は複数のカテゴリに分かれ、世界格式のレースが行われている。

特にF3は、世界一決定戦とも言われ、過去に以下のようなドライバーがマカオGPで優勝し、F1へとステップアップ。

  • リカルド・パトレーゼ(77・78年)
  • ロベルト・モレノ(82年)
  • アイルトン・セナ(83年)
  • マウリシオ・グージェルミン(85年)
  • ミハエル・シューマッハ(90年)
  • デビッド・クルサード(91年)
  • ラルフ・シューマッハ(95年)
  • 佐藤琢磨(01年)

’01年の琢磨選手以来、優勝者がF1へというのは(今のところ)ないのだが、現在フェラーリF1で大活躍のシャルル・ルクレール選手(’15年2位)や、レッドブルのアレクサンダー・アルボン選手も、マカオGP経験者。

特に私の世代では、’90マカオGPの、後にF1チャンピオンを争う、ハッキネンとシューマッハの激しいバトルは、鮮烈に印象に残っているのだ。

2019マカオGP レースカテゴリ

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/41/Tom_Coronel_2011_WTCC_Race_of_Japan_%28Race_2%29.jpg
画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

さてマカオGPはF3だけでなく、以下のようなレースも同時に楽しめるので美味しい!

  • FIA GT ワールドカップ
  • マカオ GTカップ
  • FIA 世界ツーリングカー・カップ(ギアレース)
  • 2輪レース

違う形の車がいろいろと走るので、レース観戦がはじめて、という方も、海外旅行を兼ねて楽しく観戦出来るだろう。

サーキットに張り付いて全カテゴリ見るのも良し、好きなカテゴリだけ見てあとは観光するのも良し。

2019マカオGP コースレイアウト

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/20/Circuito_da_Guia_GP.svg/1280px-Circuito_da_Guia_GP.svg.png
引用:Wikipedia

マカオGPが行われるギアサーキットは全長6.2kmの市街地コース。

ガードレールとコンクリートウォールに囲まれたコースは、モナコGPの行われるモンテカルロ市街地コース(3.34km)の倍近い長さがあり、F3のマシンで走ると1周2分10秒あまりかかる。

海側の高速セクションと、山側のテクニカルセクションで構成され、かなりの高低差があり、路面もバンピーでセッティングが難しそうだ。

最大の抜きどころは、2kmに渡る長い直線のあとに迎える第一コーナーのリスボアベント。

ここでは2018年に大クラッシュが発生、女性ドライバーの操るダラーラF3が260kmで宙を舞い、コース外の壁に激突したのだが、奇跡的に一命を取り留めた。

有名なメルコヘアピンの180度ターンは、コース幅が狭くクラッシュが発生すると赤旗必至のため、レース中は常にイエローフラッグが振られ、追い越し禁止である。

観戦場所

今回調べてみて初めて分かったのだが、TVで見て迫力のある山側セクションには観戦スタンドがないのだ…

これは非常に残念(山側にも知る人ぞ知る、入り込める場所があるらしいが)。

現地観戦は基本的に海側にある3か所のスタンド(Reservoir Stand、Grand Stand 、Lisboa Bend Stand)に限られている。

2019マカオGP スケジュール

マカオGPは11/14~17の4日間に渡って開催される。

14(木)

全カテゴリのフリー走行と、F3とバイクの予選

15(金)

全カテゴリの予選

16(土)
  • F3予選レース
  • マカオツーリングカー決勝
  • マカオGT・FIAGT合同 予選レース
  • FIAツーリングカー(ギアレース) 第一レース
  • バイクレース決勝
17(日)
  • FIAツーリングカー(ギアレース) 第二・第三レース
  • マカオGT決勝レース
  • FIA GT決勝レース
  • F3決勝レース(15:30~)

詳細なスケジュールは、マカオGP公式サイトをチェック。

2019マカオGP チケット

さて気になるチケットの値段と入手方法について。

公式サイトによれば、木曜と金曜はどこでも$6.5で観戦可能。

土・日はグンと値段が上がり、Reservoir Standが$52、Grand Stand (A) が$77、Lisboa Bend Standが$128となっている。

4日通し券というのはない模様。

予算に限りがある私どもは、金曜から参戦、チケットが安い金曜にLisboa Bend Standで観戦し、土曜はReservoir Stand、F3決勝がある日曜はGrand Stand (A)で見ようかと考えている。

チケットは行った人の観戦記などを見ると、土日のLisboa Bend Standに関しては前売りで入手した方が良さそうだが、それ以外は当日券でだいたい購入可能のようだ。

2019マカオGP 出走ドライバー

この記事執筆現在で、公式サイトのF3エントリーリストは以下のようになっている。

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2019マカオGP 注目ドライバー

ダニエル・ティクトゥム

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/11/Dan_Ticktum_em_Macau_2018.jpg
画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

2017年、2018年とマカオ連覇しているダニエル・ティクトゥムが3連覇をかけて登場。

彼はレッドブルの元育成ドライバー、またF2や日本のスーパーフォーミュラ参戦、F1レッドブルのテスト走行も経験済。

今年のマカオ参戦ドライバー中、最もF1に近い存在と思われる。

ロバート・シュワルツマン

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)に選ばれた初のロシア出身ドライバー。

2019年のFIA F3チャンピオンを既に決めている。

角田裕毅

日本人として2人目となるレッドブル育成ドライバー。

全日本F4チャンピオンを獲得し、今年はFIA F3シリーズに参戦中の19歳。

今のところ今年のマカオF3参戦唯一の日本人ドライバーである。

2019マカオGP TV放映

2019マカオGPは、BSフジとJ SportsがTV中継を予定している。

J SPORTSは土日の生放送、
BSフジは録画で11/30(土)午後2時~放映予定。

BSフジは全国放送・全番組無料の民間衛星放送局なので、BSが入れば無料で観られる。

J SPORTSは有料チャンネルなので契約が必要だ。

次回は2019マカオGP現地観戦記執筆予定

さてフィリピン・セブ在住の私は、11/14(木)に現地へ移動し、15日より観戦予定。

滞在中は余裕があれば、現地からTwitterでの情報発信や、このブログへの観戦記のUPを予定している。

モータースポーツ後進国のフィリピンでは、草レース程度のものしかなく、レース観戦自体本当に久々なので、とても楽しみである!

2019年F1を戦う全10チーム20人を紹介 その1 レッドブル・ホンダ

さて今回から、3月17日に開幕する2019年のF1シリーズを戦う、全10チーム20人のドライバーを順に紹介していく。

第一回は、今、AVL社との決別と振動問題で話題となっている、ホンダエンジンを搭載するレッドブルチームだ。

歴史は浅いが輝かしい戦績を持つレッドブル

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2011年イタリアGPでのレッドブルRB7(S.ベッテル)

画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

エナジードリンクでおなじみの”レッドブル”が所有するこのF1チーム(正式名称はAston Martin Red Bull Racing)は、2005年にジャガー・レーシングを買い取ってF1に参戦開始した。

比較的若いコンストラクターではあるが、14年間でタイトル獲得4回、優勝回数55回と、大成功を収めている。

天才ドライバー、セバスチャン・ベッテルと天才デザイナー、エイドリアン・ニューウェイのコンビで2010~13年にかけて4連覇の偉業を成し遂げた。

ベッテルが去った後、タイトルからは遠ざかるものの、メルセデス・フェラーリとともに近年F1の”3強”を成すチーム。 

成功者クリスチャン・ホーナー

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

1973年生まれの元レーシングドライバー、クリスチャン・ホーナーがF1に新規参戦するレッドブルチームの代表に就任した時、彼はまだ32歳であった。

50代60代の他のチームの代表者と比較し、ホーナーは若すぎて結果を残せない、と当時のメディアは批判した。

ところがその後、セバスチャン・ベッテル、エイドリアン・ニューウェイと才能ある人物を次々に抜擢。

参戦2年目に初表彰台、5年目に初優勝、6年目でコンストラクターズ・ドライバーズのダブルタイトルを獲得、とトントン拍子に躍進する。

その後、選手権4連覇を成し遂げ、レッドブルチームをF1最強へと導いたホーナーの手腕は高く評価された。

若き代表と呼ばれたホーナーも今は45歳、判断力と円熟味をさらに増した彼は、F1界で名の知れた成功者となったのだ。

レッドブルの2018シーズンの成績は?

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2018年オーストリアGPでのRB14(ドライバーはリカルド)

画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

ドライバーは2014年から在籍のベテラン、ダニエル・リカルドと、2016年から在籍の若手、マックス・フェルスタッペンのコンビ。

PU*1は提携12年目となるルノーにタグ・ホイヤーのバッジを冠して使用。

両ドライバー2勝ずつを挙げ、メルセデス・フェラーリに次ぐコンストラクターズ3位を獲得した。

同じ3位の成績をあげた2017シーズンより、上位2チームとのポイント差は縮小した。

2019シーズンを戦うレッドブルのドライバー

さてここで、さらなる躍進が期待される2019シーズンのレッドブルチームのドライバーラインナップを紹介しよう。

天賦の才能 マックス・フェルスタッフェン(No.33)

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

1997年生まれの21歳、元F1ドライバーのヨス・フェルスタッフェンを父に持つ、オランダ人2世ドライバー。

4歳からレーシングカートを始め、なんと17歳の若さでF1デビュー!

フォーミュラレース経験1年のみ、まだ運転免許も取得出来ない年齢でのデビューは物議を醸したのだが、チームメイトを上回るポイントを稼ぎ、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。

翌2016年のシーズン中にレッドブルに移籍すると、史上最年少の18歳でF1初優勝を記録する!

2018年にはハミルトンやベッテルといったチャンピオンを相手に、一歩も引かないアグレッシブな走りを見せた。

しかし、若さゆえに粗削りなドライビングが時に接触を招き、またライバル意識の高さから、チームメイトとの同士討ちも多い。

危険なドライバーとの評価もあるが、こうした点は過去の多くのF1チャンピオンの若い頃と同様ではないか。

レッドブル在籍4年目となる今年は、持ち前の速さに、経験が付いてくる頃。

加えて安定性を身につけられれば、2018年のランキング4位を上回る成績が期待出来る。

日本のSF卒業生 ピエール・ガスリー(No.10)

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

1996年生まれの22歳、フランス人。

フォーミュラールノーからGP2(2016年チャンピオン)、そして日本のスーパーフォーミュラ(2017年ランキング2位)を経て、レッドブルのジュニアチームであるトロロッソよりF1デビュー。

2年目の2018年には、競争力の低いマシンに苦しみながらも4位入賞を含む29ポイント獲得と、チームメイトのハートレイを上回る成績を残した。

この頑張りが評価され、今年から親チームのレッドブルの正規ドライバーへと昇格。

フェルスタッフェンとともに、若手二人のイケイケコンビだ。

新規一転、ホンダのワークスPU搭載


↑2018年トロロッソ・ホンダのエンジン始動PV

そして2019年のレッドブルチーム最大の変化が、このパワーユニットの変更である。

2018年にジュニアチームのトロロッソと組んだホンダが、シーズンを通して大幅進歩したのを見て、レッドブルも導入を決定。

パワー不足や信頼性に不満があったルノーエンジンからスイッチしたのだ。

2018年に引き続きトロロッソにもエンジンを供給するホンダは、2チーム体制での参戦となる。

これにより「理論的にはデータが2倍になる」とホンダの田辺TDは語る。

また兄弟チームであるレッドブルとトロロッソは共有パーツも多く、「それは大きなアドバンテージになる」とも。

「ホンダはすでにルノーを追い抜いているし、2019年はもっと良くなるだろう」と、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコ氏は確信している。

だが、この期待に影を落とす、ある問題が発生した。

ホンダPUの振動問題

ホンダエンジンは、2017シーズンから続く、振動問題に悩まされている。

2017シーズンはエンジントラブルによるリタイヤが9回、エンジン交換によって合計390ものグリッド降格ペナルティを科された。

2018シーズンはこれを解消すべく、イギリスのレース専門のエンジンメーカー、イルモアの代表であるマリオ・イリエン氏を招聘。

ところが、ロシアGPや日本GPでやはり振動問題が発生したのだ。
エンジンパワーを落とすことでその場を凌いだが、問題の抜本的な解消には至らなかった。

振動発生の原因は?


↑ホンダのベンチテスト風景

じつはこの振動問題、2017シーズン開幕前のエンジンのベンチテスト*2時には分からなかったそうだ。

ところが、エンジンを車体に搭載し、実際に走行すると異常振動が発生する。

これはなぜか?

エンジンにつながっているギヤボックス、そこからさらにドライブシャフト、サスペンション、タイヤに至るまでの駆動系すべてを組み合わせた状態のF1マシンは、テストベンチでエンジンが固定されている時よりはるかに剛性が低い。

さらに、エンジン単体では問題にならないような振動も、車体に載せると他のパーツとの組合せで予想外の共鳴が起き、振動が大きくなってしまう事も有り得る。

そのため、エンジンをシャシーに組み付けて初めて、この問題が発生した、というわけだ。

新たにトップチームのレッドブルと組む2019シーズンに先駆けて、ホンダはこの問題を根本的に解決するため、世界最先端のシミュレーション技術を誇るAVL社と提携した。

AVL社とは?

オーストリアのシミュレーション専門企業AVLは、乗用車・商用車、大型エンジン向けの駆動システムの開発、シミュレーションのテストを行う世界最大の独立企業である。

AVLは今までに、メルセデスやフェラーリ、またルノーの依頼を受け、F1のパワーユニットの改良に貢献してきた。

AVL社と早々に決裂

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画像情報:Pixabay

ホンダはエンジンを改良するために、しばらくの間AVL社の設備を利用し、テストを行っていた。

このシステムはエンジンに駆動系を装着し、さらにシャシーに組付けた状態でテストを行い、実走行での振動を、できるだけ忠実に再現するそうだ。

既にライバルのメルセデス、フェラーリ、ルノーが導入したこのAVLのシステムで、彼らに勝る振動の少ないエンジン開発が出来る、とホンダは期待したに違いない。

ところが、ドイツの自動車専門誌『アウトビルド』は、ホンダはAVL社とのパートナー契約を最近解消したと報道。

原因は、ホンダのエンジニアとAVLのプロジェクトリーダーが口論になったためだという。

じつはこのAVLのプロジェクトリーダーは、以前にフェラーリともトラブルになり、契約を解消した事があるそうだ。

何があったのか分からないが、もしかしてこの担当者は、難しい性格の、職人気質な人間なのだろうか?

しかし世界最大手のシミュレーション企業が、そのような気難しい人物をプロジェクトリーダーとして置いておくというのは、不思議に思える。

いずれにせよ、AVLとの契約が解消された事は、前述のヘルムート・マルコ氏も認める事実だ。

その上で彼は、「すでにホンダは対応策を取っており、問題はない」とコメント。

AVLに代わる対応策とは、何なのだろうか?

「ホンダとのパートナーシップは、必ず成功すると私は信じている」というマルコ氏の期待に応える秘策があれば良いのだが。

レッドブル・ホンダの2019シーズン展望

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

2019シーズンのレッドブル・ホンダの注目ポイントまとめ:

  • 才能溢れる超若手コンビ、フェルスタッペン&ガスリーのチームワークは?
  • 長年使用したルノーからホンダへのPUスイッチは吉と出るか凶と出るか?
  • AVL社と早々に提携解消したホンダは振動問題を解消出来るか?
  • ホンダはマクラーレンで叶わなかった第4期初優勝なるか?

不安点としてはドライバーの若さだが、フェルスタッペンは既に参戦5年目で何度も優勝を経験しているトップレーサーだ。

ただ同じく若いガスリーとの同士討ちは避けたいところ。

この点、代表のホーナーは「マックスの方が経験豊かだ。だからチームもこれからはもっと彼を頼りにすることになる」と述べて、フェルスタッペンが事実上のNo.1待遇となる事を示唆した。

同士討ちを防ぐため、シーズン中は、はっきりとしたチームオーダーが出るのかも知れない。
もっとも、ファンとしてはチームメイト同士の熱いバトルを見たいものだが…。

そして勝つも負けるもホンダPU次第であろう。

「新しいエンジンメーカーとの最初の1年が、簡単ではないことは分かっている。しかしその目標は、そして私が人々に語っているゴールは、最初からチャンピオンシップを目指すということだ。言い訳をすることはない」

と語るマルコ氏は、チャンピオン争いという高い目標を掲げた。

ジャパンパワーを搭載するレッドブルの最初の活躍が見られる、3月17日、開幕戦のオーストラリアGPをお見逃しなく!

おまけ情報①

1月21日に、FIA監修の、2018年F1総集編ビデオが発売される。

総集編にはテレビ中継ではみられない独自映像が盛りだくさん。

21ラウンドすべてのファステストラップオンボードや、フォース・インディアふたりの特集、2018年限りでF1からの引退をしたアロンソの特別映像などが収録される。

開幕を待つ間、特典映像満載のこのビデオを見て過ごすのはどうだろう。

おまけ情報②

2019シーズンの新しいカラーリングが施されたレッドブルのマシンを国内で見れるチャンス!

3月2日(土)・3日(日)に鈴鹿サーキットで開催される「モースポフェス2019 SUZUKA」で、2018モデルであるがレッドブルF1が2019仕様のカラーリングでデモ走行を行う。

このイベントでは他にも、ル・マン優勝車トヨタTS050や、WRCチャンピオンカーのヤリスWRC、佐藤琢磨のインディ500優勝車など、モースポファン必見のマシンが多数やってくる!

しかも入場無料である(鈴鹿サーキットのHPから優待券のDL必要)。

鈴鹿サーキットには遊園地もあるので、普段レースに興味のない家族や友人、恋人も誘って、迫力のF1を一緒に見に行こう。

*1:パワーユニットの略、エンジンの事

*2:車にエンジンを載せず、研究室でエンジン単体で回転させて行うテスト

2018年レースふり返り スーパーフォーミュラ第6戦岡山国際 観戦記

随分と月日が経ってしまったが、今さらながら2018年9月9日に岡山国際サーキットで開催された、スーパーフォーミュラ第6戦の観戦記をUPする。

スーパーフォーミュラとは?

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS (2014年のレース風景)

タイヤがむき出しのフォーミュラーカーで競われるレースの、国内最高峰シリーズ、それがスーパーフォーミュラ(SF)。

国内フォーミュラは入門カテゴリから順に、S-FJ、F4、F3、そしてこのSFというカテゴリ分けになっている。

国際フォーミュラレースではF1が頂点で、その下にF2(旧GP2)が位置するが、そのF2に次ぐ位置づけがSFと言えるだろう。

2018年のSFのマシンは、イタリアの名門コンストラクター、ダラーラのワンメイクシャシーに、ホンダとトヨタが開発する、2,000cc直4ターボエンジンを搭載。

スーパーGTと共用のこのエンジンは、なんと550馬力以上を発生し、ひと昔前のF1に迫る速さを見せる!

前身の全日本F3000選手権・フォーミュラニッポン時代には、F1への登竜門で、鈴木亜久里・片山右京・高木虎之介といった選手が、全日本F3000のチャンピオンを獲得してF1へ昇格していった。

全日本F3000は1996年にはフォーミュラニッポン、そして2013年に現在のスーパーフォーミュラという呼称となる。

その間に時代が変わり、国内でタイトルを獲ってF1へ行くより、ヨーロッパで戦績を挙げてF1デビュー、という流れが主流になった。

最近はF1からのUターン組や、欧米のレースシートの獲得が難しい選手がSFに活路を見出している。

とはいえ、これは結果的にSFのレベルの底上げにつながっていて、国内最高峰にふさわしいハイレベルな戦いが見られるのだ。

今回私が観戦した第6戦岡山ラウンドも、F1に劣らない激しいトップ争いが見られた。

9月9日早朝、岡山国際サーキットへと向かう

スーパーフォーミュラ第6戦が開催される岡山国際サーキットは、岡山県美作市滝宮1210という、人里離れた山奥にある。

実は私DAIは、今回初めてこのサーキットへ行った。

朝5時過ぎに大阪を出発。

近畿自動車道~中国道へ入り、作東ICで下りる。
そこからカーナビを頼りに走ったのだが、かなり曲がりくねった山道へ入り込んでしまった。

あまりに道が細かったため一度引き返したりしながら、45分ほど走っただろうか?
サーキットの仮設駐車場(無料)へ到着。

渋滞は全く無かったのに、大阪を出てから2時間半ほど掛かってしまった、迷わなければもっと早く到着できるだろう。

仮設駐車場というが、舗装されていないただの空き地で、雨が降ったためぬかるんで大変だ、靴がドロドロになってしまった。

そこから無料のシャトルバスに10分ほど揺られサーキットへ到着。
サーキット内の駐車場へ直接入れるのは、前売り駐車券(1650円)を購入した人たちだけだ。

SF第6戦岡山のチケット

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今回私は、同日開催のEnjoy Honda招待券をヤフーオークションで入手し、来場した。

招待券の場合は、イベントが荒天等でキャンセルになっても、払い戻しはない事に注意だ。

正規でチケット購入した場合、前売り2日通し券で5,400円、当日券は7,600円とそこそこ高額だ。

中学生以下の子供は入場無料となっている。

雨天観戦に便利なメインスタンド

じつは1週間ほど前から、この週末は雨予報が出ており、その日が近づいてもずっと変わらなかった。

バスを降りて、坂道を登り、私にとってはじめての、岡山国際サーキットの入場ゲートに到着。

それまで鈴鹿ばかり通っていた私は、ゲートを入ってすぐにメインスタンドへ到達出来る事に驚いた、これは便利だ。

降り続く雨のため、到着してすぐ、屋根のあるメインスタンドの1コーナーよりに陣取る。

今日は雨をしのげるここで一日腰を据えて観戦することに決めた。

スーパーフォーミュラ第6戦のエントラント

無料配られているチラシに、参加全チーム・ドライバーの紹介が載っていた。

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チラシに載っている全エントラント

この中から私が今回応援しているのは、やはりF1時代から応援していた#18 KCMGの小林可夢偉選手。

2週間前に見に行った鈴鹿10時間耐久でも、可夢偉選手は初音ミクカラーのメルセデスを駆って、大躍進したばかり。 

SF参戦4年目にして未だに優勝のない可夢偉選手に是非、初優勝を遂げて欲しいと思い、かなり肩入れして応援する事にした。

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生憎の雨の中のウォームアップラン

駐車場に到着したのは8時前だったが、バスの待ち時間や、降りてからスタンドまで歩いたりしていると、あっという間に時間が経ち、スタンドに陣取るとすぐにSFのウォームアップが始まった。

ちょうどピット出口が目の前で、どの車もリヤホイールを派手に空転させてコースへと出て行く。

実は私、スーパーフォーミュラの本気走行を見るのは約10年ぶり、その進歩に驚いた。

昔のフォーミュラニッポンの排気音はこもっており、マシンのスタイルもF1と比べたら見劣りするもので、F1とは明らかな差があった。

ところが今のSFは、よく響く排気音、クイックな挙動、カラフルなカラーリングなどから、これがF1だと言われたら信じてしまいそうな迫力だ。

いや、モータースポーツをよく知らない人は、これをF1だと思うだろう。

それにしてもかなりの雨量のなか行われたウォームアップラン、たまらず#13.REAL RACINGの塚越広大選手がスピン、タイヤバリアにクラッシュ。

午後に迫る決勝を前に、マシンにかなりのダメージを受けてしまう。

予選順位

塚越選手のクラッシュ以外にもコースアウトする車が何台か見受けられ、最悪な路面コンディションの中、ウォームアップランが終了。

トップタイム1’30.141をマークしたのは#19,インパルの関口雄飛だった。

ここで、前日の土曜日にやはり雨の中行われた予選順位も紹介する。

  1. #19 関口雄飛 (インパル)
  2. #18 小林可夢偉 (KCMG)
  3. #20 平川亮 (インパル)
  4. #5 野尻智紀 (ダンデライオン)
  5. #3 N.キャシディ (近藤レーシング)
  6. #4 山下健太 (近藤レーシング)
  7. #17 塚越広大 (リアルレーシング)
  8. #2 国本 雄資 (セルモ)

(以上、Q3進出者までのみを記載)

それ以下10台の参加者含む、計19台にて決勝が争われる。

トップの関口選手と可夢偉選手の差はわずか100分の2秒。

マシンの差が縮まるレインコンディションでの決勝は、激戦が予想された。

サポートレースのF3とN-ONE OWNER’S CUP

さて、SFの決勝の前にサポートレースが二つ挟まれる。

その一つはF3、SFのひとつ下のクラスのフォーミュラレースだ。

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サポートレースF3の決勝風景

かなりの雨が降っていたのだが、セーフティーカースタートで実際にレースが行われた。

実質13周のレースを制したのは、トムスの坪井 翔選手。
2番手にはF1を目指す若手の笹原 右京選手、3番手には坪井選手のチームメイト宮田 莉朋選手が入った。

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サポートレース N-ONE OWNER’S CUPの決勝風景

続いて軽自動車のアマチュアレース、N-ONE OWNER’S CUPが行われた。

しかし土砂降りの雨の中、アマチュアレーサーにバトルさせるのはあまりに危険という判断か、8周の規定周回中ずっとSC先導によるパレード走行でチェッカーとなった。

バトルが見られなかったのは残念であるが、41台ものカラフルなN-ONEを見られたのは楽しかった。

1~2コーナースタンド

走行のない昼の時間帯、雨も少し小ぶりになってきたため、1~2コーナーへ足を運んでみた。

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1コーナーの方へ歩いて行くと、ホームストレートエンドに金網の切れた撮影スポットがある。
この部分はスタンドはないのだが、写真を撮る事が出来る。
ただし、出来るだけ立ち止まらないで観戦して下さい、との注意書きがある。

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そして、さらに歩くと2コーナースタンドがある。
ここは小高い丘になっていて、コースの東半分を見渡せる絶好の観戦ポイントだ。
ただし今日は雨のため、屋根がないここでの観戦は控える事にした。

待てど暮らせど始まらないSF決勝

さて、昼休みの間も雨は止まず、むしろ決勝の時間が近づくにつれて強まってくる。
それでまず決勝開始が1時間遅れる事が発表された。

午後2時55分、セーフティーカー(SC)先導で最大競技時間70分として周回がスタート。

メインストレートのダミーグリッドから、各車ものすごい水しぶきをあげて一斉に走り出した。

ところが、一向にSCが外れない。

そもそもレース時間が70分に減らされてしまっているうえに、SC先導走行で周回数を消費すれば、レースがわずかになってしまう。

早くSCが外れて欲しいと思いながら見ていたのだが、なんと、7周の段階で赤旗が出てしまった。

その後もしばらくレース再開のアナウンスが無かったため、イベント会場へ行ってみた。

まず目に留まったのは、トロロッソホンダのF1マシンの展示。

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迫力のモトクロスバイクのデモ

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イベント会場で行われていた大迫力のモトクロスデモ走行

そしてイベント会場では、プロのトライアル競技ライダーによる、モトクロスのデモ競技も行われていた。

これが、台の上で後輪のみや前輪のみで止まったり、急な坂の途中でバイクをピョコピョコ跳ねさせて180度方向転換したり、と、超人業!

一緒に見ていた嫁も大興奮!

モトクロスのデモ走行を最後まで見ていたかったのだが、レーシングコースから爆音が響いたため、後ろ髪を引かれる思いでスタンドへ戻る。

やっとはじまったSF決勝

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スタンドへ戻るとSFマシン達はSCに先導され2周目の周回に入っていた。

SC先導走行がさらに2周続き、時刻は既に16時半になろうとしていたころ、ようやく、SCが隊列の先頭から外れる。

待ちに待ったSF決勝のスタートだ。

1コーナーこそ先頭の関口が抑えるものの、後ろから可夢偉が猛追、コースのあちこちでノーズを突き刺しにかかっている。

ここ、岡山国際サーキットは、鈴鹿と比べコースまでの距離が近く、バトルを間近に見られ、とても迫力がある。

可夢偉のアグレッシブ過ぎるアタックは、本当にそのフロントノーズを関口選手に突き刺してしまい、ノーズがめくれあがってしまった。

ところが、その状態でも可夢偉はスローダウンせず、むしろペースアップして関口をオーバーテイク!

ホームストレートへと帰って来た可夢偉のマシンは、フロントノーズが風でペラペラと動いているのがスタンドから見えた。

再びSC介入~手に汗握るバトル

関口を抜き去った可夢偉は、そのまま独走態勢に入り、7秒のリードを築いた。

このまま可夢偉の初優勝かと思えたそんな時、後方で接触が発生、コースの真ん中にマシンが立往生してしまう。

これでまたSCが入り、レース時間は短くなったが、マージンがなくなって面白くなった。

再スタートでは可夢偉がペナルティギリギリかと思える意図的なスロー走行をして後車との差を詰め、最終コーナー手前で一気に加速し、抜群のスタート!

しかし! なんと雨に足をすくわれてコースオフ。

その一瞬のスキを突いて関口が再びトップに返り咲いた。

コースに復帰した可夢偉は、またまた関口を上回るペースで猛追。

このままいけばまた可夢偉のオーバーテイクが見られる!とそう確信し、グランドスタンドをトップの2台が駆け抜ける度に、嫁と一緒に手を振って応援する。

この熱いバトルには嫁も大興奮であった!

ところが…

あっけない幕切れ

31周目を終えて関口と可夢偉の差はわずか0.5秒。

テール・トゥ・ノーズ状態のバトルが続き、このレースのハイライトを迎えようというタイミングで、なんと最終コーナーで#15の福住 仁嶺が単独スピン!

エンジンが止まってしまい、この車を排除するためにまたSCが入った。

残り5分を切ったこのタイミングでのSCは決定的で、これをもって順位確定となったのだ。

最後までこのバトルが見たかったギャラリーの立場としては、不完全燃焼であるが、これがレース。

応援していた可夢偉選手のSF初優勝は、残念ながらお預けとなった。

SF第6戦決勝結果

  1. #19 関口雄飛 (インパル)
  2. #18 小林可夢偉 (KCMG)
  3. #20 平川亮 (インパル)
  4. #5 野尻智紀 (ダンデライオン)
  5. #3 N.キャシディ (近藤レーシング)
  6. #4 山下健太 (近藤レーシング)

(以下省略)

と、終わってみれば結局1位~6位まで予選結果そのままの順位に。

トップ争いは素晴らしいかったが、雨天でレース距離が短すぎた。

ただし周回数が少なかったため、規定によりドライバーが獲得する選手権ポイントは半分となった。

2018年スーパーフォーミュラ年間成績

しかし、このレースの終了時点でランキングトップであったN.キャシディ選手を、このレース無得点に終わった山本 尚貴選手が、なんと最終戦鈴鹿で逆転。

わずか1ポイント差でシリーズチャンピオンに輝いたのは山本選手だった。

岡山勝者の関口選手はハーフポイントしか獲得出来ず、最終戦では下位に沈み、総合4番手。

私の応援した小林可夢偉選手は、最終戦ノーポイントに終わり、総合11番手と、今年も振るわなかった。

スーパーフォーミュラを実際に観戦してみて

雨に見舞われてしまったのは残念であるが、レースが中止されず少ない周回数でも素晴らしいバトルが繰り広げれた事、中でも応援していた可夢偉選手の奮闘を目の前に見られたので、満足いくレースだった。

同日開催のEnjoy Hondaも、様々なイベントがあり、興味深い。
ただこれに関しては雨で台無しになってしまって本当に残念。

また将来、晴天に恵まれたEnjoy Hondaに参加してみたいと思う。

550馬力を発生するマシンを、元F1ドライバーが操り、ひと昔前のF1に近いラップタイムを刻む、スーパーフォーミュラ。

年に一度しかないF1を見に行くチャンスは、なかなかないかも知れないが、スーパーフォーミュラのレースは、F1に迫る迫力が味わえる。

それでも、サーキットはF1のように混雑しておらず、チケットもF1より安価で手軽に観戦出来る。

私のように、昔の全日本F3000やフォーミュラニッポンのイメージしかないレースファンは、是非見に行って、その迫力に驚いて欲しい。

一緒に見れば彼女がモータースポーツ好きになる!映画「Over Drive」

車・レース・モータースポーツが好きだが、彼女は全然興味ない、というモタスポファンは多いだろう。

今回は、そんなモタスポ野郎が、彼女と一緒に観るのにうってつけの映画をご紹介する。

大ヒットシリーズ「海猿」を手掛けた羽住英一郎監督、2018年6月に東宝の配給で全国の映画館で公開された映画「Over Drive(オーバードライブ)」だ。

なおこの記事は、ネタバレとなる内容は極力含まず、映画の期待を高める方向で書いているので、映画を未視聴の方も安心してお読みいただきたい。

Over Driveは今までにないモタスポ映画


↑YouTube Over Drive 予告編

これまでモータースポーツを題材にした映画は、モタスポファンでなければ楽しめないようなものが多かった。

マニアが大喜びするような、実際のレースを取材した、ドキュメンタリータッチの作品が主流だったのだ。

そのような映画はレースについての詳しい知識を持っていないと、内容を退屈に感じてしまったり、またそもそも観に行こうと思わない。

そんな中、2013年公開のロン・ハワード作品「RUSH プライドと友情」は、モタスポ映画に新風を吹き込んだ。

1970年代F1の二人のチャンピオン、ニキ・ラウダとジェームス・ハントの死闘を描いた物語を、人気監督・人気俳優によって映画化、一般大衆も楽しめる娯楽映画として人気を博した。

しかしこの「RUSH」も、F1を知らない人がはじめて見ると、『カーレースは怖い、危険だ!』という印象を植え付けてしまいかねない、恐ろしいシーンが含まれおり、万人受けするとは言えない。

そこへきてこの「Over Drive」は、モタスポファンのみならず、誰もがドキドキ・ワクワクしながら見られるようなエンターテインメント性の強い作品になっている*1。 

私は最初、この映画が国内ラリー選手権という、現実の世界では地味な競技を題材にしている事を知って、『またモタスポ好きのための映画か?』と思った。

ところがどっこい。

実際視聴してみると、ラリーはあくまで題材であって、映画ならではの大胆なアレンジが加えられ、現実のラリーの地味な印象をすっかり払拭している。

『ラリーって何?』というような家族や恋人と一緒に、安心して見られるモタスポ映画なのだ。

Over Driveのあらすじ

私は事前の予習なしに、とにかく観始めたのだが、物語はスピード感をもって痛快に進み、104分をあっという間に駆け抜け、WANIMAが歌う爽快なテーマ曲”Drive"が流れるエンディングへとたどり着いた。

この映画の舞台は、全日本ラリー選手権をモデルにした架空の「SCRS(セイコーカップラリーシリーズ)」という選手権。

そのラリー選手権に参戦する「スピカレーシング」の若きドライバーと、彼の兄でもあるチーフメカニックとのぶつかり合い、ライバルチームとの闘い、ヒロインである主人公のマネージャーとの絡みを軸に物語は展開する。

とはいえ、ストーリーは複雑ではなく、単純明快なスポコンもの。
単なる車の話ではなく、適度なヒューマンドラマが含まれており、見ごたえ十分だ。

旬の役者を多数起用したOver Driveのキャスト

「Over Drive」は単なるモタスポ映画ではなく、車に興味のない一般の人もタレント目当てで観たくなるような、今が旬のキャストを揃えている。

TVに出ない、なじみのない役者ばかり…というこれまでのモタスポ映画の常識を覆す、この映画に登場する、今が旬の若手イケメンアイドルをご紹介しよう。

東出昌大(ひがしで まさひろ)

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

スピカのチーフメカニック、そしてドライバー檜山直純の兄である、この映画の主人公檜山篤洋役。

1988年生まれ、若い頃はメンズノンノ専属モデルオーディショングランプリや、パリコレ出演歴のあるファッションモデルとして活躍。

2012年、映画『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビュー。
以来、NHKの朝の連続テレビ小説に出演するなど、多数のドラマ・映画に出演。

2015年には渡辺謙の娘、杏との結婚で話題となった。

主な出演作:

映画
『桐島、部活やめるってよ』 
クローズEXPLODE
寄生獣

ドラマ
NHK朝の連続テレビ小説 あまちゃん ごちそうさん
さよならドビュッシー 〜ピアニスト探偵 岬洋介〜

デスノート NEW GENERATION 

新田真剣佑(あらた まっけんゆう)

スピカのドライバー 檜山直純役。
公式には、兄の篤洋が主役となっているようだが、私はこの映画は、直純は篤洋と共にWキャストだと思う。

1996年生まれ、俳優 千葉真一の息子。

幼少の頃より映画の本場、アメリカ・ハリウッドで暮らし、現地の映画に出演。
その成果で、劇中でも流ちょうな英語を披露している。

2017年、『ちはやふる -上の句- / -下の句-』で、第40回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞し話題となる。

主な出演作:

映画

ちはやふるシリーズ
にがくてあまい
チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜
ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章

ドラマ

世にも奇妙な物語 
仰げば尊し
トドメの接吻

森川 葵(もりかわ あおい)

 

どうもコルシカ島(フランス)に行ってた森川です。 なんのためかって?映画#overdrive で#WRC (#世界ラリー)を生で見ようという企画で。 まんまと#ラリー はまってます。 オジェ はやっぱりはやかったですねぇ。🏎 写真見てお分かりの通り#toyotagazooracing を応援しに行っていたのでタナック が総合2位に入ったのは感激です。ただ、私の個人的な推しであるヌーヴィル が総合3位に落ちてしまったのでなんとも言い難い気持ちです。もやもや。笑 ラッピ も惜しかったですねぇ…昨日の段階では4位につけてたのにアクシデントでタイヤ交換しなくちゃいけなくなりタイムロス…でもそれでも走りきって総合6位は素晴らしいと思う! ラトバラ は惜しくも今回はリタイアでしたが次からまた頑張ってほしいと思います〜! #見てきたばっかりだから1人で盛り上がってる #車好き女子 #みんなに詳しく説明したい笑

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本作のヒロイン、スピカのドライバー 檜山直純のマネージャー、遠藤ひかる役。

ファッション雑誌「Seventeen」の専属モデルオーディション「ミスセブンティーン」でデビュー。

2015年「テディ・ゴー!」で連ドラ初主演、以来多数の映画・ドラマ・TVCMに出演。

2018年11月上演の舞台『ロミオとジュリエット』では、初舞台にして主演のジュリエット役を演じる。

主な出演作:

映画

おんなのこきらい
TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ
恋と嘘
嘘八百

ドラマ

テディ・ゴー!
プリンセスメゾン
賭ケグルイ 
明日の君がもっと好き

その他出演者

北村匠海:ライバルチーム、シグマレーシングのドライバー、新海彰役。

町田啓太:スピカレーシングのメカニック、増田順平役。

要潤:遠藤ひかるの上司、香川久俊役。

吉田鋼太郎:スピカレーシングの代表、築地一星役。

Over Driveの監督 羽住英一郎氏

映画を見終わった私はそのクオリティの高さに驚いたが、この映画のメガホンをとったのは、あの、羽住英一郎監督だと知って、道理で、納得。

あまりにも有名な「海猿」

羽住監督といえば「海猿」シリーズがあまりにも有名だ。

海難救助に携わる潜水士の、極限状態での活躍を描いたこの作品は、伊藤英明の主演により国民的大ヒットを記録。

2004年の第一作以来、LIMIT OF LOVE 海猿(2006年)、THE LAST MESSAGE 海猿(2010年)、BRAVE HEARTS 海猿(2012年)と続く4部作が制作された。

他にも「暗殺教室」や、「MOZU」など、映画・TVドラマを多数制作している。

実は熱心なモタスポファン

そんな羽住監督が『海猿を超える作品を目指し』て制作したというのがこの「Over Drive」。

実は羽住監督は小学生時代から熱心なモタスポファンだったとの事で、本作の映画化は長年の念願かなってのものだったという。

マイナー競技である自動車ラリーという題材が、同様に海上保安官・潜水士というマイナーな題材から大ヒット作「海猿」を生み出した羽住監督の手によって、いかに誰もが楽しめるエンターテインメントに描きあげられているのか、注目だ。

Over Driveのここがすごい!

キャスト・有名監督以外にも、まだまだある「Over Drive」の魅力をご紹介しよう。

豪華! Over Driveの協力企業

「Over Drive」には自動車、パーツ、タイヤ、時計、ラリー雑誌などラリーに関わっている実在の企業が多く協力しており、劇中にも実際の企業名が登場する。

例を挙げると、

  • Pioneer(スピカレーシングのスポンサー)
  • SEIKO(架空のラリー選手権、SCRSの冠スポンサー)
  • TOYOTA(スピカレーシングが使用する車両 YARISのメーカー)
  • WORK(スピカレーシングが使用しているホイールメーカー)
  • Fujitsubo(スピカレーシングが使用しているマフラー)
  • momo(スピカレーシングが使用しているステアリングホイール)
  • OMP(スピカレーシングのドライバーが装着しているレーシングスーツ)

などなど、他にも数え上げればキリがない、モタスポファンの心をくすぐる実在のロゴが登場、それらのひとつひとつを見つけながら観るのも楽しみだ。

リアリティの追及

「海猿」を超える極限の世界を描くため羽住監督は、チーフメカニックの篤洋を演じた東出に、撮影の2カ月前から車の構造を解説した分厚い資料を勉強させ、メカニックの仕事も体験させたという。

この映画の見どころである、制限時間内での整備の場面は、現役の有名ラリーメカニックの監督・訓練のもと、本物のラリー車両を使って撮影されたため、大変緊迫感のあるものに仕上がっている。

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Over Driveで使用されたヤリスがスーパーラリーシリーズに出場

画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

またドライバーの直純役を演じた新田に監督は”目に見えて鍛え上げられた肉体”を要求。

その要求に見事に応えた新田の肉体美に、女性ファンから「非常に目の保養になりました(笑)」との映画レビューも。

現役の全日本ラリー選手権王者が担当したラリーカーの豪快なドライブ場面も必見だ。

夢のラリーシリーズ「SCRS」

「Over Drive」に登場する架空のラリー選手権、「SCRS」。

時計メーカーのセイコーが冠スポンサーのこのシリーズは、ラリーファン、いやモータースポーツファンの願望というか、夢をそのまま描いたものだ。

アジアの海外2か国を含む年間13戦が組まれたシリーズ、大都会のど真ん中で公道を封鎖し、30年以上昔のWRCのように観客スレスレをマシンが通過するコース。

選手達はマスコミに大々的に取り上げられ、アイドルのように大人気で、大会のたびに大観衆が集まり、公道レースではベランダから大勢の一般人が観戦している。

モタスポファンはツッコミを入れずに楽しもう!

とはいえ、それはこの映画の中だけの演出であって、現実には国内ラリー選手権、いや世界選手権のWRCですらこんなに華やかではない。

ラリーに限らず、日本の都市部で公道を封鎖しての競技なんて、夢のまた夢だ。

実はこの映画の演出は、他にも、モータースポーツを知っている人からしたら『ありえねぇよ!』というツッコミどころ満載だったりする。

しかしそこは『モータースポーツに関心がないカップルが見ても楽しめる青春映画に仕立てた』という監督のコンセプト通り、あえてツッコまないのが正解。

いつか日本のラリーやモータースポーツ界が文化と市民権を得、この映画の中で描かれているような素晴らしい盛り上がりを見せて欲しい! という、羽住監督や原作者・作り手の願いがこもっている、と私は思う。

モタスポファンの我々からすると『え?』と思うような場面も、エンターテインメントとしてただ、楽しんでみよう。

「Over Drive」は彼女と一緒に観よう!

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画像情報:ぱたくそ

今まで数知れないモタスポ野郎が、F1やレースの映画を彼女に見せて、途中で『つまんない!』と言われてきた事だろう。

しかしこの「Over Drive」は、モタスポに興味のない彼女に『絶対楽しいから!』と約束出来る映画だ。

何より羽住監督自身が『マニアックな内容では共感を得られない。セリフに専門用語を使わず、余計な説明も加えない。モータースポーツに関心がないカップルが見ても楽しめる青春映画に仕立てた』と言っているのだから。

ラリーを知らない人も楽しめるよう、劇中では車のパーツや、ラリーの進行についての説明がさりげなくされている。

あ、もちろん、女性がひとりで、東出・新田ら、イケメン出演陣の肉体美を堪能するために観るのもアリ。

とにかくカッコイイ男たちの、決して諦めない闘いがみられる、スカッと爽快なスポコン映画だ。

Over Driveを見る前に知っておきたいラリーの知識

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画像情報:Pixabay

一般向きの映画とはいえ、映画を見る前にラリーについて少しだけ知っておくと 、何倍も楽しめる。

レースとの違い

サーキット(周回路)を多数の車が同時に、何周も走行するレースと異なり、一般道に設定されたSSと呼ばれる長いコースを、1台ずつ走行し、そのタイムの合計で順位を決めるのがラリー。

また、同じコースを何十周も周回するレースは一人乗車で戦うが、ラリーはブラインドカーブや一歩間違えれば転落というような危険なコースを長く走る為、コ・ドライバーと言われる選手が助手席に乗車し、コースの状況をドライバーへ伝える大切な役割を担う。

タイムアタックの前に「レッキ」と呼ばれる事前試走があり、ここでコースの形状や特徴を示す「ペースノート」を作るのがコ・ドライバーの仕事。

そして本番では助手席のコ・ドライバーが読み上げるペースノートを頼りに、ドライバーはタイムアタックを行うのだ。


↑コ・ドライバー同乗でのWRCのラリー走行

全日本ラリー選手権は、基本的に土日の2日間を使って行われ*2約20カ所に及ぶSSを順番に走行する。

Over Driveに登場する架空の選手権SCRSは、3日間のスケジュールが組まれている。

各大会では順位に応じてチームにポイントが与えられ、年間13戦で獲得したポイントの合計で総合チャンピオンが決まるのである。

整備に時間制限がある


↑「Over Drive」に全面協力しているToyota Gazoo Racingの車両整備プロモクリップ

劇中の見せ場である整備の場面。

激しいオフロード走行でマシンは傷付き、ボロボロになって帰ってくるが、レースとは異なり、車両整備には制限時間が課されるのだ。

制限時間は大会により異なるが、WRCの場合、通常は朝のスタート前に15分、日中に30分、そして夜に45分と合計たったの1時間半しかない!

 制限時間をオーバーすると、ペナルティが課され、順位を大きく下げてしまう。

どのチームも同じ制限時間が課されるため、より短い時間で高度な修復作業が出来るかが、チーム総合力の差となる。

劇中で篤洋率いるスピカのクルーが、ボロボロに傷付いたマシンを驚きの早さで走行可能な状態に修復する場面が何度も登場するが、これは決して映画の中だけの過剰演出ではない。

実際のラリーでは、足回り交換をわずか15分程度で済ませてしまうというのだから、本当にすごい世界だ。

ラリーおたくへひとこと注意

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画像情報:pxhere

こうした知識を、映画を見ながら彼女に教えてあげると、彼女はさらにモタスポに興味を持つかもしれない。

ただし、知っているばかりに伝えすぎに注意!
聞かれていないのに知識をベラベラ話して、ウザがられないようにしよう。

ちなみに私は嫁と一緒に視聴したが、嫁の方から次々とラリーのルールについて聞いてこられ、実はラリーにあまり詳しくない私はタジタジだった。

映画を観終わった後、この記事を書くにあたってラリーについて改めて勉強したのは言うまでもない…

車が特別好きではないウチの嫁だが、この映画は存分に楽んだと言ってくれ、私の目論見は大成功だった。

近い将来、嫁と一緒にラリー観戦に行けそうだ。

Over Driveでラリー人気の向上に期待!

WRC北海道が開催されなくなって久しい、日本のラリー界。

陰りが見えるのはラリーだけではない、日本のモータースポーツ界全体に、’90年前後のバブル期のような活気がずっと戻らない。

ル・マンで日本人がトヨタに乗って優勝しても、佐藤琢磨がインディ500を制しても、モータースポーツの知名度は依然として向上しない。

しかし、この映画でそんな日本のラリーが、モータースポーツ人気が、少しでも盛り上がって欲しい。 

熱心なファンを満足させるマニアックな映画だけでなく、この映画のように普通の人をモタスポに振り向かせる作品も、どんどん増えて欲しいと思う。


レンタル500円 アマゾンプライムビデオ OVER DRIVE

*1:ラリーがカーレースより安全であるという意味ではない。年々安全性が増してきているとはいえ、全てのモータースポーツには危険が伴う。映画「RUSH」のような怖い場面が「Over Drive」にはないため、安心して見られる、という意味である

*2:一部金曜日も実施するラリーも有り

2018F1総括&シーズンオフをどう楽しむ? お勧めのF1ビデオやゲームも

2018年全21戦を終了したF1はシーズンオフに入り、シーズンの振り返りや、ニューマシンについての憶測などの情報が流れている。

この記事では2018シーズンを軽く振り返り、来期開幕までのシーズンオフの楽しみ方についてまとめてみた。

2018年F1総括

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開幕戦オーストラリアGPの予選終了時のTOP3マシン

画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

2018年のF1は3月25日のオーストラリアGPで幕を開けた。

まずは2017シーズンからの変更点を幾つか挙げる。

2017年からの変更点

HALOの装備

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

長年見慣れたF1マシンの外観を大きく変えてまで安全を優先したこの装備。

ベルギーGPのルクレールのように、HALOのおかげでドライバーが事なきを得た事例もあり、一定の評価を得た。

しかし、アブダビGPでのヒュルケンベルグのクラッシュなど、HALOがドライバーの迅速な脱出を妨げたのではないかと思える事例もあり、まだ改善の余地があるだろう。

年間21戦

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

2016年と並んで最多タイの、21戦が組まれた過密スケジュール。
7月には何と4回ものF1が開催され、4月・9月・10月には3回のスケジュールが組まれた。

ちなみにハースF1チームの代表は年間23戦まで開催可能だと言い、F1のオーナー企業であるリバティ・メディアはなんと25戦! 程度まで増やしたいと公言しているそうだ。

私がF1を見始めた’90年代は長らく年間16戦で固定されていた。

沢山レースが見られるのはファンの立場からは歓迎だが、レース数が際限なく増えれば、小規模チームは資金面で苦しくなるに違いない。

それと我々日本のF1ファンにとっては、あまりレース数が増えると秋の日本GPでのチャンピオン決定が見られなくなる*1

レース数が増えるのも一長一短である。

マクラーレンとトロロッソのPUトレード
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PUをトレードした2チーム

画像情報:スクーデリア・トロ・ロッソ - Wikipedia マクラーレン - Wikipedia

2015年以来の3シーズンの不振から、マクラーレンがPU*2をホンダからルノーへスイッチ。

これに伴い、ホンダはレッドブルのジュニアチーム、トロロッソへPU供給する事になった。

果たして、このPU交換の結果はどう出たか?

マクラーレンが62ポイント獲得でコンストラクターズ6位、対するトロロッソは33ポイント獲得で9位と、マクラーレンに軍配が上がった。

メディアの批評では、同じルノーエンジン搭載のルノーワークスやレッドブルと比較して離された、だからこのPUスイッチは失敗であった、と言われている。

だが客観的に見ると、2017シーズンの9位から3ランクアップ出来たのだから、このPUスイッチはとりあえず成功だったのではないか? と私は思う。

確かにチャンピオン経験者のアロンソが一度も表彰台に登れず引退するのは、残念であったが。

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一方、唯一のジャパンパワーという事で日本のファンから期待されたトロロッソ・ホンダは、 第二戦での4位入賞や、地元鈴鹿の予選での6・7番グリッドの確保といった見せ場を作ったものの、マクラーレンと比べシーズンを通じて安定感を欠いた。

来季2019シーズンは親チームのレッドブルもホンダを積む。
2チームへPU供給しながらも、信頼性向上とパワー追及を両立させられるだろうか? 

2018年F1のチャンピオン争い

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ビギナーの方のために少し説明すると、F1は年間21戦で争われ、各グランプリの成績に応じてポイントが与えられる。

その合計ポイントを集計し、シリーズのチャンピオンを決めるシステムとなっている。

年間タイトルには、ドライバー個人の成績で争うドライバーズタイトルと、各チーム2人のドライバーの成績を合わせたチームの順位を競うコンストラクターズタイトルの2つがある。

さて、過去最多タイの21戦で争われた2018シーズンのタイトル争い。

序盤は、開幕2連勝を遂げたフェラーリのセバスチャン・ベッテルをメルセデスのルイス・ハミルトンが追い、そこにレッドブルのダニエル・リカルドが食らいつく展開。

ところが第7戦カナダ以降、リカルドが失速しチャンピオン争いから脱落、また安定感を欠くフェラーリ・ベッテルをメルセデス・ハミルトンが逆転する。

チャンピオン獲得回数4回で並ぶこの二人のどちらが、歴代2位タイ*3となる5回目の王座を獲得するかに注目が集まった。

シーズン後半、第14戦イタリアGPから17戦日本GPまでハミルトンが4連勝を挙げ、第13戦ベルギーGPを最後に勝てなくなったベッテルを、一気に突き放す。

そして、シーズン終了まで2戦を残したメキシコGPで、ハミルトンが2年連続5回目のドライバーズチャンピオンを決めた。

終わってみれば2位のベッテルより6回も多い優勝、88ポイントもの大差を付けてぶっちぎりでのタイトル獲得となった。

コンストラクターズもメルセデスが獲得。
これでメルセデスは2014年以来5連覇となり、フェラーリの持つ最多連覇記録まであと1回に迫ったのだ。

ベテラン勢の奮闘

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

2018シーズンに参戦したドライバーのうち、優勝したのは以下の5人。

  • ルイス・ハミルトン(11勝)
  • セバスチャン・ベッテル(5勝)
  • マックス・フェルスタッペン(2勝)
  • ダニエル・リカルド(2勝)
  • キミ・ライコネン(1勝)

このうちハミルトン、ベッテル、ライコネンの3人が、’00年代のデビュー、30代だ。

フェルスタッペンとリカルドは’10年代のデビュー、20代。

ドライバー全体で見ると世代交代が進んでいるのだが、優勝やチャンピオン争いとなると、F1界に10年以上生き残っている3人のベテランの奮闘が光っている。

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アロンソ引退

前述のように、17シーズンの長きに渡ってF1に参戦し続け、2度のチャンピオン獲得を誇る、マクラーレンのフェルナンド・アロンソが、2018年限りでそのF1キャリアに終止符を打った。

ライコネンに次ぐ現役2番目の年長者で、伝説のミハエル・シューマッハの全盛期にライバルとして闘ったドライバーの最後の1人であった。

F1解説で片山右京氏が何度もそう言っていたように、まだまだ活躍出来るレジェンドがF1を去るのは寂しい限り。

特に私のように、’90年代からF1を見ていたがここ数年ブランクがあって、今年からF1観戦を再開した者にとっては、なじみの顔ぶれが数えるほどしかいなくなってしまい、とても残念だ。

しかし世代交代は世の常、F1の常。

F1引退後は他のカテゴリーへの挑戦を決めているアロンソの、次なるステージでの活躍に期待したい。

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注目の若手

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そんな中、ライコネンとわずか2ポイント差のランキング4位を獲得したフェルスタッペンは、なんとまだ21歳!

今年はベッテルやハミルトンの若い頃を彷彿とさせる、大胆な走りで先輩ドライバー達を何度も抜き去り、優勝2回を含め、9度の表彰台(3位以内)をもぎ取った。

その恐いものなしの攻撃的な走りは時に接触を招き、順位を落とす事も多く、危険なドライバーとも言われている。

だが、昔のシューマッハやセナなど、若くしてチャンピオンを獲得したドライバーは皆、そう言われた時期があった。

同じくレッドブルに乗って今季2度の勝利を挙げたチームメイト・リカルドが来季移籍するルノーは、今季優勝がなく、今までのような活躍が出来るかは未知数。

となるとフェルスタッペンは、現在F1の抑制力となっているハミルトンとベッテルが引退する、近い将来のチャンピオン候補の筆頭だ。

いや、フェルスタッペンの年齢を考えると、ハミルトンやベッテル、ひいてはシューマッハを上回るドライバーに成長する可能性もあるだろう。

F1シーズンオフの楽しみ方

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さて来季の開幕戦である2019年3月17日まで、F1だけでなくレース業界は長いオフシーズンに入る。

昔のようにオフシーズンに頻繁にテストがあるわけではなく、暫定ではあるが全チームの来季シートは決まっている為、ストーブリーグ*4の話題もない。

TV放送もサーキット通いもしない冬の間の、レースファンの楽しみについて考えてみた。

F1総集編

昔は毎年年末に、フジテレビの地上波でF1の総集編を放映しており、これを見るのが楽しみだったが、放映されなくなって久しい。

フジテレビNEXTに加入している人は、以下のスケジュールで放映が予定されている。

2018年12月23日(日) 19:00~22:00 / 31日(日) 10:10~13:10 (再放送)

しかし私のように、有料のCS放送であるフジテレビNEXTに加入していないF1ファンも大勢いる。

そんな我々にオススメなのが、FIA公認の総集編のブルーレイ/DVD版だ。

2019年1月21日に発売予定の”2018 FIA F1 世界選手権総集編”は、FIA公認版ならではの、TV中継では観られない独自映像が満載。

以下、Amazonの商品紹介文より引用:

王座奪還に燃えるフェラーリ、ヴェッテルが先制をしかける レッドブルもタクティクスを駆使し、表彰台の頂点をつかみ取る。 しかし、チャンピオンに死角はなかった。ライバル達の必死の 反抗を抜群のレスポンスで跳ね返してみせた メルセデス、最強のチーム。ハミルトン、最強王者の道を行く トロロッソと組んだホンダ。若きガスリーが躍動、苦難の道程も確かな前進をみせた。 輝く才能フェルスタッペンは再び、躍動。 アイスマン、ライコネンは5年ぶりの勝利を手にした。 そして栄光と苦闘の18年、2度の王者、32勝、今なお最強の F1ドライバーと言われるアロンソがそのキャリアに終止符を打った。 マン&マシンの進化は止まらない。偉大なレースは史上最高の興奮を生む。フォーミュラワンは新たなステージへ歩んでいく

2018 FIA F1 世界選手権総集編は現在、アマゾン・楽天サイトで、予約注文受付中だ。

Amazon 2018 FIA F1 世界選手権総集編

楽天市場:2018 FIA F1 世界選手権総集編

ゲーム

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画像情報:Pixabay

寒い冬の間は、 暖かい家でコタツに入ってゲームはどうだろうか?

今のゲームは大変リアルになっていて、YouTubeにあげられているゲーム動画は実際のレース画面と見間違うほど。

シーズン中に目にしたレースに、オフシーズンには参加してみるのはどうだろう。

プレステ4用のオススメゲームを二つご紹介する。

グランツーリスモスポーツ

ハコ車レースゲームの名作、グランツーリスモシリーズの最新作。

世界でもっとも高品質、高精度なモデリングで製作されたマシンのグラフィックは実車そのものと言っても過言ではないクオリティ。

しかもこのグランツーリスモスポーツの制作には元F1レーサーの小林可夢偉選手が関わっており、マシンバランス、アクセルオンの際のマシン挙動、コックピットからのステアリングの見え方等大変リアルに仕上がっている。

また、何とF1王者ルイス・ハミルトンもドライビング・メンターとして、このゲームのテクニックを伝授。

コースはF1で使用されている鈴鹿やモンツァなど、12の実際のサーキットを収録しており、さらにオンラインで世界中のプレイヤーと通信対戦が出来る。

まさにF1・モータスポーツファン涎垂の1本だ。

アマゾン グランツーリスモSPORT リミテッドエディション 【早期購入特典】ボーナスカーパック (3台) DLCコード封入 - PS4

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F1 2018 

ユービーアイソフトから毎年リリースされるFIA公式のビデオゲームの最新版。

2018年シーズンのすべての公式チーム,ドライバー,サーキットが登場。

このゲームの面白いところは、単にサーキットを走行するだけでなく、レーシングドライバーとしてF1を戦っていく”キャリアモード”。

これは例えばゲーム中にメディア対応といった場面が登場、慎重派としてコメントするか、攻めたコメントをするか、そういった部分でキャリアが左右されるという、大変興味深いもの。

また、燃料やブレーキバランス、デフのバランス、ERS(ハイブリッドパワー)のモード変更など、多岐に渡るセッティングが可能。

プロのレーサーの中には、なんとこのゲームのセッティングを実戦のマシンセッティングの参考にしている選手もいるそうだ。

ゲーム画面がいかにリアルか、ザウバーF1のシャルル・ルクレール選手がプレイする動画を見て確かめてみよう。

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プラモデル制作

私も子供の頃、タミヤのF1プラモを何台か購入し制作を楽しんだ。

しかし、仕事を持つ大人がF1シーズン中に、21戦の過密なTV観戦に追われながらプラモデルを組み立てるのは、なかなか難しいかも知れない。

そこで、TV放映の終わったオフシーズンにF1プラモを購入し、シーズン開幕を待ちながら、じっくり制作してみるのはどうだろう?

タミヤからは2018モデルの発売はまだなく、ここに紹介するフェラーリSF70Hが、タミヤの1/20F1シリーズの最新モデル。

2018年のフェラーリと同じベッテル・ライコネンのコンビで2017シーズンに活躍したマシンだ。


アマゾン タミヤ 1/20 グランプリシリーズ フェラーリ SF70H

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自分で組み立てるのが面倒で、完成品が欲しいという場合、タミヤではないが、他社でこんなモデルも。

今季チャンピオンのルイス・ハミルトンが2016年に乗っていたメルセデス、上記タミヤより一回り小ぶりな1/43モデル。


アマゾン ブラーゴ 1/43 メルセデスF1 ハミルトン

イベント

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画像情報:フォト蔵

家でゲームやビデオ鑑賞、プラモデル組み立てなどをしていると、そのうちサーキットへ行きたくてウズウズして来るかも知れない。

じつはレースのないオフシーズンにも、国内各所のサーキットで多数のイベントが開かれる。

そのうちの一つが、スズカサーキットファン感謝デー。

2019年シーズン開幕直前の、3月2日(土)3日(日)に予定されているこのイベントには、2017年のインディ500で佐藤琢磨選手が日本人初優勝を遂げたマシンがやってくるそうだ。

毎年このイベントには、ヒストリックF1マシンやグループCカーのデモ走行、GTカーやスーパーフォーミュラのデモレースなど盛りだくさんのイベントが開かれる。

そして入場は何と無料*5

F1・モータースポーツをまだ知らない家族・恋人・友人をはじめて誘うにもうってつけのイベントだ。

今からスズカサーキットファン感謝デー参加の計画を立ててみるのも、楽しみになるだろう。

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*1:実際2018シーズンもチャンピオン決定は鈴鹿の後の第19戦メキシコGPだった。2011年以来、鈴鹿でチャンピオンは決定していない

*2:パワーユニット、エンジンの事

*3:チャンピオン獲得回数歴代1位はミハエル・シューマッハの7回、2位はファン・マニュエル・ファンジオの5回

*4:シーズンオフの冬の間に起きる、次のシーズンのシート争いの事

*5:スズカサーキットHPより招待券のDLが必要

F1引退のアロンソと可夢偉が同一チームから参戦のデイトナ24時間とは?

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デイトナ24時間で同一チームから参戦する事になったアロンソ・可夢偉

画像情報:
File:Kamui Kobayashi 2010 Malaysia.jpg - Wikimedia Commons
File:Alonso 2016.jpg - Wikimedia Commons

21戦のF1GPが全て終了しオフシーズンに入った2018年11月末、ひとつの楽しみなニュースが入ってきた。

それは、F1最終戦アブダビGPをもって引退したばかりのフェルナンド・アロンソと、日本人元F1ドライバー小林可夢偉が、2019年1月に行われる伝統の”デイトナ24時間”レースに同一チームから参戦決定! というもの。

そこで、

  • デイトナ24時間とはどんなレースなのか?
  • デイトナが組み込まれるWSCCとはどんな選手権?
  • アロンソ・可夢偉それぞれのこれまでの経歴は?
  • 二人が所属するウェイン・テイラー・レーシングとはどのようなチームなのか?
  • 総合優勝の可能性は?

といった点について、この記事でまとめてみた。

デイトナ24時間とは?

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

デイトナ24時間レースとは、アメリカのフロリダ州デイトナにあるデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで毎年1月の最終週に開催される耐久レース。

1台につき3人ないし4人のドライバーが交代で、24時間を走り抜ける。

ル・マン24時間レース、スパ・フランコルシャン24時間レースの2レースとあわせて「世界三大耐久レース」とも呼ばれる有名なレースだ。

私個人的には、ル・マンやF1と比べると、デイトナは昔地上波でのTV中継がほとんどなかったため、このレースについてあまり知らずにいた。

調べてみると、1992年にNISMOチームが日産R91CPで参戦、長谷見昌弘、星野一義、鈴木利男のドライブで総合優勝を飾っている。

そいえば当時中学生だった私は、小遣いで毎号買っていたオートスポーツ誌の紙面でこの快挙を知った、という事をおぼろげながら思い出す。

ル・マンでの日本人トリオの優勝というのはまだない。 
そういう意味で古い日本のモータースポーツファンにとっては、なじみのあるレースなのだろう。

デイトナ24時間のコース

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

デイトナ24時間が行われるコースは、どのようなレイアウトなのか?

この図を見て分かるように、同じ24時間レースが開催されるニュルブルクリンクやル・マンのサルテサーキットと比べて、非常にシンプルな高速レイアウト。

それもそのはず、1959年から使用されているアメリカ屈指のこのコースは、普段はNASCARのレース場としてオーバル*1で使用されているのだ。

デイトナ24時間開催時は、バックストレッチに減速のためのシケイン(上記コース図の⑧~⑪)が設けられ、インフィールド・セクション(上記コース図の①~⑥の部分)も走行する。

それでもトップカテゴリの最高速は315km/hに達する。

ル・マンよりドライバーに掛かる負担が大きいサーキットということで、4人目のドライバー登録も認められている(ル・マンは3人)。

WSCCとは?

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画像情報:IMSA WeatherTech SportsCar Championship | #32 United Autospo… | Flickr

デイトナ24時間レースはWSCC(ウェザーテック・スポーツカー選手権)というシリーズの開幕戦となる。

WSCCはアメリカのレース団体、IMSA(International Motor Sports Association)の主催するシリーズで、2019年は1月24~27日のデイトナ24時間を皮切りに、北米を転戦する全12戦で争われるもの。

各レースによって出場出来るカテゴリが多少変わるが、デイトナに関してはDPi/LMP2/GTLM/GTDの4クラスが参戦可能。

アロンソ・可夢偉が載るウェイン・テイラー・レーシングは、このうちDpi(デイトナ・プロトタイプ・インターナショナル)規定のエントラントだ。

Dpi規定とは?

Dpi車両の一例↓

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画像情報:Daytona 24, 2017 - #5 Mustang Cadillac DPi VR - Barbosa, A… | Flickr

DPiのベースは、ル・マンやWECに参戦しているLMP2シャシー。

そのLMP2のシャシーは、主催団体が認定するシャシー・コンストラクター4社(ダラ、オンローク/リジェ、オレカ、ライリー/マルチマチック)のみが供給可能であり、DPiもそうなる。

ではLMP2とDpiの違いは何か?

まずエンジン。
LMP2は英国ギブソン社製V8エンジンのワンメイクだが、DPiは自動車メーカーが自社製のエンジンを搭載可能である。

ボディカウルも異なる。
LMP2は、ACOとFIA認定のコンストラクターが製造したボディカウルをそのまま使わなければならないが、DPiは、ノーズ、サイドポッド、リアホイールアーチおよびリアヴァランス(リアバンパー下部のこと)のスタイリングを、自由にアレンジ可能。

要は、LMP2と比較しDpiは同じシャシーでも各チームによって多様性が出せるような規定となっているわけだ。

性能調整

LMP2車両の一例↓

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画像情報:IMSA WeatherTech SportsCar Championship | IMSA WeatherTech S… | Flickr

上記の2規定、LMP2とDpiクラスはいずれもデイトナ24時間の総合優勝を争える。

しかし、改造度が自由なDpiの方が有利なのではないか?と思うだろう。

これに関して、主催するIMSAは、エントラントに風洞試験を受けさせ、空力バランスによって性能を調整し、どちらのクラスも総合優勝を争えるようにしているそうだ。

フェルナンド・アロンソの経歴

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画像情報:Pixabay

2018年のアブダビGPをもってキャリアを閉じたばかりのフェルナンド・アロンソは、言わずと知れた2度のF1チャンピオン。

2005年にそれまで5年連続チャンピオンだったミハエル・シューマッハを破って初の年間王者を獲得。

翌2006年も2年連続でチャンピオンとなった。
年間チャンピオン連覇を成し遂げたのはアロンソを含めこれまでF1の歴史の中で9人しかいない。

苦節の年月

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画像情報:#14 Fernando Alonso | 2017.10.6 F1 Rd.16 Japanese GP SUZUKA … | Flickr

2度もシューマッハを破って王者となったアロンソは当時まだ25歳、その後もチャンピオン獲得を重ねるものと誰もが思った。

しかしその後、マクラーレン、ルノー、フェラーリ、とチームを渡り歩くが、強力なライバルであるハミルトンやベッテル、ライコネンとの闘いで、わずか数ポイント差でチャンピオンを逃す事3回。

2015年、新規一転を図ってホンダと組むマクラーレンに移籍。

ところがこの選択は、F1というのは個人の力だけではどうにもならないスポーツだという事を実証するものになってしまう。

どうにも調子の上がらないマクラーレン・ホンダとの3年間に苦しみ、しびれを切らしたチームがエンジンをルノーにスイッチするも、目立った変化はなかった。

フェラーリ時代の2013年に記録した最終勝利以来、不名誉にも世界チャンピオンが5年間未勝利のまま、とうとう2018シーズンをもって、アロンソは引退を決断したのだった。

ル・マンでの勝利!

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

そんなマクラーレンでの悶々とした日々で溜まったフラストレーションは、アロンソの関心をF1以外のレースへと向けた。

まず2017年にアメリカモーターレーシングの最高峰、インディ500に参戦。

アロンソのチームメイト、佐藤琢磨が日本人初優勝を遂げたことで話題となったこのレースだが、アロンソも度々レースをリードしたのだ。

結果はマシントラブルでリタイアに終わったが、善戦したアロンソはルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。

さらに2018年にはF1と並行してTOYOTA Gazoo RacingよりWECにフル参戦する。

WECの1戦であるル・マン24時間では、中嶋一貴、セバスチャン・ブエミと組み、総合優勝を遂げたのは我々の記憶に新しい。

これは’91年のマツダ以来27年ぶりの日本メーカーチームの総合優勝であった。

既にF1モナコGPとこのル・マンに勝利したアロンソ、近い将来インディ500で優勝すれば、世界3大レース制覇*2の偉業達成となる。

2019シーズンのアロンソはデイトナ24時間に加え、インディ500への参戦も発表しており、それが現実となるのか、注目だ。

小林可夢偉の経歴

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

小林可夢偉選手は、我々の記憶に一番新しいF1ドライバーだ。

2009年シーズン終盤にF1デビュー、以来2014年までの4シーズンに渡ってF1に参戦。

2015年以来F1シートを獲得出来ていないが、可夢偉に代わる日本人F1レーサーもまだ誕生しておらず、現在まだ32歳の可夢偉自身も、まだ復帰のチャンスを窺っていると思われる。

可夢偉選手のキャリアのハイライト:2012年日本GP


2012年、F1フル参戦3年目を迎えた可夢偉の乗るザウバーは、低予算なプライベートチームでは髄一の速さを見せた。

第3戦中国GPではファステストラップ、第12戦ベルギーGPでは予選フロントロウを獲得。

そして迎えた第15戦鈴鹿にて、鈴木亜久里氏以来22年ぶりの日本人母国GP表彰台を獲得したのだ。

F1シート喪失後も国内外で活躍を続ける可夢偉選手

2015年にF1シートを完全に喪失してしまった可夢偉選手だが、その後も国内外のレースで活躍を続けている。

国内ではフォーミュラの最高峰SFには2015年から連続参戦、2017年からはレクサスを駆ってスーパーGTにも参戦。

またフォーミュラEへのスポット参戦や、ル・マン24時間(総合2位を2回記録)を含むWECへの参戦など、フォーミュラ・ハコ車・プロトタイプと車種を問わずマルチな活躍を見せる。

小林可夢偉選手が出場した鈴鹿10耐の観戦記はこちら↓

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二人が所属するウェイン・テイラー・レーシングとは?

そんな二人の元F1レーサーが、デイトナ24時間レースで所属する事になる、WSCCのウェイン・テイラー・レーシングとは、どんなチームなのか?

ウェイン・テイラー・レーシングはル・マンやIMSAで活躍した元レーシングドライバーのウェイン・テーラー氏が率いるアメリカのチーム。

耐久レースで活躍したレーサー、マックス・アンジェレッリ氏が共同オーナーを務める。

デイトナ24時間には2011年から参戦、2017年にはキャデラック・DPi-V.Rで優勝を成し遂げている強豪チームだ。

これは、その2017年にデイトナ24時間優勝を遂げたマシンをドライバーのジョーダン・テイラー氏が紹介している動画。

 

2019シーズンも、引き続きキャデラック・DPi-V.Rを使用し、コニカミノルタのスポンサードを受けてWSCCに参戦する。

可夢偉とアロンソの名は、チームメイトとなるレンガー・バン・デル・ザンデ、オーナーの子息ジョーダン・テイラーとともに、既に同チームHPのドライバーラインナップに掲載されている。

チームオーナーのコメント

オーナーのウェイン・テーラー氏は、今回の二人の元F1ドライバー獲得に関し、次のようにコメント。

「フェルナンドと可夢偉、ふたりはF1だけでなく、スポーツカーのドライバーとして世界トップクラスのレベルの持ち主だ。そのため今回の契約をまとめるには多くの時間を要した。しかし、それをすべて終えた今、実現に向けて協力してくれたみなさんに感謝したいと思っている。

フェルナンドは昨年、実際にデイトナをドライブしており心配していない。また、可夢偉もスーパースタードライバーのひとりであり、すぐにデイトナを理解できるだろう。

我々は、今回追加されたふたりのドライバーを効率的かつ、チームを成功に導くためのプログラムの計画を立てている。私はまず、その第一歩を無事に実現させることができたことを心から喜び、ふたたびデイトナに行くのが待ちきれないんだ」

アロンソ選手のコメント

「デイトナ24時間レースは間違いなくアメリカと世界のモータースポーツにおける最高のレースのひとつです。昨年はブレーキの問題が発生して表彰台は叶わかなかったものの、多くのことを学びました。

私は世界で最も偉大なレースのひとつに勝ちたいという野望に満ちています。2019年の最初のレースをコニカミノルタ・キャデラックのチームメイトと戦うのが待ちきれません」

可夢偉選手のコメント

「人気のある耐久レースのひとつであり、2017年に優勝したチームでデイトナデビューを果たせることに非常に興奮しています。これは私の米国での最初のレースであり、コニカミノルタ・キャデラック・チームとともに良いレースができることを楽しみにしています」

コメントの引用元:
https://www.as-web.jp/f1/434780?all

https://jp.autoblog.com/2018/11/27/24-wtr-10/

アロンソ・可夢偉のデイトナ24時間での活躍の見込みは?


2017年デイトナ24時間でのウェイン・テイラー・レーシング優勝の瞬間

前述のように、ウェイン・テイラー・レーシングは2017年に同じキャデラック・DPi-V.Rでデイトナ24時間を制しており、その時のドライバーの一人、ジョーダン・テイラーは今回の2019年のデイトナにも参戦する。

もう一人のドライバー、レンガー・バン・デル・ザンデも、IMSAシリーズで過去9勝を記録している実績十分の選手。

これに一発の速さがあるF1経験者のアロンソ・可夢偉を加えたウェイン・テイラー・レーシングは、今回も優勝候補と言えるに十分であろう。

ただ、勝負は時の運。
他にも同じキャデラック・DPi-V.Rを使うチームが参戦するのに加え、LMP2クラスの多数のライバルも手強い。

それらのライバルを退けて可夢偉・アロンソがチームメイト2人とともに、表彰台の中央に立つ姿が見られるだろうか?

2019年1月24~27日に行われる伝統の”第57回デイトナ24時間レース”、そして、それに先立つ1月4~6日に現地で行われる公式テスト”ロア・ビフォア・ロレックス24”に注目だ。

*1:楕円形のコース。F1が開催されているようなロードコースと異なり、単純なレイアウトでコーナーには傾斜が付けられ、大変にスピードが乗る。

*2:今のところこの3大レースを全て制したのは1972年に達成したグラハム・ヒル(デーモン・ヒルの父)ただ一人。現役レーサーでリーチを掛けているのはアロンソ以外にファン・パブロ・モントーヤがいる

9年ぶりにウィリアムズからF1復帰!のロバートクビサってどんな選手?

さて2018F1シーズンも残すところ今週末の最終戦、アブダビGPのみとなった。

この時期にはほとんどのチームの来期シートは埋まっているのだが、ウィリアムズのシートは未定であった。

そこに飛び込んできた今回のニュース。

11月22日、アブダビGPのグランプリウィーク木曜日に、ウイリアムズF1チームは2019年、ルーキーのジョージ・ラッセルとベテランロバート・クビサという新体制でシーズンに挑む事を発表した。

最近のF1からなじみのある名前がすっかりいなくなってしまったと嘆く、私のようにブランクのあるF1ファンにとって、クビサの復帰はとても喜ばしい。

しかし新しいF1ファンは、久々の復帰となるクビサの事を知らない方も多いだろうから、彼のプロフィールやこれまでの経歴、所属チームのウィリアムズについてまとめてみた。

ロバート・クビサのプロフィール

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画像情報:ウイキペディアより

フルネームは、ロバート・ヨゼフ・クビサ。

ポーランド出身、身長183cm、体重72kgという大柄なドライバー。

1984年生まれの33歳(2018年11月現在)と、’06年デビューにしては、意外と若いなと驚いたのだが、調べてみるとデビューが21歳と若かったためだ。
デビュー当時から頭が薄かったので、調べるまでそんなに若くしてデビューしたとは知らなかった。

’00年代からF1参戦しているドライバーは、ベッテル(31歳)、ライコネン(38歳)、グロージャン(32歳)、アロンソ(37歳)の4人のみ。

今年限りで引退を表明しているアロンソと入れ替わりでF1へ戻る、ベテラン選手となる。

F1での成績(2010年まで)

優勝1回

ポールポジション1回

通算獲得ポイント273

上記成績から分かるように、華々しい活躍はないが、着実にポイントを重ねる堅実なタイプ。

特に開発能力の高さで知られ、テストドライバー経験も豊富。

ロバート・クビサの経歴

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画像情報:Wikipedia Commonsより

弱冠21歳でのデビュー

2006年、BMWサウバーの第三ドライバーを務めていたクビサは、シーズン途中で正ドライバーのジャック・ビルヌーブが欠場し、チャンスが巡ってくる。

第13戦ハンガリーGPで、ポーランド人初のF1ドライバーとしてデビュー。

クビサが所属する、当時のザウバーチームは好調で、デビューから2戦後のイタリアGPで3位表彰台を獲得。
当時弱冠21歳のルーキーの速さに注目が集まった。

大クラッシュと奇跡の生還

ところが翌2007年、第6戦カナダGPで大変な大クラッシュを演じてしまう。

このクラッシュはマシンがモノコック部分以外粉砕するほどで、一歩間違えれば致命的な事故に至るところだった。

ところがこれほどの衝撃的な事故にもかかわらず、クビサは1戦欠場したのみで、 再びレースに復帰したのだ。

不死身のドライバー、という印象を決定づけた事故であった。

ベストシーズンの2008年

フル参戦2年目の2008年はクビサにとってベストシーズンとなる。

第3戦バーレーンGPで初ポール獲得、第7戦カナダGPで自身初、そしてザウバーチームにとっても初となる優勝をもたらす。

その時点でドライバーズランキングのトップに立ち、シーズン終盤までチャンピオン争いを演じた末、キミ・ライコネンと同ポイントのシリーズランキング4位を獲得。

才能が開花した一年であった。

F1シート喪失につながったラリーでの事故

2010年に心機一転、ルノーへ移籍し、まずまずの活躍を見せていたが、翌2011年のシーズン開幕前、趣味で参戦していたラリーでまた、大クラッシュを喫する。

クビサの事故のニュース報道↓

一時は右足切断も懸念されるほどの重傷を負い、懸命の治療の結果、足の切断は免れたものの、 全治10カ月となり、F1シートを喪失してしまった。

リハビリの後、しばらくWRCへと活躍の舞台を移す。

テストドライバーからF1復帰へ

長年F1から離れており、事故の後遺症のため復帰は難しいと思われていた。

ところが2016年にルノーF1マシンをテストドライブ、また2018年は名門ウィリアムズF1チームのテストドライバー兼第三ドライバーとなる。

そして今回、母国ポーランドの石油会社PKN Orlenのバックアップを得て、来期2019年のウィリアムズの正ドライバーへと昇格したのだ。

2010年の最終戦アブダビGP以来、実に9シーズンぶりのF1復帰が叶った!

大丈夫?長いブランク後の参戦

ハイテク・ハイスピード化した現代のF1は、たった1年休んだだけでも復帰はかなり難しい。

復帰に成功したドライバーの例としては、ライコネンが挙げられる。 
しかしライコネンは、 2シーズンの離脱のみだ。

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ブランク後に復帰した他のドライバーの例としては、ジャック・ビルニューブ、ナイジェル・マンセル、ミハエル・シューマッハ、オリビエ・パニスの例があるが、いずれも復帰後の成績は振るわなかった。

クビサのように8シーズンの離脱後の復帰というのは、近年のF1ではルカ・バドエルの例がある。

しかしそのバドエルに至っては、9年のブランクでレース勘を取り戻せず、フェラーリを2レース連続最下位フィニッシュさせ、即交代という散々な結果に。

クビサも2018シーズン、テストドライバーとしてF1に乗り続けていたとはいえ、このブランクはかなりのハンデであろう。

それでも、私個人としては、’00年代から走り続けているなじみのドライバーのひとり、是非とも応援したい。

現実は相当厳しいとは思うが、ブランクを克服し、少なくともルーキーのチームメイト、ジョージ・ラッセルを上回る活躍を見せて欲しい。

所属チーム、ウィリアムズについて

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画像情報:Wikimedia Commonsより

F1界屈指の名門

ウィリアムズは1977年以来40年以上に渡ってF1に参戦を続けている名門チーム。

今は健康上の理由でほとんど現場に顔を出さなくなってしまったが、車椅子の闘将、フランク・ウィリアムズ氏が率いるチームとして有名だ。

現在のF1でウィリアムズより古いチームはフェラーリ、マクラーレンだけ*1

コンストラクターズタイトル9回(歴代2位)

ドライバーズタイトル7回

優勝回数114回(歴代3位)

という輝かしい成績を残してきた。

昔は常勝チームだった

特に’80~’90年代の黄金期にはピケ・マンセル・プロスト・ヒルjr・ビルヌーブjrといった偉大なるチャンピオン達を擁し、常に4強*2の1角を占めていた。

故アイルトン・セナが最後に所属したチームとしても有名。
当時のセナはマクラーレンという勝てるチームにいたのだが、もう一度チャンピオンを捕るにはウィリアムズへ行くしかない、という事で移籍したのだ。

その前任のプロストも、マンセルも、力のあるドライバーは皆、チャンピオンを手にするためにウィリアムズへと移籍した。

近年の低迷

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画像情報:Pixabay

ところがそんな名門チームが2000年代に入ってから低迷を続けている。

ドライバーズ・コンストラクターズともに1997年を最後に20年以上シリーズチャンピオンを獲得出来ていない。

2012年以来6年間勝利にも見放されており、2018年も最終戦を残して現在10位(最下位)、獲得ポイントはわずかに7ポイント。
チーム創設以来最低の成績に終わりそうだ。

この2018シーズンの低迷の理由として、ルーキーと参戦2年目の若手2人のドライバーラインナップだった事が、挙げられている。

来期は経験豊富なクビサが、ルーキーのジョージ・ラッセルを引っ張っていく、そんな役割が期待されるのではないか。

ロバート・クビサの来季へ向けての意気込み 

クビサは復帰の記者会見で次のように語っている。

『F1グリッドに戻ることはチャレンジングな旅路だった。ほとんど不可能だと思われたことだけど、今では可能だと感じ始めているし、自分が2019年にF1グリッドに並ぶと言えることに興奮している

簡単ではないだろうけど、ハードワークと献身を重ねて、(チームメイトとなる)ジョージと僕の二人でグリッドでの順位を上げられるようにチームを良い状態にするために協力していくつもりだ

来シーズンのF1グリッドに戻ることは僕の人生で最大の成果のひとつだし、ハードワークとコミットメントで一緒に良い結果を達成するためにチームにモチベーションを与える手助けができると確信している。改めて僕を信じてサポートしてくれた皆さんに感謝したい。やっとF1カーの戻れる。レースに戻るのが待ち切れない』

F1-Gate.comより引用

来期9年ぶりに復帰を果たすベテラン、クビサの挑戦は、どのような結果をもたらすのだろうか?

ウィリアムズの選択は、低迷するチームに浮上をもたらすのか、それとも?

記者会見後、アブダビGPの金曜フリー走行では、チームメイトのストロールから1秒半遅れを取る、最後尾タイムであった。

まずはアブダビGP後に行われるタイヤテストでのタイムに注目だ。

*1:メルセデスは1950年代に参戦歴があるが、その後2010年までの長い休止期間があるため、比較せず

*2:フェラーリ、ベネトン(ルノー)、マクラーレンとともに

新生鈴鹿10時間耐久レース!観戦レポート③決勝スタート~感動のゴール

2018年8月24~26日にかけて行われた、記念すべき”新生”鈴鹿10時間耐久レースについてのレポートの最終回。

これまで2回の記事を未読の方は、まずはそちらからどうぞ。 

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PPスタートのフェラーリがなんと! 

さてスタートしてしばらくは耐久レースとは思えない程、各所で順位争いがみられたのだが、トップの3台に関してはオーダー変わらず走行が続いていた。

#28黄色のフェラーリ、#888メルセデス、#27赤いフェラーリの順だ。

ところが、レース開始後1時間が経過した頃、トップを快走する#28黄色のフェラーリになんと、痛恨のドライブスルーペナルティ。

黄色のフェラーリは、フォーメーションラップをスタートする時にエンジンが掛からず、出遅れてしまう。
その際、メカニックがグリーンフラッグが振られる15秒前の退出期限を過ぎてもグリッド上でマシンの対応をしていた。

フォーメーションラップ中に前車を追い越してPPの位置にからスタート出来たのだが、結局メカニックの件がレギュレーション違反となり、ピットレーンを1回余分に通過しなければならないペナルティを食らってしまったのだ。

これで#28はトップ争いから脱落。

代わって2位につけた同チームの#27赤いフェラーリも、上位をキープしていたが、終盤にベントレーに激突され、下位に沈んでしまう。

真っ赤に燃えるメルセデスが見せ場を作る

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS (※10耐出場時の写真ではない)

序盤に見せ場を作ったのは、4番手スタートの#75 SunEnergy1 Racingのメルセデス。

ブルーのマシンのフロントとリアに燃え盛る炎が描かれたこのマシンは、バックストレッチで何度もサイドバイサイドのバトルを演じ、スクリーンに大きく映し出される。

アグレッシブな走りのおかげで、スタートから1時間、前車がピットインしたところでトップに浮上、毎時間ごとのトップ賞として賞金10万円を獲得した。

その直後にピットインを迎えるが、ピットアウト後も前を走るフェラーリを、ヘアピン~スプーンまでサイドバイサイドのバトルを繰り広げた末かわすなど、観衆を魅せる積極的な走りを続けてくれた。

ガレージから出られないロータス...

今回私が応援していた#2 CarsTokaiDream28のロータスエボラも、スタート前からずっとピットにこもったままだった。
朝のウォームアップ走行でコースアウトしてダメージを負ってしまい、その修復作業が続いていたのだ。

修理はフォーメーションラップにも間に合わず、ピットスタートも出来ず。
せっかくグランドスタンドでロータスのピット前に陣取ったのだが、スタートから1時間を過ぎてもグリーンのエボラはまだガレージの中。

なんとか少しでも走っている姿を見られるだろうか?

他に、応援していた2台のエヴァンゲリオンカラーのランボルギーニも、ペースが上がらず、他の車にかわされていく場面ばかりがスクリーンに映し出される。
なんとも残念である...

灼熱の天気に耐えかねて移動

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画像情報:Pixabay

さて今回、レース観戦は初めて、の嫁を連れて来たのだが、グランドスタンドはレースがスタートする頃から、影が自分達のシートより後ろへ後退していってしまい、真夏の太陽に照らされての観戦を強いられた。

今年、2018年の日本は記録的な暑さ、全国各地で連日40℃越えを記録している。
過去に何度か鈴鹿1,000kmを見に行った時は、夏の終わりのこのレース、暑さの盛りを過ぎていたのだが、今年は違う。

体感的に40℃の気温で、嫁と二人、ずっと無理をするわけにはいかない。

まず影が無くなったグランドスタンドをあとにして、最終コーナー・シケイン方面へ移動してみた。

シケインは昔、F1の時だけ仮設の高いスタンドが出来ていたのだが、今は常設で立派な2階建てスタンドがある。
以前ここはフェンスのすぐ前まで行くことが出来、マシンを目の前で見られてとても迫力があったのだが、常設スタンドからだとやや距離を感じてしまう。

しかし、高さがあるスタンドの2階席からだと、最終コーナーからホームストレートを立ち上がっていくマシン、逆バンクからデグナーへ飛び込んでいく部分も見られるため、レース展開が分かって面白い観戦席だ。

そしてもちろん、目の前のシケインへ飛び込んでいくマシンのハードブレーキングは迫力がある。
時にインに飛び込むマシンのサイドバイサイドのバトルも見られる、とても良い席なのだが、いかんせん屋根がなく、焼けつく暑さは変わらず、長くは滞在出来なかった。

リタイア第一号

シケインのスタンドから反対側の道路に目をやると、なんと、リタイアしたマシンが運ばれてくるところであった。

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このレースのリタイア第一号となったのは、ゼッケン42番 Strakka Racingのメルセデス。
優勝候補の1角であったが、マシントラブルでコース上で止まってしまった模様。

この車を含め、このレースでは参加35台中6台がリタイアとなった。
しかし10時間という長丁場で、リタイア6台のみというのは大変高い完走率である。

GT3という、マシンを購入して参戦出来るシリーズゆえの、信頼性の高さだろう。 

再びグランドスタンドの裏へ戻り、日陰で少し休むことにした。
現代の鈴鹿サーキットには、暑さをしのぐための様々な工夫があった。
通路にはミストが噴射され、大きな扇風機もあちこちに設置されている。

再スタート

しばらくグランドスタンド裏で休憩していると、突然、スタンドからマシンの爆音が聞こえて来た。

どうやらレースが再スタートし、全車一斉に加速したようだ。

2時間50分を迎えたところで、 #7ベントレーと、#58マクラーレンがクラッシュ!
マクラーレンがグラベルにはじき出され、処理のために全コースイエロー、すなわち追い越し禁止のスロー走行の指示が出された。

この間に多くのマシンがピットインを済ませる。

この時点でオーダーは
トップ#888メルセデス、
2番手#27赤いフェラーリ、
3番手#43メルセデス、の順。

21番手スタートのグッドスマイルは12位まで順位を上げていた。

事故車の処理が終わり、各マシンの間隔が詰まったところで、再びレーススタート!

耐久レースはスタートから時間が経つと、各マシンの間隔が空いてしまい、バトルが少なくなってしまうのだが、今回の鈴鹿10耐は、スタートが2度見れるというお得な展開であった。

しかし残念なことに、グランドスタンド裏で嫁と休憩していた私は、再スタートを見逃してしまったのだ。

爆音を聞いてすぐにグランドスタンドへ戻り、なんとかマシンが1周して戻ってくるところを見る事が出来た。
ホームストレートではまた、テールトゥノーズの激しいバトルが展開されていた。

応援していた88番のランボルギーニは、ここで追突され、またしてもピットインを余儀なくされてしまう。
なんとも不運なレース運びだ。

プールでリフレッシュ

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画像情報:Pixabay

相変わらず35℃の暑さにすっかり参ってしまったので、嫁と一緒に、鈴鹿サーキットのプール、”アクア・アドベンチャー”に行ってみる事にした。

プールの入園料は観戦券に含まれていないが、観戦券があれば割引料金(通常1,900円→1,300円)になる。

14時過ぎにプールへ入園。

夏休み最後の日曜日を迎えたこの日のアクア・アドベンチャーは親子連れで大混雑!
芋の子を洗うような光景、とはまさにこの事だろう。

プール内には2種類のスライダーがあり、かなり並んでいる。
2人同時に滑り、タイムを競うような仕組みになっていて、レース好きな子供達にはウケるに違いない。

またプール自体は流水式で、混んではいるが、自然に流れていくので、身動きが取れない、という事はない。
流れに身を任せて、リラックス…とまではいかないが、なかなか気持ち良い。

1時間ごとに、点検のために10分の休憩があり、全員上がらなければいけない。
17時でプール終了なのだが、その前の最後の1時間はかなり人数が減り、泳ぎやすくなった。

人で一杯ではあったが、一番暑い時期に冷たい水につかり、クールダウン完了。
参加者だけでなく、観客にとっても「耐久」レースな10耐を、最後まで観戦するための、価値あるリフレッシュになった。

点滴ジュース

プールから戻ってくる時、売店で、けったいなものを見つけた。

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点滴ジュース、なるものだ。
チューブを身体に付けて写真を撮ってみても良いか、聞いてみたが、
「買っていただけたら良いですよ」
と言われてしまった。

600円もするので、ケチな私は買わなかったが。
熱中症で倒れる人続出の今年の猛暑にあやかった、インスタ映えするドリンク、なのだろうか。

後半戦は2コーナーで観戦

さて、 

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の記事でも書いたが、レースというのはずっと同じ場所で見ていても飽きてしまう。

プールから戻ったのは17時頃、既に鈴鹿サーキットの陽は傾きかけていた。
それで屋根はないが、まずはS字スタンドへ行ってみる。
ここなら傾斜が付いており、西からの陽は陰になって観戦しやすい。

後半戦を迎えたレースは、あまりバトルはないが、1台1台の挙動をS字でじっくり観察出来た。

さらに陽が傾いた17時頃、今度は2コーナースタンドの上段へ上る。
ここからだと、ホームストレート~1・2コーナー~S字~逆バンク~ダンロップまで、ほぼ東コース全部を見渡せる。
私としてはここからの眺めが鈴鹿では最高だと思う。

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

インターネット中継(Gyao)

今回のレースは、動画配信サービスのギャオ(Gyao)が、レースをインターネット中継していた。

S字や2コーナースタンドは、モニターが一つだけはあるが見づらいため、手持ちのスマホでギャオの動画を視聴。

30秒程度の遅れはあるが、リアルタイムに近い内容で中継してくれている。

昔はレースの順位はグランドスタンドにある電光掲示板や、ピットFMで知るしかなく、なかなかレースの流れを掴みにくかった。

サーキットに足を運ぶ醍醐味は、目の前を走り抜けるマシンの生の迫力なんだ、ということで、順位はイマイチ分からなくても満足していた。
家に帰ってから録画していたTV中継を見て、ああ、こういうレースだったのか。とはじめて分かる事もあった。

今はサーキットに居ながらにして動画が解説付きで見られ、レース全体の流れを把握できる。
便利な時代になったものだ。

ロータスの雄姿

 そしてS字でレースを眺めていると、なんと、ずっとガレージにこもっていた#2 CarsTokaiDream28のロータスが、目の前を走ってくるではないか!

修理に長い時間を費やしたようだが、何とかレースに参加出来たようだ。

もちろん順位は最下位だが、エボラが走っている姿を見れたのはうれしい。

結局ロータスはまたデグナーでコースアウトしてしまい、完走は出来なかったのだが、鈴鹿10耐で98周の走行を記録した。

再びグランドスタンドへ

レースの最初と最後はやはりグランドスタンドで見るのが一番。

夕闇に包まれ、2コーナースタンドからマシンの視認が難しくなってきた18時半ごろ、グランドスタンドへ移動する事にした。

チェッカーまで残り1時間となった、19時のスタートライン通過記録は、

1位 #66 ワークスのアウディ
2位 #888 GruppeM Racingのメルセデス
3位 #43 Strakka Racingのメルセデス

となっていたが、ピットストップの関係で実質のトップは#888のメルセデスである。

グッドスマイルは通過順8位、実質の5位まで順位を上げてきていた。

最後の見どころ、グッドスマイルVSベントレー

さて残り1時間を切った10耐、大体オーダー確定していたのだが、最後の関心事は日本勢最上位に付けている、グッドスマイルがどこまで順位を上げるかだった。

ところが背後から、#8のベントレーワークスが猛追してくる。

このベントレー、今回のレースでワイルド過ぎる走りを披露し、何台ものマシンがぶつけられ、ピットインやリタイアに追い込まれた。
ここまで散々見せられたひどい走りは、ベントレーを観衆の目に悪役として映すに十分だったのである。

グランドスタンドを通過する度、ベントレーとグッドスマイルの差は詰まり、残り30分でベントレーは片岡龍也のドライブする初音ミクカラーのベンツのすぐ背後にまで迫ってきた。

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↑メインストレートでグッドスマイルのすぐ背後に迫るベントレー(YouTubeより)

 2台の差はとうとう、わずか0.346!
もはやこれまでか?
ベントレーの餌食になってきた数々のマシンのように、グッドスマイルのメルセデスも撃墜されてしまうのか、そう思えたのだが。

ここで、場内アナウンサーのピエール北川さんにあおられたグランドスタンドの観衆は、配られた蛍光サイリウム*1を振ってグッドスマイルを応援。
テール・トゥ・ノーズの2台が通る度に、グランドスタンドの光の波が揺れ動く。

この応援に応えた片岡選手は再びベントレーを引き離しにかかり、2台の差は再び開いていった。

鈴鹿10耐フィニッシュ!

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最終順位を知らせる電光掲示板

2018年8月26日午後8時、

朝10時からスタートしたレース時計が10時間を回ったあと、最初にチェッカーを受けたのは、#888 GruppeM Racing、T.Vautier M.Engel R.Marciello組のメルセデス。
2位に#43 Strakka Racing、L.Williamson M.Goetz A.Parente組のメルセデス、
3位に#6 Absolute Racing、C.Haase M.Winkelhock K.van der Linde組のアウディ。

私が応援した#00 グッドスマイル、小林可夢偉・片岡龍也・谷口信輝組のメルセデスは終盤ベントレーの追撃をかわし、日本チーム最上位となる、5位を死守。

JLOCランボルギーニの2台は、15位と17位であった。

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10時間に及ぶレースを闘ったマシン達がメインストレートに並ぶ

1周のウイニングラップをゆっくりと回った後、ホームストレート上に完走したマシンが順に並べられる。

そして何と、デコトラがホームストレートに来て、電飾を点灯。
祝福の花火が打ちあがり、にぎやかなチェッカーだ。

優勝した#888の3人の選手が、ホームストレート上でインタビューを受ける。

その後、グランドスタンドからホームストレートへの入り口が解放され、ファンがホームストレート上に降りて表彰式を見られるようになる。

そして歓喜の表彰式!

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ホームストレートのモニターに映し出された表彰式

表彰式の後、もう一度、先ほどよりたくさんの花火が上がった。

この花火を見ると、鈴鹿1000kmから続く、夏の耐久レースを見に来たんだな、という気持ちにさせられる。

”新生”鈴鹿10耐総括

久しぶりの夏の鈴鹿耐久レース観戦、いや初の”新生”鈴鹿10耐観戦は、暑さとの闘いであったが、全体として、満足のいく、素晴らしいものであった。

昔の1,000kmと、今回の10耐を比べると、やはりGT3規定になったという違いが大きい。

このGT3という規定、レースを面白くするためによく考えられているなぁ、と感じた。
ベースマシンは購入出来るため、信頼性が高く、レースの最後まで大多数の車が走っているのを見られる。

また今回の順位を見ても、独走態勢だった1位の#888は別として、2位~4位までがわずか2秒以内の差でゴールしている。
10時間を走ってきてこれだけの僅差というのは驚異的だ!

そしてオーガナイザーである鈴鹿サーキットの努力も素晴らしいと思う。
暑さをしのぐ数々の工夫、1年以上前もってのプロモーション、デコトラや泡イベント、キャンペーンステージなど、大会を盛り上げるための数々の取組みが観察出来た。

やはり40回以上もこのレースを開催してきている鈴鹿サーキット、ノウハウの蓄積と活用がよく出来ている。

猛暑の今年の観戦はかなりキツかったが、それでもまた来たい!と思わせる内容であった。

おまけ

花火が終わったのが20時半、遊園地は21時まで営業していたため、チケットに付いているパスポートで、最新アトラクション DUEL GPに乗ってみる。

2台で同時にスタートするコースタータイプの乗り物で、ドリフトを決めながら競走するというこのアトラクション、嫁にたいそう好評だった。

関連記事:

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*1:使用後要返却

新生鈴鹿10時間耐久レース!観戦レポート②予選~決勝スタート

2018年8月24~26日にかけて行われた、記念すべき”新生”鈴鹿10時間耐久レースについてのレポートの続編。

前回の記事では、鈴鹿10耐レースの歴史、出場チーム紹介、そして金曜フリー走行までをレポートした。

もしまだ読んでいない方は、まずそちらを読んでいただきたい。 

www.lovemotorsports.info続きの今回の記事は、土曜予選から日曜決勝にかけてをリポートする。

8月25日 鈴鹿10耐 予選

残念ながらこの日私は、名古屋に住む友人を訪ねる予定があり、サーキットでの予選観戦は出来なかった。

その為、メディア情報をもとに予選の結果を記載する。

この日は午後1時より、BBSエキサイティング・アタックと銘打った予選が行われた。

10耐の予選は、まず3人のドライバーひとりずつアタック。
走行枠は各15分だ。
3人のドライバーが記録したベストタイムの合計で21位以下の順位が決定。

そしてトップ20台は「ポールシュートアウト」という、これも15分のセッションに進出し、上位グリッドを決定するというシステムになっている。

各ドライバー単独のアタックタイム合計では、私の応援するグッドスマイルレーシングは総合4番手につけた!

しかし、ポールシュートアウトではグッドスマイルをはじめとするスーパーGT参戦チームはセッション終了間際にタイムアタックを行った。

セッション前半にタイムを出しておくのは安全策であるが、それがライバルチームに対しての目標タイムとなり、セッション終了間際にそれをひっくり返されると挽回が不可能になるからだ。

ところがこれがあだとなる。
セッション残り時間1分21秒となったところで1台がコースアウト!
グッドスマイルはアタック中にセッションは赤旗中断、残り時間が少なすぎて再度のアタックは不可能となってしまう。

予選結果

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画像情報:Free photo Grand Prix Formula 1 Asphalt Mark Pole Position - Max Pixel

ポールポジション(PP)を獲得したのは、カーナンバー28 HubAuto Corseのフェラーリ。

ジェントルマンドライバー*1を含む、プロ-アマクラスにカテゴライズされた伏兵がポールを獲得するというのは、驚きの結果だ。

3番手にもHubAuto Racingのもう一台のフェラーリ、カーナンバー27がつける。

2台の間に割って入ったのは、メルセデスAMGワークスのGruppeM Racing、プロクラスのチームが順当にフロントロウ獲得。

グッドスマイルは残念ながら21番手と後方からのスタートとなってしまった…
明日の決勝でどこまで追い上げられるだろうか?

8月26日 鈴鹿10耐 決勝

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さていよいよ決勝日。

私DAIがサーキット入りしたのは、ウォームアップ走行が始まる、朝8時。

この日は決勝日だけあって、朝からグランドスタンドは満員だ。

スタートはやはり、グランドスタンドで見ようと思い、私の応援するエヴォラのピット前に席を取った。

鈴鹿10耐のチケット

ここで鈴鹿10耐のチケットについて説明する。

木・金・土は遊園地入園料のみでどこでも観戦出来るのだが、日曜は観戦券が必要になる。

ということは、レースを知らない家族・恋人を連れて行くなら、木・金・土が狙い目だ。
遊園地で遊び、ついでにマシンが走っている所へちらっと連れて行くと良いかも知れない。
夏にはプールも営業している。もっとも、夏休みは子供連れで一杯だが。

今回私は前売りで観戦券(5,700円、遊園地パスポート1日券付)+V1エリア指定席券(1,300円)というものを購入した。
観戦券があれば当然、金・土も入園料不要で入場出来る。

V1エリア指定席券というのは、グランドスタンドの下段、2コーナースタンド(Bエリア)とシケインスタンド(Qエリア)に入場出来るもの。
座席は指定席ではなく、そのエリア内のどこでも空いている席を利用する。

他にもB・Qエリア指定席券(1,000円)や、グランドスタンド上段の指定席で観戦出来るV2指定席券(3,300円)がある。

観戦券のみであれば、一番の見どころであるグランドスタンド・2コーナースタンド・シケインスタンドへ入場出来ない。
私としては、わずか1,300円の追加でそれらへ入場出来るV1エリア指定が最もコスパが高いと思った。

スプリントレースであればV2指定席券も価値があると思うが、耐久レースはあちこち移動しながら見るもの、私にはV1で十分だ。

ちなみにレース終了10分前になると、グランドスタンドが解放され、チケットがなくても誰でも入場出来、感動のゴールシーンを見られる。

補足だが、JAFの会員はオンラインで購入すると、割引価格で購入出来る。

フリー走行でロータスがクラッシュ! 

朝のウォームアップ走行を見ていて気が付かなかったのですが、私の応援するカーナンバー2番のロータスエヴォラがクラッシュ、ダメージを負ってしまった模様。

ピットへは戻れたようなのだが、その影響で、エヴォラはピット内で修理が続けられる。
レースに参加出来るのか、心配だ。

イベント

ウォームアップ走行が終わり、決勝スタートまで時間があるため、イベント広場を見て回った。

各企業のブースや、泡ステージなるものが並んでいる。
ズンドコズンドコと大音量のDJミュージックに合わせ、大量の泡が吹かれるのだ。

F1レースゲームの体験や、鮮やかなデコトラの展示も。
今回はじめてレースに連れて行った嫁も、大変興味深げにそれらのイベントを眺めていた。

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夜になり電飾がライトオンされたデコトラ

スタート進行

さて、あっという間に時間が経ち、ホームストレートでは再び爆音が鳴り響き、レース参加マシンが続々とコースイン。
1周してホームストレート上に並ぶ。

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ところが、朝のフリー走行でクラッシュしたロータスエヴォラは、スタート進行になっても修理が終わらず、コースに出てこれない。
どうやらピットスタートとなりそうだ。

グリッド上ではしばらくの間グリッドウオークが行われ、キャンペーンギャルやドライバーがファンサービスをしている、とても賑やかな光景。

ハコ車のレースである鈴鹿10耐は、ローリングスタートの形式をとる。

つまり、セーフティーカー先導のフォーメーションラップ1周で隊列を整える。
1周の終わりにセーフティーカーが外れ、綺麗な隊列でゆっくりとスタートラインに向かう。
ゆっくり走っている状態で、シグナルが変わるとレースがスタートだ。

さてグリッドウオークも終わり、ピットレーンに並んだマシンのエンジンに火が入る。
午前10時ちょうど、爆音を響かせ、マシンが前方から一台ずつフォーメーションラップに入っていった。

PPのフェラーリが立ち往生

ここでなんと、ポールポジションのカーナンバー22番、HubAuto Corsaのフェラーリがスタート出来ず! トラブルか?

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フォーメーションラップに入れず置いて行かれる#22フェラーリ

この後フェラーリはどうにかエンジンが掛かったようで、PPの位置へ戻る事が出来た。
ところがこれが後程、審議の対象になるのであった。

鈴鹿10耐 レーススタート

さて1周のフォーメーションラップを終えて最終コーナーへ戻ってきたマシンの前から、先導車が外れ、ゆっくりゆっくりとホームストレートへ。

シグナルが青に変わった瞬間、35台のマシンが一斉にエンジン全開、ものすごい轟音を立てて1コーナーへと向かっていく。

このけたたましい迫力には、はじめてレースを見た嫁がぶったまげた!

「すごい!すごい!」と叫んでいる。

毎回レースを見るたび思うが、スタートの場面が一番息を飲み、またその迫力に圧倒される一瞬だ。

10時間の長丁場のレースとは思えないバトルが、スタート直後から繰り広げられた。
ホームストレートで5、6台が横に並ぶ!
1コーナーに、#27・#28のフェラーリ、#888のベンツの3台が並んで入って行ったのだ!

サーキットビジョンでは、コースのあちこちで繰り広げるバトルが、映し出されている。

クラッシュや接触こそないが、隙あらばと前を伺い、オーバーテイクが、あちこちでみられた。
スタートから数週は、ホームストレートでしばしばラインを変え、サイドバイサイドの場面が多々見られたのだ。

これにホームストレートを埋めた観客は、大盛り上がり!
お気に入りチームの旗を振ってこたえている。

最初の1時間は、マシンがホームストレートを通過するたび、全車の順位が表示される電光掲示板の順位が目まぐるしく変わった。

灼熱の鈴鹿10耐の始まり

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画像情報:Pixabay

しかし、スタートが近付いた頃から、陽が差す角度がきつくなり、グランドスタンドの大屋根の影が短くなる。
レースが始まると、とうとう影が後ろへ行ってしまい、35℃、いや体感温度40℃以上の焼けつく直射日光が肌を射す!

これはたまらないと、頭からタオルを被って観戦。
出場者だけでなく、観戦する私たちにとっても、10時間耐久が幕を開けたのだった...

次の記事:

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*1:プロではないドライバー

【2018F1アメリカGP】39歳キミ・ライコネン フェラーリ復帰後初優勝!

今日は先週末行われた、F1アメリカGPの話題。

私が大好きなドライバーのひとり、キミ・ライコネンの久々の復活勝利について語る。

F1現役最年長

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

キミ・ライコネンは1979年10月17日生まれ、フィンランド出身のドライバー。

F1デビューは2001年のオーストラリアGP、当時弱冠21歳。

以来、2年間のF1参戦休止期間(WRCに挑戦)を挟み、2018年現在まで16シーズンを戦ってきた。
出走回数291回(2018年米国GP時点)を誇る、F1現役最年長レーサーだ。

実はここ数年、私はF1観戦から遠のいており、その間に多くのなじみのあるレーサーが引退してしまった。

今のF1でなじみのあるレーサーと言えば、2000年代から参戦を続けているベッテル、ハミルトン、アロンソ、グロージャン、そしてライコネンくらい。

そのうちアロンソは今季限りで引退を表明。
ライコネンも来年はフェラーリを放出され、下位チームのザウバー入りが決まっている。
年齢的にも、トップチームで活躍出来るのは今季の残り数戦限り、という事になるだろう。

2007年のチャンピオン

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画像情報:Pixabay

ライコネンのキャリアのハイライトは2007年。

ライバルチーム・マクラーレンの2台、ルイス・ハミルトン、フェルナンド・アロンソと、最終戦までもつれる激戦を繰り広げ、わずか1ポイント差で逆転チャンピオンに輝いた。

この頃私は、毎戦F1をTV観戦しており、特に最終戦のライコネンの走りからは、あきらめない事の大切さを学ばされた、F1史に残るレースであった。

長期にわたる低迷

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画像情報:Pixabay

その後一旦F1からWRCに戦いの場を移すが、2012年にF1復帰。

2014年にはチャンピオン獲得時のチーム、フェラーリへ戻る。

しかし、そこからチームメイトのアロンソやベッテルと比べ、戦績の振るわないシーズンが続く。

やはり2年間のブランク、また30代後半に差し掛かり年齢的な限界が響いたのだろうか?
私は今回の報道まで知らなかったのだが、フェラーリというトップチームに在籍していながら、なんと4シーズンも!(ルノー1年を含めると、5シーズン)勝利から遠ざかっていたのだ…

余りの不振に引退説、またフェラーリ解雇の噂が出る。

実際9月に入り、とうとうフェラーリは来期のドライバーとしてライコネンに代えてシャルル・ルクレールとの契約を発表。
ライコネンはチームを放出される事になった。

今年に入って私はちょこちょこF1を見るようになったのだが、ライコネンのレース運びを見ていると、早さが衰えているというより、大体いつも不運に見舞われている。

予選一発の速さでも、8歳若いベッテルに負けていない。
イタリアGPでのポール獲得、オーストリアGPではベッテルの猛追を抑えての2位表彰台に加えファステストラップも記録。

ところが、優勝からはずっと見放されていた。
肝心なところでアクシデントに巻き込まれたり、マシントラブルや作戦が外れたりするのだ。

10月7日の日本GPでも、せっかくベッテルより前のポジションでスタートしたのに、序盤にフェルスタッペンにぶつけられ、表彰台を逃してしまった…

2014年のフェラーリ移籍後からその日本GPまで、96戦連続未勝利。
これは歴代フェラーリドライバーにおいてワースト記録らしい。

アメリカGPでの完璧な優勝

そのライコネンがとうとう、第18戦アメリカGPでやってくれた!

予選でベッテルより前の、2番グリッドを獲得。

そして決勝ではスタートでポールのハミルトンに並び、1コーナーであざやかに抜き去る!

その後猛追するハミルトンを振り切り、見事なレース運びでポール・トゥ・ウィンを飾った。

この勝利はフェラーリに復帰後初、2013年のオーストラリアGP以来、実に5年ぶり、113戦ぶりの優勝だった。

ライコネンと並ぶF1界の鉄人たち

優勝したライコネンは39歳、まさに鉄人と呼べるだろう。

この年齢のドライバーが優勝したのは、1992年のナイジェル・マンセル以来26年ぶりのことらしい。

他に彼のように、39歳超まで現役を続けた、近年のF1ドライバーを調べると、以下のような選手達がいた。

  • ナイジェル・マンセル(出走187回、41歳で引退)
  • ミハエル・シューマッハ(出走306回、43歳で引退)
  • リカルド・パトレーゼ(出走256回、39歳で引退)
  • ルーベンス・バリチェロ(出走322回、39歳で引退)
  • ルネ・アルヌー(出走149回、41歳で引退)

やはり43歳まで走り続けたシューマッハの記録が飛びぬけているが、ライコネンは40歳を迎える来期も現役続行を表明し、既にザウバーと契約を交わしている。

ライコネンにはシューマッハを超えるまで現役を続けて欲しいものだ。

優勝後のライコネンのコメント

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画像情報:YouTubeより

「大勢の人たちが大げさに受け止めるだろうけど、僕にとっては一大事というほどのことではない。優勝のチャンスが来るときは来る。もし来なくても、僕の人生がそれによって大きく変わるわけではない。

僕らには勝つ力があるということ、僕らは優勝、そしてタイトル獲得を目指すためにここにいるのだということを、すべての人たちに証明することができてうれしい。

まだドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権、どちらも確定していない。僕らが獲得する可能性が残っているというのはいいことだ。次のメキシコでもできる限りのことをして、いい結果を達成したい。」

 -引用元:https://news.biglobe.ne.jp/sports/1023/ats_181023_4670560315.html

5年ぶりの優勝にも、控え目なコメントを残したクールなライコネン。

2018シーズンも残すところあと3戦。

鉄人ライコネンのさらなる活躍を見たい!

新生鈴鹿10時間耐久レース!観戦レポート①プロローグ~金曜フリー走行

さて今回は、2018年8月24~26日にかけて開かれた、”新生”鈴鹿10時間耐久レースについてレポートする。

今年初めて開催されたこのレース、なんと10時間にも渡る長丁場。

真夏に行われるということで、ドライバーだけでなく観戦する我々にとっても、過酷な”耐久”イベントだ。

35℃を超える灼熱の気温の中で、DAIが見たものとは?

”新生”10耐と、過去の1000km耐久の違いとは?

そして35台を数えるエントラントの中で、10時間を真っ先に走り抜け、栄光のチェッカーを受けたのは?

”新生”鈴鹿10耐

今回の鈴鹿10耐は、”新生”鈴鹿10時間耐久と謳われていた。
初開催であると同時に、なぜ新生なのか?

10耐の前身 ポッカ1000kmレース

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↑2014年大会
画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

それは、この大会の前身が、今から50年以上も昔から開催されていた、伝統の鈴鹿1000kmレースであるためだ。

オイルショックの影響で中断された時期があったものの、2017年まで46回に渡ってこの鈴鹿1000kmレースは続いた。

かくいう私DAIも、はじめて見に行ったハコ車のレースがこの、当時”ポッカ”1000kmと言われていたレース。

暗闇の中でゴールしたマシンたち、とりわけ傷付きボロボロになったバイパーが、解放されたコース上に降りた自分の目の前を駆け抜けて行った姿、そしてゴール後の花火と表彰台から降り注がれたシャンペンシャワーが今も目に焼き付いている。

伝統のレースがリニューアル

そして2017年の第46回大会を最後に、大会リニューアルが決定。

1年以上も前から、鈴鹿サーキットのホームページや各メディアで、”新生”鈴鹿10時間耐久レースについてのプロモーションが繰り広げられた。

これを知った私DAIは、この第一回大会を是非とも見に行きたいと、事前に計画し一時帰国のタイミングを合わせ、念願かなって観戦とあいなったのである。

ちなみに、10耐としては第一回となるが、大会の開催回数は前身の1000kmから継続されるそうで、今回が第47回という歴史あるレースなのだ。

新生10耐はGT3規定

今回のレースにエントリーしたのは35台。

私がはじめて見に行った’96年には、50台近いエントリーがあった、その頃から比べれば少ない。

しかし、今回のレースは参加者の大半がGT3クラスで、性能調整*1が行われ、ワンメイクとは呼べないがそれに近い状態になっている。

’96年は出場台数が多く様々な車が見れるのは魅力だったが、レース展開は耐久レースらしく、順位の入れ替わりが少なく、退屈だった。

対して今回は、35台が10時間の最初から最後まであちこちの順位でバトルを繰り広げる、といった面白いレース展開が予想されるのだ。

また、GT3というパッケージは信頼性に優れ、完走率が高い。
沢山出走して最後まで残っているのは半分くらい、というのが昔の1000kmだったが、今回はレースの最後まで沢山の車が走っているのが見られると期待出来る。

それであれば35台の出走台数は見ごたえ十分と言えるだろう。

出場主要チーム紹介

レースを見る時は、お気に入りの車や、応援するチームを見つけておくと楽しさが倍増する。

ここで、今回の10耐に出場する有力チームを幾つか紹介しよう。

GOOD SMILEレーシング

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画像情報:#4 GOODSMILE Hatsune MIKU AMG | 2017.5.4 SUPER GT Rd.3 Fuji … | Flickr

鈴鹿10耐のエントリーが開始されて一番に出場を決めたのがこの、グッドスマイル。

GT選手権の300クラスではディフェンディングチャンピオンの常勝チーム。

ドライバーも、GTでおなじみのベテラン谷口信輝・片岡龍也に加えて、元F1ドライバーの小林可夢偉を加えた、強力な日本人トリオ。

マシンはメルセデスAMG。
初音ミクをペイントした痛車で、ファンの人気も高い。

Audi Sport

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

アウディワークスからは5台が参戦。

スパ24時間でのポール獲得や、6月に同じ鈴鹿で行われた10耐の前哨戦であるレースオブアジアでの優勝など、高い実力を誇る。

今大会の優勝候補の一角。

Team Strakka Racing

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↑ストラッカレーシングが使用しているのと同型のメルセデスAMG GT3(2017年モデル)
画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

ル・マン24時間に参戦する強豪、ストラッカは3台のメルセデスAMGを持ち込むメルセデスワークス。
ドライバーもルマンやスパで活躍する一流どころを揃えて来た。

他にもTeam GruppeM Racingなどもベンツワークスチームとして参戦、もちろんこれらのベンツワークス勢は優勝候補だ。

ちなみに日本チームのグッドスマイルもメルセデスAMGを使用しているが、純ワークスではない。

その他

他にもベントレーワークスのTeam M-Sportや、ル・マン24時間ウイナーのロマン・デュマを擁するManthey-Racing(ポルシェ)、日産GT-Rで参戦のKCMG、2台のフェラーリを走らせるHubAuto Corsa、武藤英紀/中嶋大祐/山本尚貴のGTトリオで挑むHonda Team MOTUL NSXなどが注目のチームだ。

さらに、ランボルギーニ、BMWやロータス、コルベット、マクラーレン、トヨタ86など、まさに多種多様な車種がエントリー。
誰でも必ず、自分の好きな一台を見つけられるだろう。

DAIのお気に入りチーム

ちなみに私は、メインで応援するチームは、エントリーを決めた時から注目していた、グッドスマイルレーシングに決めた。
初音ミクに興味はないが、F1時代に応援していた可夢偉選手が乗る事、また片山右京さんがタイアップしているためだ。

そして、ロータスエヴォラ、2台のエヴァンゲリオンカラーのランボルギーニも副次的に応援する事にする。

大会3日間の流れ

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画像情報:Pixabay

通常レースは、フリー走行・予選・決勝の順に行われ、この大会もそうだ。
鈴鹿10耐は金曜フリー走行、土曜予選、日曜決勝という3日間で行われる。

実際にはそのさらに前日の木曜日にも、特別スポーツ走行というのがあるため、それを加えると4日間だ。
しかしそのセッションは全車参加ではなく、有料で希望車だけ*2という事で、公式には3日間のプログラムとなる。

ここでレースをよくご存じない方のために、フリー走行・予選・決勝のシステムについて少し解説する。

フリー走行とは

フリー走行では、ドライバーが練習をし、コースやマシンに慣れる目的と、予選や決勝に向けて車のセッティングをする目的で走り込みを重ねる。

このフリー走行で、マシンにトラブルが発生したり、クラッシュしてしまうと、走り込みが出来ず、その後の予選・決勝に大きく響いてしまう。

今回の鈴鹿10耐では、木曜の午後と金曜の午前に自由参加の特別スポーツ走行、金曜午後に2回(後半は夜間走行)の公式フリー走行が予定された。

予選とは

今回の鈴鹿10耐では土曜日の午後に行われる予選。

予選では1周のタイムを競い、タイムの早い順に決勝で前からスタート出来る。

予選トップの位置をポールポジション*3、2列縦隊で並ぶスターティンググリッドの一番前の列をフロントロウと呼ぶ。

今回のような長丁場の耐久レースでは、スプリントレース*4ほどに予選結果は重視されない。
とはいえ、後方からのスタートになると前方のマシンに塞がれペースが上がらないまま走行を重ねる事になるため、やはり前方からのスタートが有利。

決勝

大会のメインイベントである決勝レースは、通常日曜日に行われる。

今回の鈴鹿10耐は日曜の朝10時にスタートし、10時間後の午後8時にゴールを迎える。
走行距離何と、1,600km! にも及ぶ長丁場のレース。
そのため、3人のドライバーが交代で走行する。

8月24日 鈴鹿10耐 フリー走行

久々のレース観戦で気合満々の私、DAIが会場入りしたのは金曜の夜、フリー走行のナイトセッションが始まった頃。

金曜の晩は駐車料金無料

ありがたい事に、夜の走行は駐車場が無料。
ただし、止め置きする場合は、土曜・日曜と3日分の料金を支払う必要がある。

私の場合は、土曜は他の予定がありサーキットを離れるため、金曜の夜の走行終了後出庫するという事で、駐車代金が掛からなかった。

グランドスタンドから観戦

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グランドスタンドからのパノラマ撮影

さて、鈴鹿サーキットのグランドスタンドに陣取ったのは19時を回った頃、すでに日はとっぷりと暮れ、コースは暗闇に包まれている。

観客席はまばら。
さすがにこの時間帯に、フリー走行を見に来るのは熱心なファンだけだ。

まず、最終コーナーを立ち上がってくるマシンのヘッドライトの眩しさに驚く。
じつは夜の走行を見るのは、たしか2001年頃のポッカ1000km以来。
当時のヘッドライトはハロゲンだったため、こんなに明るくなかった。

LEDやHIDのヘッドライトを装備した現在のGTマシンからの光は、グランドスタンドへ届く。

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最終コーナーを立ち上がってくるマシンたち

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グランドスタンドから1コーナー方面を望む

 

と、目の前のピットレーンにマシンが走り込んで来る。
せかせかとメカニックが動き回り、タイヤ交換とドライバーの交代を行っている。

そう、フリー走行とはいえのんびりピットに入ってくるのではなく、限られた時間を使って、レース中のピットインの練習をするのだ。

突然の赤旗中断

そしてセッション開始から1時間が経過した午後7時半ごろ、突然の赤旗*5

目の前のピットレーンではピットイン車両を知らせる回転灯が点滅し、次々とマシンが帰還する。
このセッションでは場内放送が無い為、何が起きたのか情報が入らず、場内は騒然。

少しセッション時間が短くなってしまったが、ほどなく走行再開された。

あとで分かったのだが、カーナンバー777 Carguy RacingのNSXが、鈴鹿サーキット一番の高速コーナー、130Rでコースアウトしたのだ。
マシンはリヤバンパーが破損したが、幸い自走でピットまで戻ってこられたとの事。

金曜フリー走行(二回目)順位

幻想的な雰囲気の漂う、夜のグランドスタンドから、GT3マシンの爆音とスピードを約1時間に渡って堪能し、あっという間にチェッカー*6となった。

この夜の走行枠でトップタイムをマークしたのは、松田次生、千代勝正、アレキサンドレ・インペラトーリ組のKCMG 日産 GT-R。
2番手に AUDI SPORT TEAM WRT、
3番手はMercedes-AMG Team GruppeM Racingがつけた。

応援するグッドスマイルは28番手タイムとやや出遅れ気味、この結果は少し不安。

とはいえまだ初日、公式セッションの2回目である。
明日の予選に向けてのセッティングを煮詰めている段階なので、この順位はまだ何とも言えないのだ。

ただ私は残念ながら翌日の予選は他の予定があり、一旦サーキットを離れる事になった。

次回の記事では、日曜日、10時間に渡る決勝レースの様子をリポートする。

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*1:レースで連勝するような強い車は遅くなるように、また全然勝てない車は早くなるように、レース結果に応じて重量などで調整が施される事

*2:とはいえ35台中31台と大半のエントラントが参加

*3:昔はレーススタートの合図を旗で知らせていたため、その旗が振られる位置、つまり一番前という意味

*4:通常2時間以内で走り切る短距離レース

*5:走行中断、全車スロー走行でピットへ向かわなければならない

*6:走行終了を知らせるチェック模様の旗

5分で分かる!鈴鹿サーキットってどんなとこ?初めてのレース観戦にも最適

さて今回は、私が最もよくレース観戦に訪れる、鈴鹿サーキットについてまとめてみよう。

日本が世界に誇る、鈴鹿サーキットの魅力を、5分でわかるようにギュッと凝縮した。

鈴鹿サーキットの歴史

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スズカサーキットのレース場エントランスゲート

だれもがその名を聞いたことがある、「鈴鹿サーキット」が三重県鈴鹿市に誕生したのは、1962年のこと。

モータリゼーションに沸く日本で、初の本格的なレーシングコースとして、自動車メーカーのホンダの創業者、本田宗一郎氏の肝いりで建設された。

オープン当初から、単なるレーシングコースだけでなく、未来を担う子供達が自動車に触れ合えるよう、遊園地を含む複合リゾート施設として計画され、年々充実している。

実際、鈴鹿サーキットにレースを見に行ったことがなくても、遊園地やプールで遊んだことがある、という人はきっと多いことだろう。

F1日本GPの開催

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1987年から、F1日本GPを連続して開催*1、2018年には第30回大会を迎えた。

F1日本GPはシーズン終盤の開催日程となっているため、過去に鈴鹿の地で11度もワールドチャンピオンが決まった、まさに伝説の開催地だ。

このF1は、鈴鹿市そして三重県を挙げての年中行事。
世界中から10万人以上の熱心なファンが押し寄せ、鈴鹿の秋の風物詩となっている。

鈴鹿8耐

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

F1と並んで鈴鹿サーキットで開かれるもう一つの大きなイベント。

正式名称は「FIM世界耐久選手権 "コカ・コーラ" 鈴鹿8時間耐久ロードレース」。

日本で開かれる最大級の2輪レースであるこのイベントは、8時間を2人のライダーだけで交代しながら走り抜ける耐久レース。

以前はタレント・島田紳助さんのチームが毎年出場していた事でも有名だ。

昼前にスタートし、灼熱の午後、夕暮れ、ナイトセッションを含む8時間を走り抜いたライダーを祝福する花火が感動もの。

バイクブームの時代にはF1と並ぶ観客動員を誇り、現在でも開催期間4日間合計で10万以上の来場者がある、鈴鹿サーキットの看板レース。

鈴鹿サーキットで開かれる他の主要レース

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

F1だけではない、鈴鹿サーキットは数々のメジャーレースを開催している。

2018年現在、

  • スーパー耐久レース(4月)
  • スーパーフォーミュラ(4月・10月)
  • 全日本ロードレース(4月・11月)
  • スーパーGT300km (5月)
  • FIMアジアロードレース(6月)
  • レースオブアジア(7月)
  • コカ・コーラ8時間耐久ロードレース(7月)
  • サマーエンデュランス10時間耐久レース(8月)

と、こんなに多くのビッグレースを毎年開催するサーキットは、日本では鈴鹿を置いて他にない*2

レーシングコース

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全長約800mのホームストレート

鈴鹿サーキットのメインであるレーシングコースは、2018年現在、全長5.807km*3と比較的長い、高速テクニカルコース。

これまで何度かの改修を経ているものの、そのレイアウトはドイツ人技術者フーゲンホルツ博士によって設計された1962年当時と、大きくは変わっていない。

ホームストレートやコントロールタワーのある東コースと、バックストレッチのある西コースに分かれ、それぞれ単体でレース開催も可能。

東コースは1・2コーナーやS字、逆バンクと中速テクニカルなコーナーの連続、西コースはヘアピンを除きおおむね高速部分で成っている。

東コースと西コースの継ぎ目にあるシケインは、鈴鹿で数少ないオーバーテイク*4ポイント。

鈴鹿サーキットのクラシカルなデザインは、とても攻め甲斐のあるレイアウトだと世界中のレーサーから絶賛されている。

一方、ルーキーを苦しめる難しいコースでもあり、「鈴鹿を制する者は、世界を制する」とも言われるほどだ。

観戦ポイント

鈴鹿サーキットはとても広いため、初めてレースを見に行くと、どこで見れば良いのか分からないかも知れない。

初心者にオススメの観戦ポイントは、どこなのだろう?

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ホームストレートから1コーナー方面を望む(ナイトセッション)

鈴鹿サーキットでレースを見る時、初めての方はまずホームストレートで見ると良いだろう。
大きなTVモニターや、順位表示板があり、レース全体の展開が分かり易い。
ピットインや、興奮のスタート・歓喜のゴールの瞬間、表彰式も見られる。

ホームストレートに関しては、最終コーナー寄りよりも、1コーナー寄りがオススメ。
マシンのスピードが乗って迫力があるし、1コーナーへ向けてのバトルが見られるから。

何度かレースを見てレース通になってきたら、ストレートよりも、コーナーで見る方が面白くなる。

2コーナースタンドの上部に陣取れば、東コース全体が眺められ壮観だ。
逆バンク~ダンロップカーブの下の方へ歩いていくと、マシンとの距離が近く、コーナーでの挙動の変化や微妙なステアリング修正が良く分かる。

シケインも、時速300kmからのフルブレーキングとオーバーテイクが見られて面白い。

西コースは、今でも常設スタンドが少なく、テクテク歩いて観戦するのに向いている。

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西コースで最も低速なヘアピンカーブ

耐久レースなら、スタート・ゴールはグランドスタンドで見て、長いレース中は西コースをずっと歩いて見るのも良いだろう。

鈴鹿サーキットの遊園地

創業当初から続く遊園地、モートピアは、その名の通り、車や自分で運転できる乗り物が多数ある。

以前は絶叫マシンが多数あった時期もあったのだが、遊園地業界の動向に沿ってか、現在はおとなしめの乗り物が多い。

なかでも最も新しいアトラクション、DUEL GPは、2人乗りのマシン2台が同時にスタートし、ドリフト操作を楽しみながら順位を競うという、新感覚の乗り物で大変楽しい。

夏には大きなプール、アクア・アドベンチャーがオープン。
ホテル・レストラン・温泉・ボーリング場・オートキャンプ場などもあり、家族連れで泊まり込みで遊べる旅行先だ。

ある意味、レースに興味のない家族を連れてきてしまっても、安心して楽しめる(笑)。

鈴鹿サーキットへのアクセス

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画像情報:フォト蔵

本州のだいたい真ん中、三重県鈴鹿市に位置する鈴鹿サーキット。
その立地条件ゆえ、関東からも関西からもファンが押し寄せるモータースポーツのメッカだ。

関西からは十分日帰り可能、関東からなら1泊した方が楽だが、レースが終わってすぐ帰途につけばギリギリ日帰りも可能。

レース場というのは大体山奥にあって、アクセスが大変不便な事が多いのだが、鈴鹿サーキットに関してはそういった心配は無用。
車でも電車でも来場しやすく、そういった点でもはじめてレース観戦する方向きと言えるだろう。

所在地

三重県鈴鹿市稲生町7992

車で

東京方面からは、東名阪自動車道鈴鹿ICより約20分。

大阪方面からは、名阪国道亀山ICより国道1号を経由し約30分。

電車で

近鉄名古屋線白子駅下車、バスで約20分。

鈴鹿サーキットで生のレースを観戦しよう!

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私自身、はじめて鈴鹿でレースを見た時、その迫力に度肝を抜かれた。

一瞬で目の前を走り抜けるマシン、タイヤの焼ける匂い、耳をつんざくエンジン音、大観衆の興奮...
どれも、TVでは決して味わえないものであった。

もしまだレースを一度もサーキットで観戦した事がなければ、ぜひ、この鈴鹿サーキットに足を運んでみるようおススメする。

私自身は最初にいきなり世界最高峰のF1を見てしまったのだが、もしやり直せるなら、最初は底辺カテゴリーの、小さいレースから見ていけば良かったと思う。

鈴鹿サーキットのレースカレンダーを見ると、遊園地入園料のみで観戦できる、草レースが結構ある。
テスト走行や、モータースポーツ感謝デーもある。
F3や、クラブマンレース*5でも良いだろう。

はじめてサーキットでレーシングカーが全力走行している場面を目撃すれば、それがどんなカテゴリでも、きっと、レースの魅力に目覚めるに違いない。

日本一のレーシングコース、鈴鹿サーキットは、その第一歩を踏むのに、最適な場所だ。

*1:途中2年の休止期間あり、その間は富士で開催

*2:鈴鹿に次いで多くのレースを開催しているのは、静岡県の富士スピードウェイ

*3:4輪レース時。2輪の場合は5.821kmとなる

*4:追い越し

*5:アマチュアレーサーが走るレース

はじめて見るならどのレース?初心者向けレース観戦ステップアップ案

今回は、今までレースを生で観戦した事がない人が、初めてのレース観戦に選ぶと良いカテゴリは何か、そしてその後のステップアッププランについて考えてみよう。

DAIのレース観戦歴と反省点

私DAIは、物心ついた頃からTVでレース中継を見ていた。
当時のレース中継というのは、フジテレビがF1中継を、テレビ朝日がル・マン中継やパリダカを、そしてUHFのテレビ東京系でラリーや国内レースの中継を時折していた。

子供だった私はTVをつけて、どんなレースでもやっていればジャンルを問わず食い入るように見ていたものだ。
中には大型トラックのレースなんかもやっていたのを覚えている。

特に印象に残ったレースは、91年のル・マン24時間だ。
それは、唯一の日本メーカーワークスとして参戦した、マツダ787Bが優勝を遂げた伝説のレース。

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91年ルマン優勝車と同型のマツダ787B(JSPC仕様)

やがて高校生になり、行動範囲が拡がって、初めてサーキットにレースというものを見に行くことが出来た。

その時行った鈴鹿サーキットで見たレースは、なんと、F1日本GP。

10代後半という多感な時期に、生ではじめて見たF1はあまりにも衝撃的で、ここでは語り切れないほどの思い出が残っている。
そのレースの観戦記についてはまた別の機会に書くことにしたい。

とにかく、初めてのレース観戦で受けた衝撃は大きかった!

しかし、いきなり最初にF1という世界最高峰のカテゴリのレースを見てしまうと、弊害もあった。
その後、下のカテゴリのレースを見ると、残念ながらどうにもしょぼく感じ、あまり楽しめなかったのである。

もちろん、毎年見に行くレースはF1だけ! というならそれでいいのだが、F1のチケットは高価で、またものすごい人で混雑する。
それに、毎年F1の開催される週末に休みを取れるわけではないかも知れない。

もう一度やりなおせるなら、どんな順番でレースを見るのだろう? と考えてみた。

はじめてのレース観戦にふさわしいカテゴリは?

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草レースの一例 N-ONEオーナーズカップ

初めてのレース観戦にオススメなのは、いわゆる草レース、底辺のカテゴリから見る事だ。

例えば:

  • 各サーキットの地方選手権(鈴鹿クラブマンレース・富士チャンピオンレース等)
  • FJ、F4、F3などの入門フォーミュラ
  • 各メーカー主催のワンメイクレース(ネッツカップや、N-ONEオーナーズカップ等)

といったところ。

このような入門用カテゴリのレースは、サーキットの入園料のみで観戦できる場合がほとんど。

場内も混み合っておらず、ゆったりと観戦できる。

しかしこのようなレースは、このあと紹介する国内ビッグレースのサポートとして開かれる事も多い。
その場合、最初に見るレースが国内ビッグレースになってしまっても良いと思う。
大体前座として下のカテゴリのレースが行われ、その後メインイベント、というプログラムになっているからだ。

イベント

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2015年の鈴鹿サウンドオブエンジンの一場面

他にも、各サーキットやメーカーが主催する、ファン感謝デーなどのイベントに行ってみるもの良いだろう。

次のようなものがある。

  • 鈴鹿サーキットモータースポーツ感謝デー(例年3月開催)
  • NISMO FESTIVAL(例年11月にFISCOにて開催)
  • TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL(例年11月にFISCOにて開催)
  • MAZDA FAN FESTA(例年11月に岡山国際サーキットにて開催)
  • Honda Racing THANKS DAY(例年12月にツインリンクもてぎにて開催)
  • Tipo オーバーヒートミーティング(例年7月に岡山国際サーキットにて開催)
  • 鈴鹿サウンドオブエンジン(2018年は11月に開催)

ここに挙げた以外にも、沢山のイベントが行われている為、各サーキットのイベントカレンダーをチェックし、面白そうだな、と思ったらそのイベントに出かけてみよう!

テスト走行

テスト走行と聞くと、熱心なレースマニアが行く、というイメージがあるが、私は初めての人にもおススメする。

テスト走行もチケット不要・入園料のみで観覧出来る場合が多く、会場は空いていて、ゆっくりと見られるからだ。

競争しないので退屈じゃないか? と思うかも知れないが、レーシングカーが目の前で走行するのを初めて見れば、それだけでたまげるに違いない。

しかもテスト走行は、マシンの限界を見極めるため、全開走行している。
イベントのデモランよりずっと、迫力があるのだ。

次のステップは?

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

さて、これまでにご紹介した草レース・イベント・テスト走行などを何度か見に行き、物足りなくなったら、次のステップへと進もう。

それは、チケット購入が必要なレースだ。
国内選手権のビッグレースがそれにあたる。

ひとくちに国内選手権といっても、様々なジャンルの競技があるのだが、ここから先のカテゴリのレースを観戦するにあたって、まず大きく分けてハコ車とフォーミュラの違いは、押さえておこう。

ハコ車とは?

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ハコ車の一例 アルファロメオ155

通称ハコ車と呼ばれるのは、車の形が箱型をしているから。
つまり我々が街で乗っている、普通乗用車に近い外観の車で競われるレース、という事だ。

ドライビングテクニックも、このあと説明するフォーミュラカーと比較して、市販車に近いと言える*1
多少のドリフトやカウンターステアが見られ、車の挙動が面白い。
通常、ローリングスタート*2でレースが始まる。

もし自分の乗っている車種が出場していれば、応援にも熱が入るに違いない。

フォーミュラとは?

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フォーミュラカーの一例 全日本F3000(現スーパーフォーミュラ)参戦マシン

フォーミュラというのは4輪のタイヤがむき出しになっている車。
そのトップカテゴリはF1である。

市販車をベースにデザインされたハコ車と違い、レース専用設計のシャシーであるため、挙動は非常にシビア、少しでも限界を超えるとスピンしてしまう。

通常、スタンディングスタート*3でレースが始まる。

ラップタイムは非常に早く、一瞬のミスで順位が入れ替わる、ハイレベルなバトルが見られる。

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プロトタイプカー 日産R91CP

他にも、タイヤが覆われてはいるもののハコ車とは呼べない、プロトタイプカーというカテゴリもある。
ル・マンなど、耐久レース専用に作られた非常に高性能なマシンで争われる。

自動車メーカーが巨額の予算を投じて開発しているため、中には、F1より早いタイムをマークするマシン*4もあるほど。

スーパー耐久シリーズ(S耐)

カテゴリについて理解したところで、草レースの次のステップとして最適な、スーパー耐久シリーズ(通称S耐)を紹介する。

以前はN1耐久と呼ばれたこのS耐は、市販車を改造したマシンで争われる。
つまり、我々が街で目にする憧れのスポーツカー、もしかするとあなたの愛車かも知れない、そのような車がレースを繰り広げるのだ。

例を挙げると日産GT-R、ポルシェ911、アウディR8、メルセデスAMGといったスーパーカーから、シビックタイプR、ランエボ、WRX、トヨタ86、ロードスター、デミオといったおなじみの車までが、各クラスに分かれて出走する。

レース距離は500km前後で、スプリントレースよりは長丁場なので色々と観戦席を移動して、何度も目の前を通過するマシンを見る事が出来る。
いきなり鈴鹿10耐や8耐などを見に行くときついものがあるが、S耐のレース時間は3時間程度と、初心者にはちょうど良い長さ*5だ。

身近に見かける車がレースをしているのを見ると、もしかすると、自分もいつか出てみたい! という気持ちが芽生えるかも知れない...。

スーパーフォーミュラ

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S耐の次に見たいのが、国内最高峰のフォーミュラ選手権、スーパーフォーミュラ。

F3からステップアップを果たしたフレッシュな若手や、元F1ドライバー、ベテラン勢まで幅広いトップドライバーがワンメイクシャシーで争い、ハイレベルなバトルが繰り広げられる。

スーパーフォーミュラのラップタイムは年々縮まり、今ではシューマッハが走っていた時代のF1のタイムに匹敵するのだ。

全国各地を転戦するなかでも私のおススメは、鈴鹿で例年4月に行われる、2&4レース。
これはスーパーフォーミュラと2輪のスーパーバイクレースが同時に見られるという、お得なイベントだ。

この次に紹介するスーパーGTと、スーパーフォーミュラは、どちらを先に見ても大丈夫だと思う。

スーパーGT

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スーパーGT参戦マシン(2008年 レクサスSC430)

GTとは、Grand Touringの略で、グランドツーリングカーすなわち、スポーツカー・スーパーカーといったハコ車の選手権。

同じハコ車のS耐との違いは、改造範囲である。
S耐のマシンはあくまで市販車ベースに耐久性を高める改造を施しているに過ぎないが、GT選手権のトップチームのマシンの中身は市販車とは別物、レース専用設計と言っていい造りになっている。

レギュレーション*6でGT300とGT500の二つのクラスに分かれており、それぞれのクラスのバトルが楽しめる。
つまり、GT500クラスが独走状態だったとしても、GT300クラスは激しいトップ争いが行われる、というような、一粒で二度おいしいレースなのだ。

スーパーGTとスーパーフォーミュラを掛け持ちしているドライバーも多数おり、国内トップクラスのレーサーが顔を揃える。

そして、ドライバー交代1回を含め、2時間程度でフィニッシュを迎える、引き締まったレース展開が魅力だ。

出走台数も大変多く、バラエティに富んだ数多くのカラフルなマシンが目の前を走り抜ける。
自分なりのお気に入りのチームを見つけて応援すると、レースを一層楽しめるだろう。

鈴鹿10耐・富士24耐

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鈴鹿10耐スタート進行

さて、草レース→S耐→スーパーフォーミュラ→スーパーGT、と順番通り観戦してきたあなた。

あなたはもう、レース通と呼べるに十分だ。

もしこれだけレースを見ても、好きになれなければ、サーキットへ通うのを辞めるだろう。

ここまでレースを見続けたら、レースが好きで好きでたまらなくなっているはず。

そんなあなたは、鈴鹿10耐、そして富士24耐を観戦するだけの情熱と忍耐力を持っているだろう。

間違っても、これらの耐久レースをはじめてのレース観戦に選んではいけない。
レースを見た事のない友達や恋人を、これらの耐久レースに連れて行ってもいけない。
「レースなんて二度と行きたくない!」と思わないために。

富士24耐はまだ私も見に行った事が無い為、未経験なのだが、真夏の祭典、鈴鹿10耐を見終わったあとに上がる花火は、忘れられない思い出になるに違いない。

www.lovemotorsports.info

F1日本GP

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フォーミュラレースの最高峰F1マシン(トロロッソホンダ)

そしていよいよ、日本で観戦出来るレースの最高峰、F1日本GPに到達出来る。

F1より下のカテゴリのレースを一通り見て来たあなたは、レースの楽しみ方、ドライバーの名前、自動車メーカーの名前、サーキットの観戦ポイント、家からサーキットへの道に至るまで、知り尽くした状態でF1観戦に臨めるのだ。

F1のチケットは安くない。
レース観戦のノウハウ全てを、国内選手権のレース観戦で学んだ状態で臨めば、最高のコスパでF1レースを味わい尽くせる。

いかに国内でレースを沢山見てきても、はじめてのF1となると、また別格だ。
そこでは今までに味わったことのない感動を、数多く、味わえるだろう。 

その次は? 

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

鈴鹿でF1日本GPを見てしまったら、その次のステップは、何なのだろうか?

それは恐らく、海外でのレース観戦だろう。

世界では歴史のあるレースが沢山開催されている。

フランスのル・マン24時間レース、アメリカのインディ500マイル、モナコのF1GPなど。

開けてしまったこの世界の扉は、まだまだ、奥が深い...。

補足

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

なお、この記事では4輪の競技のみを取り上げたが、2輪の競技にもまた違った迫力・魅力がある。

2輪のレースでも、底辺カテゴリ→トップカテゴリ、と進むのが良いのは、言うまでもない。

国内の2輪レースの頂点は、もてぎで行われるMotoGP日本GP、そして耐久レースでは鈴鹿8耐がある。

この記事を読んで、是非、4輪・2輪の様々なレースを見てみたい! と感じていただければうれしい。

*1:とはいえ、近年のGTカーの挙動は、ほとんどフォーミュラカーのようらしいが

*2:セーフティーカー先導で1週し、ゆっくり動いている状態でセーフティーカーが外れ、スタート

*3:静止状態からのスタート

*4:2015年のルマン優勝車の改良型、ポルシェ919エヴォ

*5:富士24時間レースを除く

*6:規則

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