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はじめて見るならどのレース?初心者向けレース観戦ステップアップ案

今回は、今までレースを生で観戦した事がない人が、初めてのレース観戦に選ぶと良いカテゴリは何か、そしてその後のステップアッププランについて考えてみよう。

DAIのレース観戦歴と反省点

私DAIは、物心ついた頃からTVでレース中継を見ていた。
当時のレース中継というのは、フジテレビがF1中継を、テレビ朝日がル・マン中継やパリダカを、そしてUHFのテレビ東京系でラリーや国内レースの中継を時折していた。

子供だった私はTVをつけて、どんなレースでもやっていればジャンルを問わず食い入るように見ていたものだ。
中には大型トラックのレースなんかもやっていたのを覚えている。

特に印象に残ったレースは、91年のル・マン24時間だ。
それは、唯一の日本メーカーワークスとして参戦した、マツダ787Bが優勝を遂げた伝説のレース。

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91年ルマン優勝車と同型のマツダ787B(JSPC仕様)

やがて高校生になり、行動範囲が拡がって、初めてサーキットにレースというものを見に行くことが出来た。

その時行った鈴鹿サーキットで見たレースは、なんと、F1日本GP。

10代後半という多感な時期に、生ではじめて見たF1はあまりにも衝撃的で、ここでは語り切れないほどの思い出が残っている。
そのレースの観戦記についてはまた別の機会に書くことにしたい。

とにかく、初めてのレース観戦で受けた衝撃は大きかった!

しかし、いきなり最初にF1という世界最高峰のカテゴリのレースを見てしまうと、弊害もあった。
その後、下のカテゴリのレースを見ると、残念ながらどうにもしょぼく感じ、あまり楽しめなかったのである。

もちろん、毎年見に行くレースはF1だけ! というならそれでいいのだが、F1のチケットは高価で、またものすごい人で混雑する。
それに、毎年F1の開催される週末に休みを取れるわけではないかも知れない。

もう一度やりなおせるなら、どんな順番でレースを見るのだろう? と考えてみた。

はじめてのレース観戦にふさわしいカテゴリは?

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草レースの一例 N-ONEオーナーズカップ

初めてのレース観戦にオススメなのは、いわゆる草レース、底辺のカテゴリから見る事だ。

例えば:

  • 各サーキットの地方選手権(鈴鹿クラブマンレース・富士チャンピオンレース等)
  • FJ、F4、F3などの入門フォーミュラ
  • 各メーカー主催のワンメイクレース(ネッツカップや、N-ONEオーナーズカップ等)

といったところ。

このような入門用カテゴリのレースは、サーキットの入園料のみで観戦できる場合がほとんど。

場内も混み合っておらず、ゆったりと観戦できる。

しかしこのようなレースは、このあと紹介する国内ビッグレースのサポートとして開かれる事も多い。
その場合、最初に見るレースが国内ビッグレースになってしまっても良いと思う。
大体前座として下のカテゴリのレースが行われ、その後メインイベント、というプログラムになっているからだ。

イベント

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2015年の鈴鹿サウンドオブエンジンの一場面

他にも、各サーキットやメーカーが主催する、ファン感謝デーなどのイベントに行ってみるもの良いだろう。

次のようなものがある。

  • 鈴鹿サーキットモータースポーツ感謝デー(例年3月開催)
  • NISMO FESTIVAL(例年11月にFISCOにて開催)
  • TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL(例年11月にFISCOにて開催)
  • MAZDA FAN FESTA(例年11月に岡山国際サーキットにて開催)
  • Honda Racing THANKS DAY(例年12月にツインリンクもてぎにて開催)
  • Tipo オーバーヒートミーティング(例年7月に岡山国際サーキットにて開催)
  • 鈴鹿サウンドオブエンジン(2018年は11月に開催)

ここに挙げた以外にも、沢山のイベントが行われている為、各サーキットのイベントカレンダーをチェックし、面白そうだな、と思ったらそのイベントに出かけてみよう!

テスト走行

テスト走行と聞くと、熱心なレースマニアが行く、というイメージがあるが、私は初めての人にもおススメする。

テスト走行もチケット不要・入園料のみで観覧出来る場合が多く、会場は空いていて、ゆっくりと見られるからだ。

競争しないので退屈じゃないか? と思うかも知れないが、レーシングカーが目の前で走行するのを初めて見れば、それだけでたまげるに違いない。

しかもテスト走行は、マシンの限界を見極めるため、全開走行している。
イベントのデモランよりずっと、迫力があるのだ。

次のステップは?

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

さて、これまでにご紹介した草レース・イベント・テスト走行などを何度か見に行き、物足りなくなったら、次のステップへと進もう。

それは、チケット購入が必要なレースだ。
国内選手権のビッグレースがそれにあたる。

ひとくちに国内選手権といっても、様々なジャンルの競技があるのだが、ここから先のカテゴリのレースを観戦するにあたって、まず大きく分けてハコ車とフォーミュラの違いは、押さえておこう。

ハコ車とは?

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ハコ車の一例 アルファロメオ155

通称ハコ車と呼ばれるのは、車の形が箱型をしているから。
つまり我々が街で乗っている、普通乗用車に近い外観の車で競われるレース、という事だ。

ドライビングテクニックも、このあと説明するフォーミュラカーと比較して、市販車に近いと言える*1
多少のドリフトやカウンターステアが見られ、車の挙動が面白い。
通常、ローリングスタート*2でレースが始まる。

もし自分の乗っている車種が出場していれば、応援にも熱が入るに違いない。

フォーミュラとは?

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フォーミュラカーの一例 全日本F3000(現スーパーフォーミュラ)参戦マシン

フォーミュラというのは4輪のタイヤがむき出しになっている車。
そのトップカテゴリはF1である。

市販車をベースにデザインされたハコ車と違い、レース専用設計のシャシーであるため、挙動は非常にシビア、少しでも限界を超えるとスピンしてしまう。

通常、スタンディングスタート*3でレースが始まる。

ラップタイムは非常に早く、一瞬のミスで順位が入れ替わる、ハイレベルなバトルが見られる。

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プロトタイプカー 日産R91CP

他にも、タイヤが覆われてはいるもののハコ車とは呼べない、プロトタイプカーというカテゴリもある。
ル・マンなど、耐久レース専用に作られた非常に高性能なマシンで争われる。

自動車メーカーが巨額の予算を投じて開発しているため、中には、F1より早いタイムをマークするマシン*4もあるほど。

スーパー耐久シリーズ(S耐)

カテゴリについて理解したところで、草レースの次のステップとして最適な、スーパー耐久シリーズ(通称S耐)を紹介する。

以前はN1耐久と呼ばれたこのS耐は、市販車を改造したマシンで争われる。
つまり、我々が街で目にする憧れのスポーツカー、もしかするとあなたの愛車かも知れない、そのような車がレースを繰り広げるのだ。

例を挙げると日産GT-R、ポルシェ911、アウディR8、メルセデスAMGといったスーパーカーから、シビックタイプR、ランエボ、WRX、トヨタ86、ロードスター、デミオといったおなじみの車までが、各クラスに分かれて出走する。

レース距離は500km前後で、スプリントレースよりは長丁場なので色々と観戦席を移動して、何度も目の前を通過するマシンを見る事が出来る。
いきなり鈴鹿10耐や8耐などを見に行くときついものがあるが、S耐のレース時間は3時間程度と、初心者にはちょうど良い長さ*5だ。

身近に見かける車がレースをしているのを見ると、もしかすると、自分もいつか出てみたい! という気持ちが芽生えるかも知れない...。

スーパーフォーミュラ

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S耐の次に見たいのが、国内最高峰のフォーミュラ選手権、スーパーフォーミュラ。

F3からステップアップを果たしたフレッシュな若手や、元F1ドライバー、ベテラン勢まで幅広いトップドライバーがワンメイクシャシーで争い、ハイレベルなバトルが繰り広げられる。

スーパーフォーミュラのラップタイムは年々縮まり、今ではシューマッハが走っていた時代のF1のタイムに匹敵するのだ。

全国各地を転戦するなかでも私のおススメは、鈴鹿で例年4月に行われる、2&4レース。
これはスーパーフォーミュラと2輪のスーパーバイクレースが同時に見られるという、お得なイベントだ。

この次に紹介するスーパーGTと、スーパーフォーミュラは、どちらを先に見ても大丈夫だと思う。

スーパーGT

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スーパーGT参戦マシン(2008年 レクサスSC430)

GTとは、Grand Touringの略で、グランドツーリングカーすなわち、スポーツカー・スーパーカーといったハコ車の選手権。

同じハコ車のS耐との違いは、改造範囲である。
S耐のマシンはあくまで市販車ベースに耐久性を高める改造を施しているに過ぎないが、GT選手権のトップチームのマシンの中身は市販車とは別物、レース専用設計と言っていい造りになっている。

レギュレーション*6でGT300とGT500の二つのクラスに分かれており、それぞれのクラスのバトルが楽しめる。
つまり、GT500クラスが独走状態だったとしても、GT300クラスは激しいトップ争いが行われる、というような、一粒で二度おいしいレースなのだ。

スーパーGTとスーパーフォーミュラを掛け持ちしているドライバーも多数おり、国内トップクラスのレーサーが顔を揃える。

そして、ドライバー交代1回を含め、2時間程度でフィニッシュを迎える、引き締まったレース展開が魅力だ。

出走台数も大変多く、バラエティに富んだ数多くのカラフルなマシンが目の前を走り抜ける。
自分なりのお気に入りのチームを見つけて応援すると、レースを一層楽しめるだろう。

鈴鹿10耐・富士24耐

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鈴鹿10耐スタート進行

さて、草レース→S耐→スーパーフォーミュラ→スーパーGT、と順番通り観戦してきたあなた。

あなたはもう、レース通と呼べるに十分だ。

もしこれだけレースを見ても、好きになれなければ、サーキットへ通うのを辞めるだろう。

ここまでレースを見続けたら、レースが好きで好きでたまらなくなっているはず。

そんなあなたは、鈴鹿10耐、そして富士24耐を観戦するだけの情熱と忍耐力を持っているだろう。

間違っても、これらの耐久レースをはじめてのレース観戦に選んではいけない。
レースを見た事のない友達や恋人を、これらの耐久レースに連れて行ってもいけない。
「レースなんて二度と行きたくない!」と思わないために。

富士24耐はまだ私も見に行った事が無い為、未経験なのだが、真夏の祭典、鈴鹿10耐を見終わったあとに上がる花火は、忘れられない思い出になるに違いない。

www.lovemotorsports.info

F1日本GP

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フォーミュラレースの最高峰F1マシン(トロロッソホンダ)

そしていよいよ、日本で観戦出来るレースの最高峰、F1日本GPに到達出来る。

F1より下のカテゴリのレースを一通り見て来たあなたは、レースの楽しみ方、ドライバーの名前、自動車メーカーの名前、サーキットの観戦ポイント、家からサーキットへの道に至るまで、知り尽くした状態でF1観戦に臨めるのだ。

F1のチケットは安くない。
レース観戦のノウハウ全てを、国内選手権のレース観戦で学んだ状態で臨めば、最高のコスパでF1レースを味わい尽くせる。

いかに国内でレースを沢山見てきても、はじめてのF1となると、また別格だ。
そこでは今までに味わったことのない感動を、数多く、味わえるだろう。 

その次は? 

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

鈴鹿でF1日本GPを見てしまったら、その次のステップは、何なのだろうか?

それは恐らく、海外でのレース観戦だろう。

世界では歴史のあるレースが沢山開催されている。

フランスのル・マン24時間レース、アメリカのインディ500マイル、モナコのF1GPなど。

開けてしまったこの世界の扉は、まだまだ、奥が深い...。

補足

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

なお、この記事では4輪の競技のみを取り上げたが、2輪の競技にもまた違った迫力・魅力がある。

2輪のレースでも、底辺カテゴリ→トップカテゴリ、と進むのが良いのは、言うまでもない。

国内の2輪レースの頂点は、もてぎで行われるMotoGP日本GP、そして耐久レースでは鈴鹿8耐がある。

この記事を読んで、是非、4輪・2輪の様々なレースを見てみたい! と感じていただければうれしい。

*1:とはいえ、近年のGTカーの挙動は、ほとんどフォーミュラカーのようらしいが

*2:セーフティーカー先導で1週し、ゆっくり動いている状態でセーフティーカーが外れ、スタート

*3:静止状態からのスタート

*4:2015年のルマン優勝車の改良型、ポルシェ919エヴォ

*5:富士24時間レースを除く

*6:規則

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