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新生鈴鹿10時間耐久レース!観戦レポート①プロローグ~金曜フリー走行

さて今回は、2018年8月24~26日にかけて開かれた、”新生”鈴鹿10時間耐久レースについてレポートする。

今年初めて開催されたこのレース、なんと10時間にも渡る長丁場。

真夏に行われるということで、ドライバーだけでなく観戦する我々にとっても、過酷な”耐久”イベントだ。

35℃を超える灼熱の気温の中で、DAIが見たものとは?

”新生”10耐と、過去の1000km耐久の違いとは?

そして35台を数えるエントラントの中で、10時間を真っ先に走り抜け、栄光のチェッカーを受けたのは?

”新生”鈴鹿10耐

今回の鈴鹿10耐は、”新生”鈴鹿10時間耐久と謳われていた。
初開催であると同時に、なぜ新生なのか?

10耐の前身 ポッカ1000kmレース

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↑2014年大会
画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

それは、この大会の前身が、今から50年以上も昔から開催されていた、伝統の鈴鹿1000kmレースであるためだ。

オイルショックの影響で中断された時期があったものの、2017年まで46回に渡ってこの鈴鹿1000kmレースは続いた。

かくいう私DAIも、はじめて見に行ったハコ車のレースがこの、当時”ポッカ”1000kmと言われていたレース。

暗闇の中でゴールしたマシンたち、とりわけ傷付きボロボロになったバイパーが、解放されたコース上に降りた自分の目の前を駆け抜けて行った姿、そしてゴール後の花火と表彰台から降り注がれたシャンペンシャワーが今も目に焼き付いている。

伝統のレースがリニューアル

そして2017年の第46回大会を最後に、大会リニューアルが決定。

1年以上も前から、鈴鹿サーキットのホームページや各メディアで、”新生”鈴鹿10時間耐久レースについてのプロモーションが繰り広げられた。

これを知った私DAIは、この第一回大会を是非とも見に行きたいと、事前に計画し一時帰国のタイミングを合わせ、念願かなって観戦とあいなったのである。

ちなみに、10耐としては第一回となるが、大会の開催回数は前身の1000kmから継続されるそうで、今回が第47回という歴史あるレースなのだ。

新生10耐はGT3規定

今回のレースにエントリーしたのは35台。

私がはじめて見に行った’96年には、50台近いエントリーがあった、その頃から比べれば少ない。

しかし、今回のレースは参加者の大半がGT3クラスで、性能調整*1が行われ、ワンメイクとは呼べないがそれに近い状態になっている。

’96年は出場台数が多く様々な車が見れるのは魅力だったが、レース展開は耐久レースらしく、順位の入れ替わりが少なく、退屈だった。

対して今回は、35台が10時間の最初から最後まであちこちの順位でバトルを繰り広げる、といった面白いレース展開が予想されるのだ。

また、GT3というパッケージは信頼性に優れ、完走率が高い。
沢山出走して最後まで残っているのは半分くらい、というのが昔の1000kmだったが、今回はレースの最後まで沢山の車が走っているのが見られると期待出来る。

それであれば35台の出走台数は見ごたえ十分と言えるだろう。

出場主要チーム紹介

レースを見る時は、お気に入りの車や、応援するチームを見つけておくと楽しさが倍増する。

ここで、今回の10耐に出場する有力チームを幾つか紹介しよう。

GOOD SMILEレーシング

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画像情報:#4 GOODSMILE Hatsune MIKU AMG | 2017.5.4 SUPER GT Rd.3 Fuji … | Flickr

鈴鹿10耐のエントリーが開始されて一番に出場を決めたのがこの、グッドスマイル。

GT選手権の300クラスではディフェンディングチャンピオンの常勝チーム。

ドライバーも、GTでおなじみのベテラン谷口信輝・片岡龍也に加えて、元F1ドライバーの小林可夢偉を加えた、強力な日本人トリオ。

マシンはメルセデスAMG。
初音ミクをペイントした痛車で、ファンの人気も高い。

Audi Sport

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画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

アウディワークスからは5台が参戦。

スパ24時間でのポール獲得や、6月に同じ鈴鹿で行われた10耐の前哨戦であるレースオブアジアでの優勝など、高い実力を誇る。

今大会の優勝候補の一角。

Team Strakka Racing

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↑ストラッカレーシングが使用しているのと同型のメルセデスAMG GT3(2017年モデル)
画像情報:WIKIMEDIA COMMONS

ル・マン24時間に参戦する強豪、ストラッカは3台のメルセデスAMGを持ち込むメルセデスワークス。
ドライバーもルマンやスパで活躍する一流どころを揃えて来た。

他にもTeam GruppeM Racingなどもベンツワークスチームとして参戦、もちろんこれらのベンツワークス勢は優勝候補だ。

ちなみに日本チームのグッドスマイルもメルセデスAMGを使用しているが、純ワークスではない。

その他

他にもベントレーワークスのTeam M-Sportや、ル・マン24時間ウイナーのロマン・デュマを擁するManthey-Racing(ポルシェ)、日産GT-Rで参戦のKCMG、2台のフェラーリを走らせるHubAuto Corsa、武藤英紀/中嶋大祐/山本尚貴のGTトリオで挑むHonda Team MOTUL NSXなどが注目のチームだ。

さらに、ランボルギーニ、BMWやロータス、コルベット、マクラーレン、トヨタ86など、まさに多種多様な車種がエントリー。
誰でも必ず、自分の好きな一台を見つけられるだろう。

DAIのお気に入りチーム

ちなみに私は、メインで応援するチームは、エントリーを決めた時から注目していた、グッドスマイルレーシングに決めた。
初音ミクに興味はないが、F1時代に応援していた可夢偉選手が乗る事、また片山右京さんがタイアップしているためだ。

そして、ロータスエヴォラ、2台のエヴァンゲリオンカラーのランボルギーニも副次的に応援する事にする。

大会3日間の流れ

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画像情報:Pixabay

通常レースは、フリー走行・予選・決勝の順に行われ、この大会もそうだ。
鈴鹿10耐は金曜フリー走行、土曜予選、日曜決勝という3日間で行われる。

実際にはそのさらに前日の木曜日にも、特別スポーツ走行というのがあるため、それを加えると4日間だ。
しかしそのセッションは全車参加ではなく、有料で希望車だけ*2という事で、公式には3日間のプログラムとなる。

ここでレースをよくご存じない方のために、フリー走行・予選・決勝のシステムについて少し解説する。

フリー走行とは

フリー走行では、ドライバーが練習をし、コースやマシンに慣れる目的と、予選や決勝に向けて車のセッティングをする目的で走り込みを重ねる。

このフリー走行で、マシンにトラブルが発生したり、クラッシュしてしまうと、走り込みが出来ず、その後の予選・決勝に大きく響いてしまう。

今回の鈴鹿10耐では、木曜の午後と金曜の午前に自由参加の特別スポーツ走行、金曜午後に2回(後半は夜間走行)の公式フリー走行が予定された。

予選とは

今回の鈴鹿10耐では土曜日の午後に行われる予選。

予選では1周のタイムを競い、タイムの早い順に決勝で前からスタート出来る。

予選トップの位置をポールポジション*3、2列縦隊で並ぶスターティンググリッドの一番前の列をフロントロウと呼ぶ。

今回のような長丁場の耐久レースでは、スプリントレース*4ほどに予選結果は重視されない。
とはいえ、後方からのスタートになると前方のマシンに塞がれペースが上がらないまま走行を重ねる事になるため、やはり前方からのスタートが有利。

決勝

大会のメインイベントである決勝レースは、通常日曜日に行われる。

今回の鈴鹿10耐は日曜の朝10時にスタートし、10時間後の午後8時にゴールを迎える。
走行距離何と、1,600km! にも及ぶ長丁場のレース。
そのため、3人のドライバーが交代で走行する。

8月24日 鈴鹿10耐 フリー走行

久々のレース観戦で気合満々の私、DAIが会場入りしたのは金曜の夜、フリー走行のナイトセッションが始まった頃。

金曜の晩は駐車料金無料

ありがたい事に、夜の走行は駐車場が無料。
ただし、止め置きする場合は、土曜・日曜と3日分の料金を支払う必要がある。

私の場合は、土曜は他の予定がありサーキットを離れるため、金曜の夜の走行終了後出庫するという事で、駐車代金が掛からなかった。

グランドスタンドから観戦

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グランドスタンドからのパノラマ撮影

さて、鈴鹿サーキットのグランドスタンドに陣取ったのは19時を回った頃、すでに日はとっぷりと暮れ、コースは暗闇に包まれている。

観客席はまばら。
さすがにこの時間帯に、フリー走行を見に来るのは熱心なファンだけだ。

まず、最終コーナーを立ち上がってくるマシンのヘッドライトの眩しさに驚く。
じつは夜の走行を見るのは、たしか2001年頃のポッカ1000km以来。
当時のヘッドライトはハロゲンだったため、こんなに明るくなかった。

LEDやHIDのヘッドライトを装備した現在のGTマシンからの光は、グランドスタンドへ届く。

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最終コーナーを立ち上がってくるマシンたち

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グランドスタンドから1コーナー方面を望む

 

と、目の前のピットレーンにマシンが走り込んで来る。
せかせかとメカニックが動き回り、タイヤ交換とドライバーの交代を行っている。

そう、フリー走行とはいえのんびりピットに入ってくるのではなく、限られた時間を使って、レース中のピットインの練習をするのだ。

突然の赤旗中断

そしてセッション開始から1時間が経過した午後7時半ごろ、突然の赤旗*5

目の前のピットレーンではピットイン車両を知らせる回転灯が点滅し、次々とマシンが帰還する。
このセッションでは場内放送が無い為、何が起きたのか情報が入らず、場内は騒然。

少しセッション時間が短くなってしまったが、ほどなく走行再開された。

あとで分かったのだが、カーナンバー777 Carguy RacingのNSXが、鈴鹿サーキット一番の高速コーナー、130Rでコースアウトしたのだ。
マシンはリヤバンパーが破損したが、幸い自走でピットまで戻ってこられたとの事。

金曜フリー走行(二回目)順位

幻想的な雰囲気の漂う、夜のグランドスタンドから、GT3マシンの爆音とスピードを約1時間に渡って堪能し、あっという間にチェッカー*6となった。

この夜の走行枠でトップタイムをマークしたのは、松田次生、千代勝正、アレキサンドレ・インペラトーリ組のKCMG 日産 GT-R。
2番手に AUDI SPORT TEAM WRT、
3番手はMercedes-AMG Team GruppeM Racingがつけた。

応援するグッドスマイルは28番手タイムとやや出遅れ気味、この結果は少し不安。

とはいえまだ初日、公式セッションの2回目である。
明日の予選に向けてのセッティングを煮詰めている段階なので、この順位はまだ何とも言えないのだ。

ただ私は残念ながら翌日の予選は他の予定があり、一旦サーキットを離れる事になった。

次回の記事では、日曜日、10時間に渡る決勝レースの様子をリポートする。

www.lovemotorsports.info

*1:レースで連勝するような強い車は遅くなるように、また全然勝てない車は早くなるように、レース結果に応じて重量などで調整が施される事

*2:とはいえ35台中31台と大半のエントラントが参加

*3:昔はレーススタートの合図を旗で知らせていたため、その旗が振られる位置、つまり一番前という意味

*4:通常2時間以内で走り切る短距離レース

*5:走行中断、全車スロー走行でピットへ向かわなければならない

*6:走行終了を知らせるチェック模様の旗

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