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9年ぶりにウィリアムズからF1復帰!のロバートクビサってどんな選手?

さて2018F1シーズンも残すところ今週末の最終戦、アブダビGPのみとなった。

この時期にはほとんどのチームの来期シートは埋まっているのだが、ウィリアムズのシートは未定であった。

そこに飛び込んできた今回のニュース。

11月22日、アブダビGPのグランプリウィーク木曜日に、ウイリアムズF1チームは2019年、ルーキーのジョージ・ラッセルとベテランロバート・クビサという新体制でシーズンに挑む事を発表した。

最近のF1からなじみのある名前がすっかりいなくなってしまったと嘆く、私のようにブランクのあるF1ファンにとって、クビサの復帰はとても喜ばしい。

しかし新しいF1ファンは、久々の復帰となるクビサの事を知らない方も多いだろうから、彼のプロフィールやこれまでの経歴、所属チームのウィリアムズについてまとめてみた。

ロバート・クビサのプロフィール

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画像情報:ウイキペディアより

フルネームは、ロバート・ヨゼフ・クビサ。

ポーランド出身、身長183cm、体重72kgという大柄なドライバー。

1984年生まれの33歳(2018年11月現在)と、’06年デビューにしては、意外と若いなと驚いたのだが、調べてみるとデビューが21歳と若かったためだ。
デビュー当時から頭が薄かったので、調べるまでそんなに若くしてデビューしたとは知らなかった。

’00年代からF1参戦しているドライバーは、ベッテル(31歳)、ライコネン(38歳)、グロージャン(32歳)、アロンソ(37歳)の4人のみ。

今年限りで引退を表明しているアロンソと入れ替わりでF1へ戻る、ベテラン選手となる。

F1での成績(2010年まで)

優勝1回

ポールポジション1回

通算獲得ポイント273

上記成績から分かるように、華々しい活躍はないが、着実にポイントを重ねる堅実なタイプ。

特に開発能力の高さで知られ、テストドライバー経験も豊富。

ロバート・クビサの経歴

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画像情報:Wikipedia Commonsより

弱冠21歳でのデビュー

2006年、BMWサウバーの第三ドライバーを務めていたクビサは、シーズン途中で正ドライバーのジャック・ビルヌーブが欠場し、チャンスが巡ってくる。

第13戦ハンガリーGPで、ポーランド人初のF1ドライバーとしてデビュー。

クビサが所属する、当時のザウバーチームは好調で、デビューから2戦後のイタリアGPで3位表彰台を獲得。
当時弱冠21歳のルーキーの速さに注目が集まった。

大クラッシュと奇跡の生還

ところが翌2007年、第6戦カナダGPで大変な大クラッシュを演じてしまう。

このクラッシュはマシンがモノコック部分以外粉砕するほどで、一歩間違えれば致命的な事故に至るところだった。

ところがこれほどの衝撃的な事故にもかかわらず、クビサは1戦欠場したのみで、 再びレースに復帰したのだ。

不死身のドライバー、という印象を決定づけた事故であった。

ベストシーズンの2008年

フル参戦2年目の2008年はクビサにとってベストシーズンとなる。

第3戦バーレーンGPで初ポール獲得、第7戦カナダGPで自身初、そしてザウバーチームにとっても初となる優勝をもたらす。

その時点でドライバーズランキングのトップに立ち、シーズン終盤までチャンピオン争いを演じた末、キミ・ライコネンと同ポイントのシリーズランキング4位を獲得。

才能が開花した一年であった。

F1シート喪失につながったラリーでの事故

2010年に心機一転、ルノーへ移籍し、まずまずの活躍を見せていたが、翌2011年のシーズン開幕前、趣味で参戦していたラリーでまた、大クラッシュを喫する。

クビサの事故のニュース報道↓

一時は右足切断も懸念されるほどの重傷を負い、懸命の治療の結果、足の切断は免れたものの、 全治10カ月となり、F1シートを喪失してしまった。

リハビリの後、しばらくWRCへと活躍の舞台を移す。

テストドライバーからF1復帰へ

長年F1から離れており、事故の後遺症のため復帰は難しいと思われていた。

ところが2016年にルノーF1マシンをテストドライブ、また2018年は名門ウィリアムズF1チームのテストドライバー兼第三ドライバーとなる。

そして今回、母国ポーランドの石油会社PKN Orlenのバックアップを得て、来期2019年のウィリアムズの正ドライバーへと昇格したのだ。

2010年の最終戦アブダビGP以来、実に9シーズンぶりのF1復帰が叶った!

大丈夫?長いブランク後の参戦

ハイテク・ハイスピード化した現代のF1は、たった1年休んだだけでも復帰はかなり難しい。

復帰に成功したドライバーの例としては、ライコネンが挙げられる。 
しかしライコネンは、 2シーズンの離脱のみだ。

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ブランク後に復帰した他のドライバーの例としては、ジャック・ビルニューブ、ナイジェル・マンセル、ミハエル・シューマッハ、オリビエ・パニスの例があるが、いずれも復帰後の成績は振るわなかった。

クビサのように8シーズンの離脱後の復帰というのは、近年のF1ではルカ・バドエルの例がある。

しかしそのバドエルに至っては、9年のブランクでレース勘を取り戻せず、フェラーリを2レース連続最下位フィニッシュさせ、即交代という散々な結果に。

クビサも2018シーズン、テストドライバーとしてF1に乗り続けていたとはいえ、このブランクはかなりのハンデであろう。

それでも、私個人としては、’00年代から走り続けているなじみのドライバーのひとり、是非とも応援したい。

現実は相当厳しいとは思うが、ブランクを克服し、少なくともルーキーのチームメイト、ジョージ・ラッセルを上回る活躍を見せて欲しい。

所属チーム、ウィリアムズについて

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画像情報:Wikimedia Commonsより

F1界屈指の名門

ウィリアムズは1977年以来40年以上に渡ってF1に参戦を続けている名門チーム。

今は健康上の理由でほとんど現場に顔を出さなくなってしまったが、車椅子の闘将、フランク・ウィリアムズ氏が率いるチームとして有名だ。

現在のF1でウィリアムズより古いチームはフェラーリ、マクラーレンだけ*1

コンストラクターズタイトル9回(歴代2位)

ドライバーズタイトル7回

優勝回数114回(歴代3位)

という輝かしい成績を残してきた。

昔は常勝チームだった

特に’80~’90年代の黄金期にはピケ・マンセル・プロスト・ヒルjr・ビルヌーブjrといった偉大なるチャンピオン達を擁し、常に4強*2の1角を占めていた。

故アイルトン・セナが最後に所属したチームとしても有名。
当時のセナはマクラーレンという勝てるチームにいたのだが、もう一度チャンピオンを捕るにはウィリアムズへ行くしかない、という事で移籍したのだ。

その前任のプロストも、マンセルも、力のあるドライバーは皆、チャンピオンを手にするためにウィリアムズへと移籍した。

近年の低迷

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画像情報:Pixabay

ところがそんな名門チームが2000年代に入ってから低迷を続けている。

ドライバーズ・コンストラクターズともに1997年を最後に20年以上シリーズチャンピオンを獲得出来ていない。

2012年以来6年間勝利にも見放されており、2018年も最終戦を残して現在10位(最下位)、獲得ポイントはわずかに7ポイント。
チーム創設以来最低の成績に終わりそうだ。

この2018シーズンの低迷の理由として、ルーキーと参戦2年目の若手2人のドライバーラインナップだった事が、挙げられている。

来期は経験豊富なクビサが、ルーキーのジョージ・ラッセルを引っ張っていく、そんな役割が期待されるのではないか。

ロバート・クビサの来季へ向けての意気込み 

クビサは復帰の記者会見で次のように語っている。

『F1グリッドに戻ることはチャレンジングな旅路だった。ほとんど不可能だと思われたことだけど、今では可能だと感じ始めているし、自分が2019年にF1グリッドに並ぶと言えることに興奮している

簡単ではないだろうけど、ハードワークと献身を重ねて、(チームメイトとなる)ジョージと僕の二人でグリッドでの順位を上げられるようにチームを良い状態にするために協力していくつもりだ

来シーズンのF1グリッドに戻ることは僕の人生で最大の成果のひとつだし、ハードワークとコミットメントで一緒に良い結果を達成するためにチームにモチベーションを与える手助けができると確信している。改めて僕を信じてサポートしてくれた皆さんに感謝したい。やっとF1カーの戻れる。レースに戻るのが待ち切れない』

F1-Gate.comより引用

来期9年ぶりに復帰を果たすベテラン、クビサの挑戦は、どのような結果をもたらすのだろうか?

ウィリアムズの選択は、低迷するチームに浮上をもたらすのか、それとも?

記者会見後、アブダビGPの金曜フリー走行では、チームメイトのストロールから1秒半遅れを取る、最後尾タイムであった。

まずはアブダビGP後に行われるタイヤテストでのタイムに注目だ。

*1:メルセデスは1950年代に参戦歴があるが、その後2010年までの長い休止期間があるため、比較せず

*2:フェラーリ、ベネトン(ルノー)、マクラーレンとともに

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